プリンセスコネクト!Re:Dive(プリコネR)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『プリンセスコネクト!Re:Dive(プリコネR)』とは、『Cygames』の同名ゲームを原作にした、異世界アストライアを舞台に活躍する少年少女たちの姿を描いたアニメである。
記憶喪失の少年ユウキ、ハラペコ剣士ペコリーヌ、女神アメスに仕える巫女コッコロ、ノラネコ気質の魔法少女キャル。ひょんなことから出会った4人は「美食殿」というギルドを結成し、アストライア大陸で大冒険を繰り広げる。そんな日々の末に彼らを待っていたのは、各々が抱える深刻な秘密と、世界の真実にも関わる巨悪との対面だった。

シャドウ

物語の中盤頃からランドソル各地に現れるようになった特殊な魔物。黒い人型をしており、人間に近づいては姿を模倣し、相手を吸収して消滅する。シャドウ消滅後、吸収された人物のことを誰も思い出せなくなるという、不可思議な能力を持つ。
作中では村1つ丸ごとシャドウに滅ぼされた例もあり、非常に危険な存在である。

七冠(セブンクラウンズ)

この世に7人いるといわれる、神にも等しい超常の力を持つ者たちの総称。彼らがどうやってその力を得たのかは謎に包まれている。

『プリンセスコネクト!Re:Dive』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

ドラゴン退治

まだユウキたちが「美食殿」を結成する前のこと。ペコリーヌを倒すために、キャルは仕事の依頼だと称して一行を強力なドラゴンの巣へと案内する。覇瞳皇帝から与えられた“魔物を使役する力”でドラゴンを狂暴化させてペコリーヌを襲わせるキャルだったが、ユウキとペコリーヌの思わぬ奮戦に手間取り、ついには制御に失敗して自分も戦闘に巻き込まれる。
上空に、崖下に、縦横無尽に空を飛び回るドラゴンの体に張り付きながら、必死にこれを倒そうと大騒ぎするユウキたち。見るも楽しく、ハチャメチャな戦闘シーンは、視聴者の心にこれから始まる大冒険への期待を否応なく湧き立たせる。テレビアニメとは思えない大迫力の戦いを堪能できる、物語序盤の名場面である。

ペコリーヌ「その肩当はキャルちゃんを守ってくれますから」

王都に迫る巨大シャドウ。覇瞳皇帝に睨みを利かされている王宮騎士団が出撃できない中、その場に駆け付けた美食殿の面々が懸命に戦う。崩れた瓦礫に足を挟まれたキャルが身動きできないと見て取るなり、ペコリーヌは自身の莫大な戦闘力の源である王家の装備の内、防御を司る肩当を外して彼女に装着する。

ペコリーヌ「その肩当はキャルちゃんを守ってくれますから」
キャル「やめてよ!なに勝手な事してんのよ!?あたしはこんなの…!」

必死に止めようとするキャルに肩越しに笑みを送ると、ペコリーヌは恐るべき暴威を振るう巨大シャドウに無謀な突撃を敢行する。王都を、そこに住む人々を、何よりキャルを守るために。なぜ他人のためにそこまでするのかと胸中で問いながら、キャルは巨大シャドウの放った光線の中に消えていくペコリーヌの名を絶叫する。
ペコリーヌの強さと優しさ、キャルの迷い、両者の互いへの想い、全てが詰まった名シーン。相手を大切にしたいからこそ擦れ違う2人の姿はどうにも悲しく、しかし胸打たれる情感に満ちている。

コッコロ「わたくしは離れませんよ。あなたがユースティアナ様であっても、ペコリーヌ様であっても」

自身がランドソルの王女であることを明かすペコリーヌ。両親や王宮の人々のように、美食殿の仲間たちまでも自分のことを忘れてしまうのではないか、自分から離れていってしまうのではないかと恐怖し、だからこそ今まで言い出せずにいた。何も言わずに自分を受け入れてくれるユウキたちに甘えていた。自分はただの卑怯者だ。そう言って泣き崩れるペコリーヌを優しく抱き締め、コッコロは見出しの言葉を彼女に告げる。

コッコロ「わたくしは離れませんよ。あなたがユースティアナ様であっても、ペコリーヌ様であっても」
コッコロ「共に過ごした美食殿の日々は、わたくしにとっても宝のような、大切な絆なのです」
コッコロ「それはきっと主様も、キャル様も同じ気持ちのはずです」

あまりにも優しい、何よりも欲していた言葉をかけてくれたコッコロの胸の中で、ペコリーヌは子供のように涙を流し、「もう少しだけ、こうしてていいですか」と懇願する。コッコロは何も言わず、ただその心の傷ごとペコリーヌを静かに受け入れる。

コッコロというキャラクターは、美食殿では最年少ながら、聖母のような無垢な愛情で仲間を包む独特の個性を持っている。そんなある種のギャップを狙った設定が、作中でもっとも効果的に発揮されたのは、間違いなくこの場面だ。美食殿ではユウキと並んで年長のペコリーヌも、そんなコッコロの優しさにすっかり身と心を委ねている。
これまで美食殿の面々が繰り広げてきた冒険が決して無駄ではなかったこと、彼らの紡いできた絆が本物であったことが理解できる、胸温まる名シーンである。

