後宮の烏

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後宮の烏
7

アニメ『後宮の烏』を見てのレビュー

この作品をひと言で表すと、「説明するのが難しく、でも確かに存在する愛の形」だと思います。

この作品は架空の中国後宮を舞台の中心としていて、主人公は後宮で唯一夜伽の無い妃、寿雪(じゅせつ)です。
寿雪は烏妃(うひ)という位で、後宮で特殊な能力を使い、占い師のようなことをしています。
先代の烏妃から「必要以上に人と関わらないように」と言われていましたが、心根が優しく好奇心の強い性格ゆえに、様々な事件に巻き込まれていきます。そして、自分の能力や出自についての謎に迫っていくのです。

この作品の見所は、登場人物たちが抱く「様々な愛の形」です。恋愛感情はもちろんのこと、友愛、兄妹愛、家族愛など、様々な愛が作品に散りばめられています。愛ゆえに葛藤する人間の姿を、美しく表現しているところがこの作品の魅力です。

加えて、寿雪が巻き込まれる事件の謎解き要素も、この作品の魅力の一つです。
特に寿雪は死者と繋がる能力を持っているため、死者の感情面からも事件解決のアプローチをしていくところが、他の作品の謎解きとは一味違っていて楽しめます。
アニメのクオリティも高く、作画も美麗です。またオープニング、エンディング曲共に素敵ですので、是非一度ご覧ください。