オレん家のフロ事情(オレフロ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『オレん家のフロ事情』とは、いときちによって2011~2020年まで『月刊コミックジーン』で連載されたコメディ漫画である。『オレフロ』は公式で使用されている略称であり、ファンの間でもこの呼称で親しまれている。
2014年10~12月に5分枠の短編アニメが放送されており、2022年2月には台湾で実写ドラマ化もしている。
一人暮らしをしている高校生の龍己と、その家の風呂場に住み着いた人魚の若狭を中心にした日常の様子やちょっとしたハプニングなどが描かれていく。

『オレん家のフロ事情』の概要

『オレん家のフロ事情』とは、いときちによって2011~2020年まで『月刊コミックジーン』で連載されたコメディ漫画である。『オレフロ』は公式で使用されている略称であり、ファンの間でもこの呼称で親しまれている。
2014年10~12月にBS11、ニコニコ動画、バンダイチャンネル等で5分間の短編アニメが放送された。
2022年2月には台湾で実写ドラマ化されている。日本での放送の有無は未定。

一人暮らしをしている高校生の龍己が、河原で瀕死になっていた人魚の男・若狭を拾ったことから物語は始まる。そのまま龍己家の風呂場に住み着いた若狭と、そんな若狭の世話をする龍己のほのぼのとした日常や、若狭の知り合いである水の生き物たちとの触れ合いを描いていく。

基本的には4コマ形式の漫画となっており、一話一話は独立した短編のオムニバス形式となっている。一部シリーズ化されていたり、他の話との繋がりを持たせた話などもある。
若狭をはじめとした水の生き物は全員、上半身は人間の男性の姿をしており、下半身や身体の一部にそれぞれ元の生き物の特徴が盛り込まれている。登場人物の大半は水がないと生きられない生き物のため、本作はほとんどのシーンが龍己家の風呂場となっている。

『オレん家のフロ事情』のあらすじ・ストーリー

龍己と若狭の出会い

亡くなった祖父母の一軒家で一人暮らしをしている高校生の龍己は、ある日河原で倒れていた人魚の青年・若狭を発見する。介抱するため家に連れて帰った直後に若狭が人魚であることに気付いた龍己は、特に怖がる様子もなく言われるがままに風呂場と食事を提供した。
人間に騒がれたことで元の住処を追われ、河原で力尽きてしまった若狭は、人間でありながら人魚の自分を受け入れ世話を焼いてくれる龍己を気に入る。そしてそのまま龍己の家の風呂場に住み着くようになった。

大人っぽくクールな性格の龍己と、我儘で子供っぽい若狭の共同生活が始まり、若狭の友人も訪れるようになることで1人暮らしだった龍己の生活は次第に賑やかになっていく。

龍己家の兄妹事情

両親の都合で、毎月第3日曜日は妹の霞を龍己の家で預かることになっている。若狭が住み着いてから初めて霞が訪れる日、若狭の存在を何とか隠し通そうと試みるが失敗に終わった。
人魚だということもバレてしまうが、霞にとっては若狭が大好きな兄と同居していることへの嫉妬心の方が強く、人魚だという事実は特に気にした様子はない。そして、その日は龍己が「この事を内証にする代わりに、今度なんでも言う事を聞く」という約束で事なきを得た。

その後、霞は第3日曜日以外の日でも何かと理由をつけて兄に会いに来るようになる。若狭に対しても初めは嫉妬心からライバル視していたが、兄への好意や共通の趣味の話題などから徐々に打ち解けていき、良き友人のような間柄となっている。

久虎おじさんと怪しい入浴剤

激とろみ夢心地入浴剤編

ある日、アルバイト終わりの龍己に声をかけてきたのは、龍己の叔父である久虎だった。龍己はフラスコに入った明らかに怪しい入浴剤を渡そうとしてくる久虎を警戒するが、中学生の頃の思い出をばらしてやるという脅しを受け、渋々だが入浴剤のモニターを引き受ける。
自宅に戻った龍己は、自分の代わりに若狭を実験体にし浴槽に入浴剤を入れた。すると浴槽の湯が片栗粉のようにとろみを持ち、若狭は湯の中から抜けなくなり、訪問してきた仲間達を巻き込んで力尽くで若狭を引き抜くという事態となったのだった。