キャル「またあたし、陛下の邪魔をしてる。でも!仕方ないじゃない!選べないじゃない!今のあたしは!」

ペコリーヌが己の素性と苦しみを打ち明ける様を密かに眺めていたキャルは、まるで自ら罰を受けるかのごとく、王宮にまで侵攻してきた巨大シャドウに単身戦いを挑む。全身全霊で放った攻撃魔法を叩き込みながら、キャルは「いったい自分は何をしているのか」と自身に問う。“ペコリーヌの抹殺”こそが覇瞳皇帝から命じられた任務だというのに、自分は今そのペコリーヌを命を懸けてでも守ろうとしている。
天涯孤独だったキャルにとって、覇瞳皇帝に頼りにしてもらえることは、声をかけてもらえることは至上の喜びだった。それは今も変わらない。だが仲間が泣いているのに、苦しんでいるのに、見捨てることなんかできるわけがない。いずれどちらかを選ばなければならないのだとしても、今の自分には“選べない”というのが、葛藤の末にキャルが辿り着いた結論だった。

キャル「またあたし、陛下の邪魔をしてる。でも!仕方ないじゃない!選べないじゃない!今のあたしは!」
キャル「いつからあたしこんなになっちゃったのかな。あたしの全ては陛下のものだったはずなのに。馬鹿だな、あたし」

ただ友情を選ぶのではなく、“選べない”という結論に至るところがなんともリアル。今まで盲目的に覇瞳皇帝に従ってきたキャルもまた、美食殿の仲間たちと過ごした日々の中で大きく変わっていったのだということが分かる名セリフである。

ユウキ「仲間は僕が守る」

覇瞳皇帝に対抗するため、様々に策を練ってきたラビリスタ。その計画に不可欠な人物であるユウキを覇瞳皇帝が狙っていることを悟ったラビリスタは、準備を前倒しして彼を保護しようとする。
ユウキの過去を知り、ペコリーヌを苦しめる覇瞳皇帝と敵対する立場にあるラビリスタのことは、視聴者からすれば信じても問題ないように思える。「あとはラビリスタの保護下で覇瞳皇帝を倒す計画を進めていくのが賢明な道ではないのか」と見る側が考える矢先、ペコリーヌたちが窮地にあるとの報せがその場に届く。彼女たちも保護するよう指示を出そうとしたラビリスタの前で、ユウキは見出しの言葉を口にする。

ユウキ「守るよ。仲間は僕が守る」

物語開始時点ではまともな会話もできず、コッコロの隣でニコニコして、魔物に連れ去られるくらいしかできなかったユウキ。そんな彼も、美食殿として重ねてきた冒険の中で大きく成長し、同時に記憶を失ってさえ生来の勇気と優しさを持ち続けていたのだということが分かる名セリフ。古き良きRPGに多く登場した“しゃべらないタイプの主人公”であるユウキに、こんな短い言葉を言わせるだけで視聴者の胸をわしづかみにする監督の手腕には驚嘆するしかない。
ユウキの成長、そして彼の色褪せない心の強さを理解したラビリスタは、その事実に驚きと喜びを覚えつつ、ペコリーヌたちが待つ戦場へ通じるゲートを開く。ここから物語は一気にクライマックスへと突入し、本作における美食殿最大の決戦へと雪崩れ込んでいく。

『プリンセスコネクト!Re:Dive』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

アニメ化の際に省かれた「世界の謎」

美食殿の面々とは違う仲間と共に、覇瞳皇帝らしき人物と戦うユウキ。この直後、世界は「再構成」される。

好評のまま最終回を迎えた、テレビアニメ版『プリンセスコネクト!Re:Dive』。しかし、プリンセスナイトの秘密や覇瞳皇帝の目的など、大きな謎がいくつも残されたままとなったことも事実である。
どうしてこのようなことになったのか。実はアニメ化される際、『プリンセスコネクト!Re:Dive』の原作ゲームで描かれる「世界に関する大きな謎」が、大胆にカットされるという手法が取られたのだ。いくつもの謎が明かされることなく物語が終わってしまったのは、これが大きな原因である。

『プリンセスコネクト!Re:Dive』の舞台となるアストライア大陸は、実は異世界ではなくゲーム世界である。自身の意識を投影して遊ぶ『レジェンド・オブ・アストルム』というゲームで重大な事故が発生し、ログインしていた数万ものプレイヤーがゲーム世界に囚われたままとなる。さらにゲーム世界は真の黒幕の思惑に従う形で再構成され、ほぼ全てのプレイヤーが「ここはゲームの中である」という知識を失ってしまう。その重大な事故の現場に居合わせた主人公は過去の記憶の大部分を失い、しかしこの問題を解決するための最重要人物と目され、それぞれに問題解決を目指す七冠たちから様々な干渉を受けることとなる。覇瞳皇帝がペコリーヌの立場を奪ったのも、極めて横暴かつ独善的な形ながら、この問題を独自に解決するための準備の1つなのだ。
こういった壮大なストーリーを13話に収めるには尺が足らず、仮に収められたとしても原作最大の魅力であるキャラクター同士の交流は描けなくなる。そこで世界の謎に関する部分は匂わせる程度に留め、ファンがもっとも期待しただろうペコリーヌやキャル、コッコロたちが生き生きと動き回る姿を前面に押し出す。そういった判断の下に制作されたのが、テレビアニメ版『プリンセスコネクト!Re:Dive』なのだ。

この手法は概ね成功し、原作の“楽しい部分”を中心に再構成されたテレビアニメ版『プリンセスコネクト!Re:Dive』は、ソーシャルゲーム原作アニメかくあれかしとファンから大絶賛された。アニメからゲームに触れる者も少なからず存在し、原作のアピールという意味でも十分な成果を果たしたといえる。

YAMAKUZIRA
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