死役所(漫画・ドラマ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『死役所』とは、あずみきしが2013年11月号から『月刊コミック@バンチ』(新潮社)にて連載中の漫画、およびそれを原作としたテレビドラマ作品。主人公の死役所職員『シ村』が毎日途切れる事なく迎える相手、それは死者。シ村は死者をお客様と呼び死後の手続きを進める。作り笑いと辛辣な物言いに顰蹙を買う主人公だが交流を重ねる内にお客様との心の距離を縮めていき、それぞれの死後の世界へ見送りする。死後だからこそ知る真実や生前からの思いや行動、様々な人間関係が交錯するヒューマンドラマ作品である。

部署:生活事故死課

若くイケメンな風貌の男性職員。役者の祖父(実は父親であった)譲りの見た目は生前女性からモテる要因であったが、その事が後々死刑となる罪に大きく関係している。今どきの若者らしくラフなスタイルであるが、「真(まこと)」「童(わっぱ)」「何故(なにゆえ)」言葉遣いは古風な一面がある。これも役者の祖父の影響である。実はハヤシは父の子ではなく役者時代から祖父の大ファンだった母と祖父の間にできた子供だった。母の死後その事実を記した手記を父親が見つけた時からハヤシは父から避けられるようになる。祖父の葬式時に酒に酔った父が大勢の前でその事実を叫びハヤシを罵る。それでも関係上の姉(異父姉弟)理花は全てを受け入れ自分の身方でいてくれた。やがてハヤシは幼馴染のまりあが妊娠したのを機に結婚するが日に日にまりあはハヤシに余所余所しくなる。そんなある日早く帰ってきて欲しいとまりあから言われたハヤシは喜んで帰宅するがそこに待っていたのは見知らぬ男。そこでハヤシは子供の親は自分である事、まりあと別れて欲しい事、まりあはハヤシの出生の秘密について実は気持ち悪いと思っている事を知らされる。ハヤシが女性から人気のある見た目なのもまりあにとっては嫉妬の対象になり苦い思い出ばかりだったのだ。まりあが求めるのは並の人との並の結婚であり、同じ職場で隠れて付き合っていた子供の真の父親である男性がいよいよ耐え切れずに迎えにきた、という事だった。その話を聞いたハヤシは逆上、妻、男、子供を殺害し裁判の結果死刑が確定した。(5巻収録話)作中優しい気持ちの一面も見せ爽やかで好人物な印象の反面善悪の判断において大きく欠落している部分が垣間見える。

ハシ本 / 端本(はしもと)

部署:他殺課

イシ間とほぼ入れ替わりでやってきた新人。左利き。
無口で表情も乏しいコミュ障タイプの人物として描かれているがシ村の新人研修を真面目に受けたり「お客様」に関する私見を語りあったりと人間味ある面を覗かせる事がある。嫌味な職員フシ見の嫌がらせによって不満が爆発しカッターを振り回すなど狂暴化した際、反対にカッターを取り上げたフシ見に喉元を切り裂かれてしまう。それからハシ本の風貌は喉にギザギザの縫い目がついた姿となった。16巻現在ハシ本の生前の個人史が記載された話はまだ出ていない。(7巻から登場)

その他の職員

岩シ水 / 岩清水直樹(いわしみず なおき)

部署:人為災害死課

見た目は地味で大人しそうな若手職員。父親が過干渉であった為自分で物事を考えるのが出来ず指示がないと不安になる。他人の気持ちも理解出来ず無神経。死刑になった自らの行動も心の底から自分の何が悪いのか理解出来ず、シ村達職員からクズ呼ばわりされている。生前、父の死後母が再婚し家を出て行ったあたりから岩シ水の人生は崩壊していく。東大受験が最後の父親からの指示となったが勉強以外何をしていけば良いのかわからない岩シ水。幸か不幸か大学受験に失敗したままの岩シ水はある日環境を変える為に一晩ネットカフェに泊まる。その晩岩シ水が一人暮らししている自宅が火事になり全焼してしまう。自宅にあった全ての物が燃え母の連絡先もわからない岩シ水はその場から逃げネットカフェに戻ってくる。現状をどうしていいのかわからない岩シ水はネットカフェ難民だったが、自分に降りかかる問題を解決する方法もわからず指示も仰げないストレスからネットカフェに放火し10人を焼死させ死刑に至る。多くの人命を奪ったことに罪の観念はあるものの、結果人が死んだくらいの認識しかない。動機は「ネットカフェをなくしたかったから」としており、本人は殺意を明確に否定している。(10巻収録話)

松シゲ / 松重謙三(まつしげ けんぞう)

部署:交通事故死課

酷い訛りで話す男性職員。相手はほぼ内容を理解出来ないがシ村だけは理解できるようだ。イシ間とはタイプが違うが慈悲深い性格の持ち主。死ぬ事は怖くないとお客様を優しく諭す場面があるが、この時シ村はいつもの張り付けたような笑顔のままその様子を見つめていた。また、シ村が『加護の会』信者と松シゲに切り込むシーンがあるが本人はそれを否定している。松シゲの過去や個人史についても記載されていないがシ村が松シゲに対し何か警戒している印象がある場面が散見される。(15巻収録話他)

シラ神 / 白神靜佳(しらがみ しずか)

部署:病死課

自己肯定感が低くすぐに謝罪を口にする女性職員。物静かで腰が低く、すぐに謝る。大人しく儚げで自分の女房にどこか似ているとイシ間が言う場面がある。生前は田舎の小さな村に住んでおり、郷土信仰である村の神様へ嫁ぐという儀式に花嫁として参加する。その村祭りに同級生の男子を誘った事から二人は親しくなりやがて二人は結婚する。シラ神の同居家族は母方の祖母、祖父(婿養子)、母の4人で父親はシラ神が幼い頃に亡くなっていた。父も婿養子であり女系家族の為、シラ神 自身も元同級生の恋人徹也を婿として迎える。祖母はシラ神を厳しく躾けていたがそれは憎さではなく、シラ神が幼少時悪戯の度が過ぎた事がきっかけで父親を冷たい池へ突き落し死なせてしまった過去があった為だった。祖母や母にこの事は忘れろと言われた次の日、シラ神は本当にその記憶をすっかりなくしていた。しかしふとしたきっかけで自らの殺人の記憶が蘇り、人殺しと責められる幻聴から夜も眠れないほど苦悩する。記憶を取り戻した事を祖母に感づかれたシラ神は祖母の声と幻聴が重なり、夫を失う恐怖で祖母をめった刺しにしてしまう。また帰宅した母をも包丁で刺し殺してしまった。その後、山に隠れていた所を警察に確保され裁判で死刑が確定した。(16巻掲載話)

フシ見(フシみ)

部署:他殺課

意地の悪い性格で配属直後のハシ本とトラブルになった事がある男性職員。衝撃がを異様に嫌う無精髭で不健康そうな顔をしている。ハシ本が喉を縫われる原因になった張本人。

竹シタ(たけシタ)

部署:癌死課

髭面でガラが悪そうな中年男性。イシ間より在職期間が長いがいまだ任期満了通知は来ない。

シン宮(シンぐう) 演:余貴美子

部署:死産課

男好きな態度を隠さない中年女性職員。男性と女性に対する態度の違いは清々しい程の違いを見せる。あからさまな態度と下品さで男性にもあまり人気はない。

himeyura0924
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@himeyura0924

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