裏世界ピクニック(小説・漫画・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『裏世界ピクニック』とは宮澤伊織によって執筆され、『早川文庫JA』から刊行されたSF・ホラー小説及び、原作をもとにして制作された漫画・アニメ作品である。ネット上で実話怪談として語られる危険が存在する〈裏世界〉を紙越空魚(かみこし そらを)と仁科鳥子(にしな とりこ)の二人の女子大生が探索する怪異サバイバル。都市伝説を元にしたホラーやSF要素の他に二人の距離感を中心とした百合的心情も綿密に描かれている。

きさらぎ駅の米軍を救出しようとする空魚。以前と同じカフェで八尺様の帽子を使ってもう一度同じ場所に移動を試みる空魚と鳥子。景色が変わり、再び以前と同じ<裏世界>にやってきた空魚たち。以前化け物と思われた事から警戒されていると思い、ライフルに白旗をつけて米軍に接触しようとする。米軍の駐留するキャンプの近くまで来ると狙撃されるが、SOSの信号を銃声で伝える。攻撃が止み、ドレイク中尉と再会する二人。<裏世界>ではまだ空魚と鳥子が出て行ってから数日しかたっていなかった。またその間にも多数の犠牲者が出ており、グレッグ曹長も亡くなっていた。死に際に曹長が線路を爆破したと聞いた空魚は、曹長が<裏世界>の存在を破壊できたのは精神が限界を迎え、こちらの存在に近づいたからではないかと思う。ドレイク中尉の案内で以前の野営地に戻る二人。レイバルカー少佐にはザ・ガールズと呼ばれ歓迎される。空魚は「自分の右目の力を使えば、周囲のグリッチを回避しながら、元の世界へと帰還する事ができる」と思う。空魚の誘導で元の世界へと戻るために進軍を開始する米軍。米軍が<裏世界>へとやってきたと思われる、ゲートの近くまでやってくるとドレイク中尉は「ここで恐ろしいものを見た」と語る。他の兵士達も怯える。何か思い出そうとするが記憶が曖昧なドレイク中尉の代わりに周囲の偵察へと向かう。周囲の森を散策する二人の元へ謎の女性が現れる。それはネット怪異に伝わる、姦姦蛇螺(かんかんだら)であった。

12話「空魚と鳥子」

姦姦蛇螺が遅いかかる。空魚と鳥子は応戦していると、米軍部隊も協力しに駆け付ける。追いかけてきた米軍達と協力して、カンカンダラを撃退する。空魚は米軍が裏世界にやってきた場所に残されていた賽銭箱から鳥子の力を使ってゲートを開く。米軍達は感謝して元の世界へと帰還していく。レイバルカー少佐は「君たちの勇気に敬意を表する」と言って感謝する。空魚は最後にドレイク中尉にここまでの脱出作戦での犠牲者を尋ねる。ドレイク中尉は野営地を出てからの犠牲者はゼロだったと言い、空魚に感謝する。無事に米軍を助ける事が出来た事を二人は喜ぶ。空魚は鳥子に言われるまで彼らの事を忘れていた。「自分にしか興味のない、人の心がない女」だと思うが鳥子は「空魚は優しい」と励ます。米軍と別れ、自分達も元の世界に帰るために、出口を探しに行く。
数日後、帰還した空魚と鳥子は小桜に説教されていた。庭に置きっぱなしのAP1を<裏世界>に撤去しろと言われる。AP1を運ぶための<裏世界>へのゲートを探すが見つからない。なかなか見つからずに途方に暮れていると、小桜の家の庭でゲートを見つける。それを知った小桜はショックを受ける。空魚と鳥子は探索の為に便利なゲートが出来たことを喜び、AP1を<裏世界>へと発進させる。AP1を<裏世界>へと置いて元の世界へと帰還する帰り道、鳥子と空魚は<裏世界>で自分達が出会ったことを回想する。出会ってから三か月が経過しようとしていた。空魚は<裏世界>を見つけた時、自分だけの世界と思っていた。しかし鳥子と出会い不思議な気持ちになった。その気持ちは嬉しみだと思う。「一人じゃないんだ。今は」と鳥子を見て空魚は思った。

『裏世界ピクニック』の登場人物・キャラクター

主要人物

紙越 空魚(かみこし そらを)

CV:花守ゆみり
廃墟探検好きで偶然に〈裏世界〉を見つける。 そこで命の危険に会うが、知り合った鳥子に救われて〈裏世界〉を 探検するようになる。 ネットロアや実話怪談の知識が豊富。 埼玉県の大学に通う、大学2年生。専攻は文化人類学。友人関係は希薄。くねくねとの遭遇で青色になった右目は<裏世界>の怪異を視認することができる。拳銃は主にマカロフを使用する。

仁科 鳥子(にしな とりこ)

CV:茅野愛衣
〈裏世界〉で行方不明になった閏間冴月(うるま さつき)を捜している。 東京・四ツ谷の大学に通う大学2年生。謎の多い女性。両親はカナダの軍人であり、鳥子も銃器の扱いに馴れている。 楽天的・ポジティブな性格ではあるが、距離感を計りかねて孤立しやすい。それゆえに友達も少ない。 空魚曰く「めちゃめちゃ美人」。くねくねとの接触で左手が半透明になる。左手は<裏世界>の怪異の存在を掴み取る事が出来る。

小桜(こざくら)

CV:日高里菜
石神井公園近郊に住む〈裏世界〉の研究者。 冴月の大学時代の友人。空魚が「小学生」と勘違いするほど幼い外見をしている。恐怖耐性がなく<裏世界>への探索には乗り気ではない。口は悪いが面倒見は良く空魚たちの〈裏世界〉の相談相手となっている。

瀬戸 茜理(せと あかり)

CV:富田美憂
空魚と同じ大学の後輩。大学一年生。 空手をやっており、空魚から「カラテカ」とあだ名をつけられる。 「猫の忍者」に遭遇したことで空魚に助けを求める。空魚を尊敬しているが本人からは冷たくあしらわれている。

市川 夏妃(いちかわ なつみ)

CV:島袋美由利
茜理の幼馴染で親友。高校卒業後は家家の自動車整備工場で働いている。「サンヌキカノ」にまつわる変異に巻き込まれていたところを空魚と鳥子に助けられる。茜理からは「なっつん」と呼ばれている。

閏間 冴月(うるま さつき)

右の人物が閏間冴月

小桜の大学時代の友人で鳥子の家庭教師。教え子である鳥子と一緒に<裏世界>を探索するが、三ヵ月前に行方不明になる。

汀耀一郎(みぎわよういちろう)

Sota219
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@Sota219

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