久虎はマッサージ効果のあるとろみの強い入浴剤を調合したつもりだったようだが、予想以上にとろみが強く失敗だったことを龍己から告げられ、改良を決意する。そして龍己がモニターを引き受けてくれることに味を占めた彼は、これ以降も怪しい入浴剤を作っては度々登場し、龍己たちへモニターを押し付けるようになる。

男気MAX!!編

酷く酒に酔った様子で龍己の前に現れた久虎は、「バレンタイン☆モテモテ大作戦」と称し、開発した入浴剤の入ったフラスコを龍己に押し付けた。
モテるようになると聞き、若狭が喜んで入浴剤を投入すると、今までと違い浴槽の湯は毒々しい赤色に変色する。それと同時に若狭の性格を豹変し、いつものマイペースで子供っぽい雰囲気からキリッとした男前な雰囲気に変化する。
男前な性格になったことにより、焦がしてしまった料理も文句を言わずに食べ、うっかり落としてしまった苦手な野菜も完食する若狭と、その若狭の姿に普段よりも扱いやすいと感じていた龍己。しかし、今までの入浴剤の効果とは違い特に問題なく過ごしていた二人の前に、未だに酔っ払った状態の久虎が現れる。

今回龍己に渡した入浴剤を「フェロモン増し増し☆色気男気ムンムン酩酊入浴剤」と名付ける久虎は、これは子供の龍己にはまだ早い代物で、寝ぼけていたために間違えて渡してしまったのだと告げる。そして自らも浴槽に飛び込もうとして、ようやく若狭の存在に気付いた。
若狭が人魚だとバレないように、龍己はどうにか誤魔化そうとしたが、未だに男気溢れる状態である若狭は自ら人魚だと名乗り出てしまう。酔っているせいか特に問題なく受け入れる久虎だったが、若狭がいることにより水道光熱費が上がっていることや、龍己の両親に迷惑と心配をかけているのではないかということを指摘する。
暗に若狭と離れた方がいいのではないかと告げる久虎に、龍己は今更若狭と離れることは考えていないことを伝える。龍己の真っ直ぐな目を見て、事情を受け入れた久虎は、それ以上咎めることなく龍己の家を後にした。

素直になるおくすり編

珍しく正装で龍己の前に現れた久虎は、「やだ…もう♡あふれちゃう♡入浴剤13号」と称した入浴剤を紹介する。名前の胡散臭さに立ち去ろうとする龍己だが、久虎にとっては「コレでお嫁さんをゲットするんだから!!」と意気込むほどの自信作のようで、いつものようにフラスコを押し付けて立ち去った。

これまで散々な目に遭ってきた若狭が入浴剤の投入を渋っていると、若狭の友人であるカニの越前が現れる。元の住処に連れ戻そうとしてくる越前を何とか追い返すために、若狭は自ら入浴剤を投入するが、特に何の変化もないまま同じく友人であるタコの鷹巣まで訪問してきた。
犬猿の仲である越前と鷹巣はその場で喧嘩を始めるが、何故か親友だった頃を懐かしむ発言を放つ。自分の意思とは関係なく本音が漏れることに動揺する二人を見て、龍己は今回の入浴剤には「本音が溢れる」効果が付いていることに気付いた。これをいい機会だと捉えた龍己と若狭は、2人を浴槽に押し込み仲違いした原因を探る。

若狭と出会う前から親友として仲良く過ごしていた越前と鷹巣は、若狭が現れたことにより新しい遊び相手を取り合う形で喧嘩をし、そのまま仲違いしたのだと白状する。仲違いの原因と仲直りしたいという本音まで知られてしまった2人は、照れ隠しに再び喧嘩をしながら龍己の家を出て行った。

