スーパーロボット大戦(αシリーズ)のネタバレ解説まとめ

スーパーロボットアニメ作品によるクロスオーバーシュミレーションRPG『スーパーロボット大戦』の1シリーズ。発売・バンプレスト、開発・バンプレソフト。
2000年発売の『スーパーロボット大戦α』から始まり、2005年の『第3次スーパーロボット大戦α』で完結。
外伝1作を含む全4作からなる長編ストーリーとなっている。

兄弟の絆

『α外伝』より。
未来の世界に飛ばされたプレイヤー部隊は、未来の世界で発生している戦いに巻き込まれながら合流を果たす。グレートマジンガーのパイロット・剣鉄也は偵察行動中に敵を発見し、マジンガーZのパイロット・兜甲児と口論の末に先制攻撃を加える。鉄也の好戦的な行動に足並みを崩した偵察メンバーは連携を取れないまま戦闘になだれ込み、敵を仕留めきれずに近くの街を危険にさらしてしまう。街を守るため、合体ロボ・ゲッターロボのパイロットの1人・車弁慶が分離状態で突撃を敢行、相打ちの末怪我を負う。
弁慶負傷の失態を咎められる偵察メンバー。プレイヤー部隊の不仲が高まる中、鉄也は部隊を去る。彼は甲児と行動をともにしているうちに、自分の育ての父・兜剣造が兜甲児の実父である事に、拭い去れない嫉妬や対抗心を抱いていた。
ゲッターロボのパイロットたち・ゲッターチームも、リーダーである流竜馬と神隼人の間でいがみ合いを起こしていた。殴り合いの喧嘩の末、仲違いしたまま鉄也の捜索に出撃するゲッターロボのパイロットたち。その前に、恐竜帝国の軍勢が現れる。合体の隙を執拗に狙われ危機に陥るゲッターチームを助けに来たのは、ゲッターロボとは別に鉄也を探しに来た甲児だった。
一転反撃に出ようとする甲児たちの前に、恐竜帝国に操られた剣鉄也が立ちはだかる。鉄也を必死に説得する甲児だが、彼は甲児への嫉妬を露わにした。彼の心情を知った甲児は自らの命を差し出す。かつて鉄也に助けられた命を、鉄也を正気に戻すために捧げようと言うのだ。
鉄也は甲児の献身を見て、激しく動揺する。戦士としての誇り、そして何より、自分を育ててくれた剣造と目の前の甲児の姿が重なって見え、鉄也は正気を取り戻す。
鉄也が味方に戻り、一転形成が逆転したかに見えた戦局だが、恐竜帝国はさらなる策を用意していた。半端な攻撃は防ぎ、吸収してしまう光波獣ピクドロンを出撃させたのだ。すでに戦闘で傷ついているマジンガーZとグレートマジンガー、未だ合体できないゲッターロボでは為す術がない強敵である。
打開策として自爆を提案する鉄也。自分が死んでも悲しむものはいないと言う鉄也を、一緒に戦い抜いてきた兄弟を見捨てる真似はできないと制する甲児。ゲッターチームも、命懸けの超音速合体フォーメーションにぶっつけ本番で挑戦することで、ゲッターロボへの合体に成功する。
起死回生の連続で、ようやく戦闘態勢を整えた甲児と鉄也、ゲッターチーム。恐竜帝国も全力で戦いを挑むが、プレイヤー部隊も間一髪で駆けつける。激戦を制し恐竜帝国を退けた甲児と鉄也は、互いの絆を確認し、現代へ帰る事を誓う。

αシリーズ屈指の名場面として知られるシナリオ。原作では兜剣造に関する葛藤が描き切られないままに作品が終了してしまった剣鉄也の心情を、オリジナルのシナリオに昇華した事が高評価の一因である。並行して描かれるゲッターチームの確執も合わせ、不和と和解がシナリオを盛り上げた。α外伝の高評価の理由の1つとも言われる名場面である。

