電波教師の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

「電波教師」は、東毅による少年漫画。
かつて天才と呼ばれていた男「鑑純一郎」は大学卒業後、ニートのオタクとして暮らしていた。その現状を改善すべく妹の「鑑純音」は純一郎に教師をやらせることを決意する。
最初はやる気の無かった純一郎だが、一癖も二癖もある生徒達と出会い、オタク純一郎ならではの手段で導いていく物語。およそ教師らしくない「教師・純一郎」として、生徒を導く名言が数多い。

『電波教師』の概要

「電波教師」は、東毅によって週刊少年サンデーに2011年から2017年まで連載されていた少年漫画。2015年にはテレビアニメも放送された。

かつて世界的な科学雑誌「ネイチャー」に高校生にして論文が掲載されるほどの天才、鑑純一郎は、根っからのアニメ・漫画・ゲームオタクだった。ネイチャーに投稿したその論文でさえ「どこでもドア設計論」であるほどである。彼は「YD(やりたいことしかできない)病」を自称しており、大学卒業後はあらゆる研究所からのスカウトを蹴りニートのオタク生活を送っていた。
そんな彼を矯正させようと、妹の純音は、純一郎の母校「東神鳴高校」で非常勤講師として働かせようとする。純一郎は恐ろしい妹の剣幕にしぶしぶ出勤させられ、教師生活が始まったのだった。
教師としての信念などない彼は、教師としてではなくただの「純一郎」として「オタク」として生徒と接している描写が多く、およそ教師とは思えない言動・方法で、オタク純一郎ならではのやり方を用いて個性豊かな生徒たちを導いていく。その過程で多くの名言が排出されている。

『電波教師』の名言・名セリフ

だが断る!! 俺はYDだからな(キリっ)。

純一郎は大学卒業後、ニートとしてずっと引きこもりオタク生活を送っていた。
それをよしとしない妹の純音は、純一郎を教師として働かせようとするも、上記のセリフでその提案は一蹴された。
「YD(やりたいことしかできない)」人間と自称する純一郎の、「自分がやりたいことだけをとことんやる」という、およそクズ人間の言葉と捉えられかねない信念を主張する一文である。
純一郎なりに決して軽くはない信念なのだが、この場面においてはほとんどただのダメ人間的発言でしかなく、直後に怒る純音によって強制的に学校へ出勤させられた。

それで私わかったんです。物語の言葉で現実の人間を救える、現実(本当)のヒーローにだってなれるってことが。

純一郎が非常勤講師として担当したクラスの生徒、美奈子は、かつてグレていた。その美奈子は現在は声優を目指して日々励んでおり、その理由として「ヒーローになりたいから」という旨の話を純一郎は聞かされた。その際のセリフ。
不良時代の美奈子がある日ネット掲示板で「この現実にヒーローなんかいない」などと荒んだコメントを書き込んでいたところ、それに対する「ヒーローがいないなら、ヒーローになればいい」という書き込みに心打たれ、美奈子は更生した。
その書き込みがとあるアニメのセリフを引用したものだと知り、美奈子が声優を志すきっかけとなる。救われた自分がまた誰かを救いたいという想いを抱く、美奈子の夢である。

“ヒーローがいないなら、ヒーローになればいい……”か。でも、そう言った『ぶら☆くら』のサンダース軍曹はハートマン兵長に何度も命を救われてるよな。バットマンの横にだって、ロビンがいる。一人じゃさびしくて死んじまうぞ。うさぎ。確かにヒーローは孤独かもしんねえけど、1人で戦うわけじゃないんだぜ。

更生した美奈子はその後、元不良仲間のミホにいじめを受けていた。
「ヒーローとは孤独なものである」という考えの美奈子は、いじめに対しても一人で戦う心積もりだった。そのいじめっこを純一郎が成敗し、駆けつけた美奈子に上記のセリフを言った。
とある掲示板にて、ハンドルネーム「うさぎ」(美奈子)に夢を与えたのは実は純一郎だった。その純一郎が、現実でも美奈子を救った瞬間である。

ルールなんか守ってて、社会で通用すると思うなよ。ルールってのはお前らのためじゃなく、作ったやつのためにある。そしてそれに支配された現実と未来は、常にお前達の敵だ。だから、欲しい未来があるなら戦え。戦って現実をねじ伏せろ。ゲームを制作した奴が用意したルールがあってもどう遊ぶかは自由だ。人生だって同じさ。自分だけの武器を磨け。自分だけのルールで生きろ。そして現実に自分のルールを認めさせろ。そうすれば未来は、お前達のモノだ。

非常勤講師として雇われていた純一郎は、正規採用の教師、尾上が登場したことにより退職となった。
尾上が全校集会で「ルールも守れずに社会で通用すると思うな」という旨の就任の挨拶をした。それを見て純一郎が、続いて壇上に上がり退職の挨拶として語ったセリフ。
ただルールに従っているだけじゃ、なかなか理想通りの人生は送れない。純一郎がYDと自称し好き勝手やれているのは、このセリフが彼の中で芯となっているからである。やりたいことを押し殺すのではなく、いかにしてやりたいことをやれる権利を勝ち取るか、それを考えられるかどうかで未来は変わると主張している。

たかが“ネイチャー”に論文を載せた程度で、この私がスカウトに来るとでも?

コンビニでミホたちに指導している純一郎の姿を見て、柊学園理事長の柊暦がスカウトにやって来た。
しかし純一郎はやる気がなく、「ネイチャーに論文が載ったのだってもう何年も前だ」などと否定の言葉を述べる。それに対し暦が放ったセリフ。
ネイチャーは世界でも有数の科学雑誌であり、それを「たかが」と一蹴するあたり、暦の目指す高みがどれほどのものか窺える。

私の計画が目指すのは、ただ一つ。面白い国、日本。

後に純一郎が赴任することになる、柊学園の理事長である柊暦のセリフ。
コンビニでミホたちを指導する純一郎を見て、「あなたは面白い」と言ってスカウトに来たときに告げた大きな目標である。自分の学校の教育を通して社会へ種をまき、日本中を「面白く」するという。暦の「面白さこそ全て」という価値観がこの一言で大きく表れている。

お前みたいな素粒子バカに、魔法少女も宇宙刑事も否定させねぇ…っ!!

純一郎は天才と呼ばれ、高校時代にはネイチャーに論文が掲載された。それがきっかけとなり、世界最高峰の素粒子研究所CERMの所長であるティムがしつこくスカウトに来るようになっていた。
ティムは家に押しかけおもむろに「瞬間移動の問題点と解決策」という難題を挨拶代わりの腕試しとして押し付けてきた。「瞬間移動が不可能となると、魔法少女の「変身」も宇宙刑事の「蒸着」も不可能」と挑発された純一郎は、まんまと乗せられるがままに計算式を構築し、ティムに見せつけながら上記のセリフを放った。オタクとしての矜持がひしひしと感じられるシーンである。

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