カウボーイビバップ / Cowboy Bebop

カウボーイビバップ / Cowboy Bebop

『カウボーイビバップ』とは矢立肇の原作、渡辺信一郎の監督で制作された、2071年の火星を中心とした太陽系を舞台にビバップ号で旅する賞金稼ぎ達の活躍を描くスペース・ウェスタンアニメである。賞金稼ぎのスパイクとジェットは、運命的な出会いを果たした仲間たちと、宇宙船ビバップ号で奇妙な共同生活を始める。スタイリッシュな映像と粋な台詞回し、アクションやメカバトル、ハードボイルドからコメディまで話数によって異なる幅広いストーリーテイストが魅力。

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カウボーイビバップ / Cowboy Bebop
10

なんでもっとメジャーにならないのかわからない素晴らしい作品。

アニメが好きというと、子供っぽいものか、萌系かと思われがちなのですが、こちらに関しては完全に大人向けです。

第一に音楽が素晴らしい。音楽を手がけられたのは菅野よう子さんという有名な音楽プロデューサーの方で、サントラだけでも「音楽として」楽しめるレベルのものが惜しげもなく使われています(とてもいい曲が1回しか使われない、ということがザラです)。

また画面が美しく、よくあるCG頼みの動きや口がパクパク動くだけのアニメーションではありません。デッサンが狂っている箇所もかなり少ないです。

本作はSFというジャンルに当てはまるとおもうのですが(それもあやふやなほど宇宙はただの舞台に過ぎない)SF好きにしかわからないような宇宙の常識のようなものも徹底して作り上げられていて、世界観の奥行きが圧倒的です。

宇宙がただの舞台に過ぎないと書いた通り、メインとなるストーリーは4人の登場人物が織りなす人間ドラマなのです。本作の「大人向けアニメ」たる所以は、「登場人物の過去をおおっぴらに説明されないまま終わる」というところです。つまり視聴者が汲み取るしかない。それなのにヒントが少ない。何回も見てしまう。何回見ても新たな発見がある。

わたしは全26話を15回以上視聴していますが、未だに主人公とヒロインとライバルの三角関係がどのように成り立ったのかや、それに至るまでの時系列がわかりません(笑)そして最終回で伏線を回収して主人公が事切れる、というのがなんとも潔く美しいのです。
一話一話が映画のような完成度の高いストーリーです。ただ1話?5話くらいまでは面白みが控えめですので、辛抱強く見ていただきたい作品です。