はたらく細胞(第10話『黄色ブドウ球菌』)のあらすじと感想・考察まとめ

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赤血球は全速力で逃げていた。細菌に追われているのだ。逃げ場を失った赤血球を細菌が殺そうとした時、何者かが細菌に強烈なパンチをお見舞した。その者は黄色い防護服をまとい、マスクで顔を覆っている単球と呼ばれる細胞だ。とても頼れる人だと白血球に教えてもらう。傷口から黄色ブドウ球菌が侵入し、白血球がピンチに陥った瞬間、単球が現われ、そのマスクを取る。
今回は「はたらく細胞」第10話『黄色ブドウ球菌』の内容(あらすじ・ストーリー)と感想・考察を紹介。

「はたらく細胞」第10話『黄色ブドウ球菌』のあらすじ・ストーリー

赤血球が毛細血管にあるチャイムを押すと、一般細胞が顔を出した。
一般細胞「いつもご苦労さまです。狭いとこまで、ありがとね」
赤血球「仕事ですから」
酸素の配達を終え、回収した二酸化炭素を肺胞に運んだ赤血球は、先輩赤血球と会う。一人でがんばる赤血球の姿に、その成長を認めたものの、まだ心配する先輩赤血球。
先輩赤血球「ホントに一人で大丈夫?危ないものには近づかないで、逃げるのよ」
赤血球「大丈夫です。そう何度もトラブルに遭遇してばかりの血球なんていませんよ」
その後、赤血球は全速力で逃げていた。細菌に追われているのだ。
赤血球「助けてえ!誰かあ!」
逃げた先は行き止まりで、逃げ場を失った赤血球を細菌が殺そうとした時、何者かが細菌に強烈なパンチをお見舞した。その者は黄色い防護服をまとい、マスクで顔を覆っている。
赤血球「誰?」

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単球(左上)が細菌(右)に強烈なパンチをお見舞した

正体不明の何者かは、力強いパンチの連続で細菌を退治すると、そそくさとその場を去っていった。直後、白血球が現われる。のびている細菌を見た白血球は赤血球に尋ねた。
白血球「抗原は、もう駆除されたのか」
赤血球「あそこのマスクの人が、やっつけてくれたんです。何ていう細胞さんなんですか?」
白血球「単球さんか。あの人も血管担当の免疫細胞でな、たまに一緒に仕事するんだ」
単球は、全白血球の約7パーセントを占める単核の遊走細胞で、他の免疫細胞同様、生体防御に関与する。
白血球「血管中の数は少ないけど、貪食能も遊走能も旺盛で、とても頼れる人だぞ」
それを聞いた赤血球は感心する。しかし、単球がゴルフの素振りをはじめたのを見て拍子抜けしてしまう。白血球と別れた赤血球は、鼻腔へ向かった。鼻腔は呼吸器の入り口に位置する器官で、デリケートな肺胞の壁が傷つかないよう、体に入ってくる空気をあたため、加湿して送り込む役割がある。そこで赤血球は、足湯に浸かって居眠りをする単球を見かける。足湯から出た単球は冷蔵ケースから飲み物を取り出すと、腰に手を当ててゴクゴクと飲み干し、プハーと息をついた。それを見て苦笑する赤血球。