BEYOND THE TIME

『第2次α』より。
ネオ・ジオン、そして木星帝国の根拠地である移動可能な小惑星基地、アクシズが動き始めた。ネオ・ジオンの総帥であり、かつてはクワトロ・バジーナとしてプレイヤー部隊に参加していたシャア・アズナブルは舞台の指揮を腹心のナナイ・ミゲルに任せ、出撃準備に入る。シャアがネオ・ジオンを離れていた時期にネオ・ジオンを率い、今はシャアの元に付くハマーン・カーンは、シャアと最後の会話を交わす。シャアは上司として、そして1人の男として自分を頼りにしていたハマーンを、もう独り立ちできていると激励する。かつての仲間との戦いに躊躇があるのではないかと思っていたハマーンは、シャアの発した「勝たねばならない」という言葉を聞き、疑念を捨てて戦いに挑む。
シャアの目論見は、アクシズを地球に落下させ、生命が住むことのできない死の星にすることにあった。宇宙に多くの居住地・スペースコロニーを設置しながら、宇宙に住む人間を不当に低く扱う地球連邦政府に対する反攻作戦である。地球に住む者の中にも、宇宙に住む者に対する理解がある人間は多い。プレイヤー部隊はシャアの強攻策を受け入れることは到底できず、かつての仲間と刃を交える決心をする。
木星帝国は多くの核兵器を所有しており、アクシズが落とせない場合にはこの核兵器を利用して地球環境を破壊することも出来る。プレイヤー部隊は、地球への落下が始まる前にアクシズを破壊し、同時に敵部隊も殲滅しなければならない。νガンダムのパイロットで、シャアとの因縁があるアムロ・レイは、シャアにこの戦いの無意味さを解くが、シャアは聞き入れない。
プレイヤー部隊以外の地球連邦軍をネオ・ジオンの兵力に抑えられ、孤軍奮闘を強いられるプレイヤー部隊は、シャアとハマーンを退け、アクシズの破壊に成功する。しかし、破壊されたアクシズの破片が地球への落下軌道に入る。諦めずアクシズの破片を破壊にかかるプレイヤー部隊に賛辞を送り、迎撃に打って出るシャア。
木星帝国も切り札として超巨大兵器を全て投入し、両軍全力を投入した最後の闘いが始まった。ネオジオンと木星帝国の全部隊を撃破し切るプレイヤー部隊だが、アクシズの破片の落下は止まらない。プレイヤー部隊のパイロットたちは、最後まで諦めずアクシズを直接宇宙へと押し出そうとする。
その時、各地に散ったプレイヤー部隊の仲間たちから通信が入る。激励を受けたプレイヤー部隊の士気上昇に答えるように、νガンダムが発光を始める。νガンダムに搭載された人の心に反応するパーツ、サイコフレームに人々の意識が集中し、異常なまでのパワーを発揮し始めたのだ。海底から浮上した、サイコフレーム同様に人の意識に反応する遺跡、オルファンの助力を受け、νガンダムを始めとするプレイヤー部隊のロボットは奇跡的な力を発揮し、アクシズの破片を宇宙へと押し返すのだった。

『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』をベースに、『機動戦士ガンダム』シリーズのキャラクターたちが一同に介してそれぞれの運命に決着をつけるシナリオ。複数のマップで構成されており、大規模な戦いと多くのドラマが描かれ、プレイヤーを感嘆させた。最終マップのBGMは『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』の主題歌「BEYOND THE TIME」。シャアとの戦闘BGMも同曲で固定となっており、このシナリオとBGMの組み合わせがプレイヤーの印象に強く残ることとなった。
クライマックスも『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』終盤と同様だが、他作品のキャラクターもアクシズの落下阻止に絡み、脇役たちも応援の形で顔を見せ、物語を盛り上げる。ラストに登場するオルファンは、『機動戦士ガンダム』シリーズの生みの親、富野由悠季監督によるアニメーション『ブレンパワード』に登場する遺跡であり、ラストを飾るにふさわしいクロスオーバーとなっている。
ゲーム中ではこのストーリーの前に分岐が存在し、選択によっては地球に落とされるものがアクシズからオルファンに変わる。それに伴いストーリーも大きく変わってくるが、『第3次α』ではここで紹介したシナリオが正史として語られる。これは『ブレンパワード』が『第3次α』に参戦しなかったためとされている。

『スーパーロボット大戦(αシリーズ)』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

スタッフが暴走? 戦闘アニメが進化した理由

αシリーズ第1作となる『α』では全ユニットの戦闘シーンが旧来に比べ圧倒的に動くようになり、ファンを歓喜させた。
これ以降、古今東西のスーパーロボットが共演する『スーパーロボット大戦』シリーズは「美麗な戦闘アニメーション」を新たな売りとするようになったのだが、この変化のきっかけは、グラフィッカーの土屋英寛にあった。
土屋は自身が担当し、彼のお気に入りのロボットだった「ヴァルシオーネR」の戦闘アニメーション制作に非常に気合を入れて取り組み、勝手にフルアニメーションで制作してしまったのである。
本来、本作の戦闘アニメーションは一枚絵を差し挟む「カットイン演出」を増やす程度で、抜本的な改革は行わない予定だったのだが、それではヴァルシオーネRの戦闘アニメーションと全く釣り合わなくなってしまう。バンプレストは戦闘アニメーション全体のクオリティを引き上げる形で見栄えを整えることと決め、多くのユニットにモーションを追加することとした。この変更は、前述の通り大成功を収めた。
1人のスタッフの愛の暴走が、シリーズの方向性までをもを変えたのである。

『第2次α』プロモーションから生まれた異例の警告

前述のとおり、戦闘アニメーションが大きな売りとなった『スーパーロボット大戦』シリーズ。『第2次α』の情報が公開された際、多くのユーザーが全面刷新された戦闘アニメーションに興味を抱いた。2003年当時はインターネットによる動画配信が殆どなかったため、バンプレストは店頭で流すプロモーションビデオを重要な広告として使用しており、本作でも店舗での公開前に秋葉原の街頭ビジョンで上映するというプロモーションを打つこととした。
この上映を知ったファンは、上映日に秋葉原へと詰めかけた。その人数はバンプレストや警備に当たった所轄の警察署も想定し得ないほどに多く、街頭ビジョン周辺は人でごった返し、混乱状態となった。
結果、バンプレストは警察から「スーパーロボット大戦の事前告知による街頭ビジョンでの上映は禁止とする」という警告を受けることとなった。
これは他のゲームはもちろん、人気アーティストの新曲告知やハリウッドの超大作映画の配給会社にも出されていない、唯一無二の警告である。本シリーズの戦闘アニメーションへの注目度の高さと、当日の混乱ぶりが推し量れる事件である。

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