不条理すぎて賛否両論な映画まとめ!『ミスティック・リバー』など

ここでは不条理な結末が賛否両論を巻き起こした映画をまとめた。幼馴染が殺人事件の容疑者・担当刑事・被害者の父という立場で再会する『ミスティック・リバー』、ギャングから金を盗んだ男・ギャング・保安官がお互いを追跡する『ノーカントリー』などを紹介している。

▼『ミスティック・リバー』

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”重いテーマ、重いストーリー、不条理なラスト。余韻が残るとはこの事か”

デニス・ルヘインの原作を、クリント・イーストウッド監督、ショーン・ペン、ティム・ロビンス、ケビン・ベーコン主演で映画化した2003年の作品。幼なじみの3人の少年は、ある事件をきっかけに疎遠となっていた。25年後に殺人事件を機会に再会した彼らだが、それぞれ被害者の父、容疑者、刑事という全く異なる立場だった...。

それぞれのその後を映し出すラストは、スッキリとしたものでは無かったが、心にズシリと余韻が残る、ある意味残酷なまでに現実の不条理さを感じさせるものとなっている。

『ミスティック・リバー』予告編

中盤とは対照的に、ラストはあっけない上、観客は不条理さに納得できずに終わるんですね。そこが狙いなんでしょう。しかしそれでいいのかと考えさせられる。

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極めて原作に忠実だが、ラストちょっと違う。「現実は闇に葬られ、表面に出てこないこともある」「真実は皆が知っている現実とは違う」という人間世界の悲しい不条理を強く打ち出している。

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原作者や監督の言いたい事なんて実際はどうでも良くて、どれだけその映画に引きずり込まれたか、というのが大事だと思うわけです。そういう点では、ガッツリ引きずれ込まれましたし、その後も引きずりました。

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▼ノーカントリー

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”壮絶な個性のキャラクターによる衝撃的な内容だが、ラストには賛否が。”

ジョエル&イーサンのコーエン兄弟が、コーマック・マッカーシーの原作『血と暴力の国』を映画化した2007年の作品。主演はトミー・リー・ジョーンズ、ハビエル・バルデム、ジョシュ・ブローリン。緊迫観と恐怖感を描きながら、ある種の温度を感じさせる映像感覚はコーエン兄弟の諸作の中でも出色。テキサスの乾いた空気と、ギラギラした空の描き方が素晴らしい!麻薬密売に絡んだ大金を横取りした男が非情な殺し屋に追われる。一方、殺し屋も保安官に追われていた...。

考えさせられる、若しくは脱力感に襲われる不条理なラストには賛否両論あるが、キリスト教的な意味合いもありそうな...。

『ノーカントリー』予告編

あまりに影響を受けてハッとすることがあるくらい衝撃的な映画だ。ラストシーンは賛否があるだろうが、はっきり言ってここまで来るとどんな終わり方をしたっていいのだ。

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絶望ばかりが詰め込まれた本編のラストで老保安官が語る「昨日みた夢」。昔に亡くなった父との、愛情溢れるやりとりを夢にみた彼の心にだけは、少しの平穏が訪れたのだと願いたいです。

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彼らにとっての意図が一種難解だったとしても、知識のない観客にも近い解釈にたどり着けるようにしてあるのが、さすがです。

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▼カフカの「城」

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”不条理な作品には不条理なラストが...。原作を読むと納得できる?”

フランツ・カフカの小説「城」を、オーストリアの鬼才監督ミヒャエル・ハネケが1991年に映像化したテレビ映画。測量士のkが、仕事を依頼された城に向けて歩を進めるも、一向に着く気配がない...。主人公のKは「善き人の為のソナタ」の故ウルリッヒ・ミューエが演じている。テレビ映画の割には非常に長く、しかもあまり何も起こらない。ハネケの挑戦は、歴史に残る作家の作品に対しても、非常に挑発的なのだ。

ある意味原作に忠実で不条理なラストには、思わずエッ!とも思った人が大半を占める模様。

『カフカの「城」』

全編を通して息詰まるような閉塞感を感じる。また、いかに原作に忠実だからといって、映画的解釈を放棄したのはいかがなものかと思う。

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登場人物の配役の魅力やストーリー展開のわかりやすさからいえばハネケ版は良いと思う。ラストは、カフカが未完に終わらせている為だけれど、ハネケらしい終わり方によく合ってた。

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ラストカットも通常の映画ではあり得ない終わり方で、衝撃的である…が、これも原作に忠実であるらしい。

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lenore6
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@lenore6

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