es32185@es32185

es32185
es32185
@es32185
1 Articles
4 Reviews
0 Contributions
0 Likes
es32185

es32185のレビュー・評価・感想

そして、バトンは渡された
10

渇いた心に潤いを与えてくれる作品

ずっと気になっている映画ではあったんですが、なかなか見る時間が作れずやっと見る事ができました。
親が離婚再婚を繰り返して、中学生になるまでに合計で母親2人、父親3人。最終的に全く血の繋がってない父親と2人暮しっていうとんでもない境遇の設定なのに、出てくるのは良い人ばかりで、初回に見た時は内容を理解するのが大変でした。
永野芽郁さんが「みぃたん」というのも途中まで分からなかったし、石原さとみさん演じる女性像も最初の印象は良くなかったです。でも物語が進んでいく内に色々な線が繋がっていって、愛に溢れていて、こころが暖かくなる作品でした。
いろんな親子の愛を見て、いつも自分を信じて見守ってくれる親のありがたさについて考えさせられたし、いつか自分も愛のある家庭を築きたいと思ったほどです。

タイトルの付け方も素敵だなあと思いました。ラストになって込められた意味が分かるタイプの展開です。エンドロールに流れる写真もとても良くて、しばらく余韻が続きました。卒業式のシーンは記憶では2回ほど出てくるのですが、とにかく号泣してしまいました。

永野芽郁さんは自然体で演技をされているのが素晴らしく、とても感情移入する事ができました。「この家庭環境で主人公が捻くれずに明るい女の子に育ったのは、みんなにしっかり愛情をもらえてたからなんだろうな。愛情はとっても大切なんだ」と、どこか過去に失くしてしまっていた自分の冷めた感情が揺さぶられました。
1度目より2度目に観た時の方が、内容もより深く理解でき、涙する場面も多くなるかもしれないと思います。また時間を作って作品に触れたいと思う、素敵で考えさせられる映画でした。個人的には、みぃたんを演じた子役の女の子がこの作品のMVPだと思います。

宝島(1950年の映画)
10

最高の魅力を見せる悪役

宝島は本でも読んだことがなく初めての視聴であったが、物語の作りこみに見入ってしまった。舞台は大きなセットで作られており、1950年に制作されたにも関わらずキャラクターの個性と思想をわかりやすく理解することができた。
中でも悪役の「ジョン・シルバー」がはまり役で、ほぼ主役といった立ち位置を見せている。彼の表情や声のトーン、話し方はほかに類を見ないもので一番魅力的な悪役として印象に残った。悪には違いないが、彼の中の正義感や自己中心的な思想が天才的な頭で繰り広げられているさまは、観る側にとって全く退屈しないものであった。
他作品において、ドラマなどでかつて敵だったものが仲間になり協力して問題を解決していく展開はファンにとってとても熱い展開になるのだが、ジョン・シルバーはそういうわけではなく、常に一人の世界の中で陣を行き来していた。行っている様は残酷なはずなのにどことなく根が優しい人間だというオーラを常に放つジョン・シルバーに私はすぐにファンになってしまった。
この時代の作品を見たのはこれが最初であるが、このクオリティと作りこみであれば同年代の他作品も手を付けてみようと思うようになった。
「画が古いから」といった理由でこの作品を観ないのはあまりに勿体ないことだ。

BUMP OF CHICKEN / バンプ・オブ・チキン
10

いつもとなりにいてくれるロックバンド

BUMP OF CHIKENは日本を代表するロックバンドであり、ロックバンド特有のギターの歪んだ音や、力強いドラムの音や、リズミカルなベースの音が気持ちよく奏でられている。だが、このバンドの曲を聴いていて一番に印象に残るのは、ボーカルである藤原基央の歌声である。あの、すこし荒々しく、それでいてやさしさに包まれているような歌声が、聴いていてすごく心地よい。また、その歌詞にも注目してもらいたい。ただ言葉を突きつけるような歌詞ではなく、BUMP OF CHIKENの音楽はいつも隣で寄り添ってくれるようなものだと感じる。名曲「花の名」の中に、次のような歌詞がある。「”あなたが花なら、たくさんのそれらと変わりないのかもしれない そこから一つを選んだ僕だけに歌える歌がある あなただけに聞こえる歌がある”」これは、自分も含めて、特別な人なんかいない。そのなかで誰かと一緒にいることから何かが生まれる、という意味である。このように、BUMPのかく歌は、弱い立場の人たちや、悩みを抱えている人たちにとって、とても救われるものである。デビュー当時のロック色が強く荒々しいイメージがだんだんpopな曲調へと変わりつつあるが、歌のメッセージはずっと変わっていない。

ちるらん 新撰組鎮魂歌
10

これはマンガであり心の着火剤です

江戸時代末期に活躍した新撰組がモデルとなっています。
主人公は土方歳三。
この漫画で土方は現代で言うところの『ヤンキー』の様に描かれているますが、かといって史実から極端に逸れているわけではなく、実際に起きた事件を元に、個性豊かなキャラクターたちが奮闘していくのです。
土方の他にも他の新撰組隊士や幕府軍、薩長軍の隊士にも焦点が当てられ、それぞれの想いや行動が丁寧に描かれています。
幕府方についた彼らは愚かだったのかもしれません。
もっと長生き出来たのかもしれません。
しかし、義を貫き、散っていった彼らが真の侍であると思わせられる作品なのです。