青の祓魔師 / 青エク / Blue Exorcist

『青の祓魔師』とは、加藤和恵による少年漫画。略称は「青エク」「青祓」。『ジャンプスクエア』(集英社)にて2009年5月から連載開始。2021年9月より休載していたが、2022年6月より連載を再開した。累計発行部数は1700万部を突破。『ジャンプスクエア』にて2008年9月号に発行された読み切り漫画『深山鶯亭事件』が原案。
内容は、奥村燐(おくむらりん)を主人公とするダークファンタジー。悪魔サタンの血を引く奥村燐が、サタンを倒すために祓魔師を目指す。祓魔塾に訓練生として通い、仲間とともに悪魔と戦う。
『JUMP j-BOOKS』(集英社)より、矢島綾による小説『青の祓魔師』シリーズ4巻が2011~2017年に発行され、2012年に小説『青の祓魔師―劇場版―』が発行された。テレビアニメ化されており、2011年4月~10月に第1期をMBS・TBS系列にて放送。単行本1~4巻の内容にオリジナルストーリーを加えたものが放送された。2017年1月~3月に第2期『青の祓魔師 京都不浄王篇』がMBSほか「アニメイズム」にて単行本5~9巻の内容を放送。2012年にオリジナルアニメーション映画『青の祓魔師―劇場版―』が全国東宝系にて放映された。興行収入は5億6000万円。劇場版公開を記念して、大江戸温泉物語とコラボレーション企画を開催。2012年、2014年、2016年、2017年に舞台化された。

とむぽんのレビュー・評価・感想

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青の祓魔師 / 青エク / Blue Exorcist
10

忘れていい記憶なんてない(青の祓魔師 ―劇場版―)

大人気漫画の「青の祓魔師」の劇場版です。
劇場版で鑑賞したのですが、本当にアニメなのかと目を疑うほどの、ため息が漏れてしまうようなダイナミックで美しい背景が素敵です。
原作もテレビシリーズも見てないという方も、背景だけでもこの作品を見る価値は十分にあると思います。
作品は、原作やアニメの長編と長編の隙間にスッと入るような時系列の話で、導入までがとても自然です。
悪魔の王・サタンの息子でありながら、その悪魔を戦うべく毎日修行に勉強に大忙しな主人公の少年・奥村燐はひょんなことから、時を操ったり、人の記憶を食べてしまう能力を持つ悪魔・うさ麻呂の面倒をみることになってしまいます。
とにかくワガママで見た目通り子供っぽいうさ麻呂に手を焼きながらも、だんだんと兄弟のように心を通わせていくのは仲睦まじく、とても微笑ましいものでした。
しかし、重い過去をもつ燐が、寝ていた際に過去の夢にうなされているのを見かねたうさ麻呂は、良かれと思って燐の辛い記憶を食べてしまおうとするのですが、映画としてはまだ途中なのに、クライマックスかな?と思うほどに大泣きしてしまいました。
「燐、うさ麻呂は忘れないぞ」というセリフを最後に存在ごと消滅してしまううさ麻呂ですが、燐の心の奥底にはずっとうさ麻呂が残っている、というラストはまさに号泣ものです。