オレん家のフロ事情（オレフロ）とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

2023.02.19

『オレん家のフロ事情』とは、いときちによって2011～2020年まで『月刊コミックジーン』で連載されたコメディ漫画である。『オレフロ』は公式で使用されている略称であり、ファンの間でもこの呼称で親しまれている。
2014年10～12月に5分枠の短編アニメが放送されており、2022年2月には台湾で実写ドラマ化もしている。
一人暮らしをしている高校生の龍己と、その家の風呂場に住み着いた人魚の若狭を中心にした日常の様子やちょっとしたハプニングなどが描かれていく。

その他

CV：川原慶久

若狭から「日本家庭風呂三種の神器」と呼ばれ、気に入られているアヒルのおもちゃ。
元々は龍己が祖父に買ってもらったもの。

原作の漫画ではただのおもちゃだが、アニメ版ではナレーションを務めている。

『オレん家のフロ事情』の用語

海鮮系男子

若狭をはじめとした、上半身は人間、下半身は海の生き物の姿をしている登場人物の総称。単行本のカバーに添えられている作者コメントや宣伝文句として使用された造語である。
人魚が海の生き物に属するかは疑問だが、少なくとも本作では「若狭は海で過ごした時間が長く、友人も海の生き物が多い」という設定があるため、海洋生物という括りにされている。

日本家庭風呂三種の神器

風呂場用のアヒルのおもちゃに対して、若狭が使用した呼称。
他の2種が何なのかは不明。若狭にとっては「幸せな家庭風呂の象徴」とされている。

女性ヘヴン

河原によく落ちている女性向けの週刊誌。
若狭が「私の人生の一冊」と称し、人間のことを学ぶために読み込んでいた。

龍己の家の風呂に住み着いてからも愛読書としている。この雑誌で得た知識や情報を鵜呑みにして、龍己を翻弄する。

ボディランゲージ

言葉に頼らずに、身振りや表情などで意思を伝える方法。
現実の鮫がこの特性を持っていることから、作中では安賀里のコミュニケーション方法として描かれている。

安賀里自身は言葉を発することは可能だが、話すことで緊張をしてしまうことと、口を開けると怖がられることを理由にボディランゲージでの会話がメインとなっている。
若狭も動きで意思を汲み取ることができるが、作中では龍己のみが、唯一同じボディランゲージを使っての会話が可能。

ホワイトアウト

雪や雲などによって視界が白一色になり、周囲の様子が確認できなくなる現象のこと。
久虎の入浴剤の効果により、龍己と若狭は室内であるはずの風呂場でこの現象を体験することになる。

『オレん家のフロ事情』の名言・名セリフ／名シーン・名場面

龍己「今さら静かなフロになっても困る」

叔父の久虎が酔っ払って訪問してきた際、若狭の存在を知られた龍己が若狭をかばうために放ったセリフ。
若狭と同居するようになってから、龍己の家の水道光熱費は跳ね上がっている。それを龍己の父から聞いていた久虎は、龍己に向かって「親に心配と迷惑をかけているのではないか」と問いかけた。まだ高校生であり、両親から金銭の援助をしてもらっている龍己が誰かを養うことのおかしさ、そして何より人魚である若狭の存在が世間に知られたら大変なことになることを伝える。
それに対して龍己は、両親に心配と迷惑をかけていることも、若狭がいることで食費や水道光熱費が高くなっていることも自覚していると話した。それでも、すでに若狭のいる日常が当たり前になっていることを「今さら静かなフロになっても困る」という言葉で表し、若狭を追い出すことは考えられないことを久虎に伝える。
元々本気で龍己と若狭を引き離すつもりはなかった久虎は、龍己の本心を聞くと「もっと大人（オレ）を頼れ」と言い残しその場を去った。

このセリフの前には、一瞬だけ回想するように亡くなった祖父との入浴シーンが描かれている。今更若狭と離れることはできないという龍己の意思が含まれているのは明らかだが、祖父との思い出の場所で1人で暮らしていた龍己が、また誰かと過ごせる楽しさを感じていることも読み取れる。

龍己「オレは子供だからまだ恋はわからないでも簡単に答えを出していい問題じゃないのはわかる」

大人になる時に性別が決まるという特性を持った真柄が、「龍己と出会ったことで女の子として生きたいと思った」と告白をした際に龍己が返したセリフ。
性別はどちらでもいいと思っていた真柄は、龍己といるとドキドキしたり楽しい気持ちになることや、初めて一緒にいたいと思ったことを告白する。「まだ会って二回目だから」と慌てて説得を試みる龍己に、真柄は自分は大人だと言い寄りながらも魚だからダメなのかと呟く。
それを聞いた龍己は「あんたは悪くない可愛いと思うちゃんと大人かもしれない」と真柄を認める。そのうえで「でもオレは子供だからまだ恋はわからないでも簡単に答えを出していい問題じゃないのはわかる」と言って時間が欲しいことを伝え、真柄もそれに応じる形で円満に解決した。

ただ断るのではなく、真柄を1人の大人として認めていることと、人魚と人間という違いは関係なく真柄に非はないことも伝える龍己の優しさが詰まったセリフである。

『オレん家のフロ事情』の裏話・トリビア・小ネタ／エピソード・逸話

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