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プハーと息をつく単球

赤血球は、白血球やその他一般細胞と違って、ミトコンドリアを持たない細胞なので、『ブドウ糖(グルコース)』のみがエネルギーになる。途中、グルコースまんじゅうを食べてエネルギーを補給した赤血球は、順調のようだった。だが突然大きな音とともに地面が揺れ、悲鳴をあげる赤血球。少し離れたところで爆発が起こり、血管の外壁が崩れた。多数の黄色ブドウ球菌が侵入し、赤血球たちに襲いかかる。
黄色ブドウ球菌「この鼻腔を征服させてもらうわね。酸素も栄養素も全部わたしたちのものよ」
白血球たちが応戦し、血小板たちも駆けつけた。減少する黄色ブドウ球菌。
白血球「残すは、あいつらだけだ」
黄色ブドウ球菌「果たしてそうかしら。いくわよ、あんたたち」
合体を開始した黄色ブドウ球菌たち。その外見はまるで果物のブドウのようだ。ブドウ球菌の名前は、いくつかの球菌が塊になって、その姿がブドウの房のように見えることが由来となっている。一つの巨大な黄色ブドウ球菌が出現した。たじろぐ白血球たち。黄色ブドウ球菌が反撃をはじめる。それでも立ち向かう白血球たちの前に、黄色ブドウ球菌は白いネットのようなものを出現させた。弾かれる白血球たち。そのネットの正体はフィブリンだった。フィブリンは、血液の凝固に関わるタンパク質で、糊や餅のような性質を持つ。
赤血球「あれって、傷口をふさぐ時、血小板ちゃんたちが作ってくれたやつ?」
血小板「そうだよ」
白血球「なんであいつが、フィブリンを」
黄色ブドウ球菌が白血球たちに向けて、フィブリンを投げつけた。フィブリンに巻かれた白血球たちは、身動きがとれない。

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フィブリンに巻かれた白血球たち(右)

白血球「聞いたことがある。黄色ブドウ球菌の作戦の一つ、フィブリンをまとうことで攻撃を防ぐ。技の名前は確か」
黄色ブドウ球菌「コアグラーゼ。今のわたしは、防御力も攻撃力も段違いの無敵状態なのよ」
コアグラーゼは、フィブリンを析出させて血漿を凝固させる酵素だ。これを産出する菌は、フィブリンの網をバリアにして白血球の攻撃(腐食)から免れる。まったく抵抗できなくなった白血球たちに、黄色ブドウ球菌が以前殺された義理の妹の復讐をしようとしたその時、壁をブチ破って単球たちが登場した。ゾロゾロと進み出た彼らだが、何かに気づいて立ち止まる。
単球「あらやだ、ここから血管の外なのね。みなさーん、衣装チェンジしますわよー」
赤血球「その声」
単球が取ったマスクの下から、マクロファージが愛らしい顔を出す。単球は骨髄で作られ、血液中を流れているが、血管外に出るとマクロファージになるのだ。驚愕する赤血球と白血球たち。
黄色ブドウ球菌「なに細胞か知らないけど、邪魔するんじゃないわよ」
いつもの衣装に着替えたマクロファージが、スカートをなびかせながら、いかつい武器を慣れた手つきで振り回す。
マクロファージ「うふふふ、えーい」
可愛い容姿とは裏腹に、容赦ない攻撃を黄色ブドウ球菌に注ぐマクロファージたち。

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容赦ない攻撃を黄色ブドウ球菌(左)に注ぐマクロファージたち(右)

黄色ブドウ球菌「こいつらまさか、マクロファージとかいう」
マクロファージは白血球の一種で、細菌などの異物を捕らえて殺し、抗原や免疫情報を見つけ出す。死んだ細胞や細菌などを片づける掃除屋さんでもある。その強さを知る黄色ブドウ球菌が、次々と合体を解いてゆく。最後に残った黄色ブドウ球菌は、マクロファージに殺された。
マクロファージ「お掃除完了ね」
白血球4989番「ホントに助かりました、マクロファージさん」
白血球1146番「オレたちだけでは、どうなってたことか」
マクロファージ「あなたたちが、食い止めてくれたおかげですもの。わたしたちは遅れてきただけよ。お役に立てて、なによりですわ」
赤血球「マクロファージさんて、単球さんと同一人物?」
マクロファージ「乙女には秘密の一つや二つ、あるものよ」
時に優しく時に激しく、保育士であり掃除屋であり殺し屋でもある。いくつもの顔を持つ、マクロファージさんであった。

「はたらく細胞」第10話『黄色ブドウ球菌』の感想・考察

「はたらく細胞」アニメ全話のネタバレ解説まとめ

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