ローション入浴剤編

普段よりも清潔さを伴って現れた久虎は、「キレイになりたい」「リラックスしたい」という女子の願望を叶えると言い、珍しく真面目な理由で開発した入浴剤を渡してきた。
色も香りも特に問題がなかったため普通の入浴剤かと思われたが、若狭の体表粘液のタンパク質と化学反応を起こし、製作者の久虎の意図とは関係なくローションのようにぬるぬるとした液体と化す。

度を越えた滑りに呼吸もままならない若狭は龍己に助けを求めるが、ぬるぬるしたものが苦手な龍己は、あまりの滑りに限界を迎え気絶してしまう。
龍己を助けるために滑りを取らなければいけないと奮い立った若狭は、浴室の外にある風呂用洗剤に目を付ける。龍己を背負いながら、助走をつけて外に飛び出す計画を立てた若狭だったが、あまりの滑りと勢いに背負っていた龍己はすっぽ抜け、そのまま廊下の壁に激突した。

結果を報告してきた龍己の肌がツルツルになっていたことに気付いた久虎は、成分を弱めて再開発したものの、弱め過ぎて効果はなくなり、またしても失敗に終わるのだった。

マッドサイエンティスト舟木の襲来

未確認生物を研究しているマッドサイエンティストの舟木は、龍己が若狭と出会った際の写真を所持していた。突如助手と共に龍己家に現れ、強引に風呂場まで押し入いった彼は、人魚である若狭に魅了され、自分の手元に置きたいがために連れ出そうとする。
舟木は様々な好条件を出し若狭を誘うが良い返事をもらえず、その原因が龍己だと分かると若狭に記憶を消す薬を飲めばいいと提案する。あまりにもしつこい様子を見かねた龍己が割って入ると、舟木の表情は一変し、龍己に無理やり睡眠薬を飲ませた。

龍己が乱暴に扱われたことに怒りを爆発させた若狭は、我を忘れて人魚としての力を暴走させる。危うく舟木を殺しかけたところで、気を失いながらも自分のことを気遣ってくれる龍己を見て正気を取り戻した。
舟木は助手に記憶を消す薬を飲まされ、そのまま龍己家から去ったため二度と来ることなかった。そして龍己は睡眠薬で気を失っており、若狭は怒りで我を忘れいたため、それぞれ暴走時の記憶が曖昧になり再び平和な日常に戻る。

龍己の将来

修学旅行で沖縄に来た龍己は、友人たちとの何気ない会話の中で進路の話題を振られた。そして自分だけが何も考えていないと知り、修学旅行中にも関わらず漠然と将来について悩み始める。
翌日、泳げない事と寝不足を理由にシュノーケリングを断り、友人たちと離れて別行動を取っていた龍己。1人になり改めて進路について考えていると、留守番に耐え切れず沖縄まで泳いできた若狭たちと出会う。

若狭たちに先生と呼ばれ彼らの引率として付いてきた芦原は、泳げない龍己のために海を割って道を作り、二人で歩き始めた。若狭たちに慕われる芦原を見て”先生”という職業に興味を持った龍己は、自分の悩みさえもお見通しの芦原から”先生”の在り方について話を聞く。
海ではしゃぐ若狭たちを見ながら芦原にアドバイスをもらった龍己は、幾分かスッキリした様子で友人たちの元へ戻り、その後は修学旅行を素直に楽しんだ。

改めて学校で進路希望調査の用紙を受け取った龍己は、未だに進路を決めきれずにいた。
自宅に戻り、いつものように風呂場に集合していた若狭とその仲間たちに進路希望調査について話すと、彼らも自分の夢について話し出した。それぞれ個性的な夢を持っている彼らに、龍己はそんなに思い悩むほど重く捉える必要はないと気付かされる。そして芦原と出会った時のことを思い出しながら、進路希望調査の用紙に大学の教育学部への進学を書き込んだのだった。

『オレん家のフロ事情』の登場人物・キャラクター

主要人物

龍己(たつみ)

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