目次

  1. スイス独立戦争がモデル
  2. 悪役がすごい!

スイス独立戦争がモデル

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14世紀初頭、アルプス地方。ドイツとイタリアを最短距離で結ぶザンクト・ゴットハルト峠は、交易で富を得ていました。民衆は自分たちの権利と自由を守るために盟約者同盟(のちのスイス連邦)を結びますが、峠の権益を狙うオーストリア・ハプスブルク家によって占領されて圧制が敷かれます。峠には堅固な要塞が築かれ、市民には決して通ることのできない関所が設けられます。閉じ込められた連邦の人々は何とかして抜け出そうとしますが、密航者は一人残らず抹殺されてゆきます。人々は、恨みと恐れをこめてこの関所を「狼の口(ヴォルフスムント)」と呼ぶのでした。

悪役がすごい!

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ハプスブルク家から任命された関所を守る代官・ヴォルフラム。一見すると優しげな青年なのですが、その実態は反乱者に容赦なく拷問を加える不気味な冷血漢です。彼の持つ力はまるで、人ならざる何かのよう。反乱者たちは彼を悪魔と呼んで恐れるのでした。

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「狼の口」が話題になった理由は、その凄まじい暴力描写。全部の巻ごとに、必ず凄惨な拷問シーンが入ります。人によってはトラウマになりそうですが、作者の久慈光久さんのシャープな絵柄に救われるせいか、読んでいて気分が悪くなるということはありません。ですが、気の弱いかたや痛いのが苦手なかたは要注意です。

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権力の前には、どんな正義も理想も無力です。闘士たちを手助けした女戦士も無辜の市民も、ヴォルフラムに捕らわれて容赦なく虐殺されてゆきます。

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反乱指導者の娘・リーゼロッテと彼女を守る騎士ゲオルグは、追っ手をかいくぐり平和な暮らしを求めて関所を越えようとしますが・・・

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反乱軍の英雄ヴィルヘルムの妻と息子はヴォルフラムの部下によって砦に連行され、見せしめのために飢えた狼たちの前に引き出されます。

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虫けらのように殺されることに耐え切れず、ついに蜂起した同盟軍と庶民たち。しかし、彼らの前には難攻不落の要塞が立ちはだかるのでした。

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両親と弟を殺されたヴィルヘルムの息子・ヴァルターは、同盟軍の闘士となりヴォルフラムと対決します。ちなみに、「狼の口」に登場する反乱の英雄ヴィルヘルムは、スイス独立の英雄として伝説になっている「ウィリアム・テル」をモデルにしています。

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発売中の6巻では、ついに悪代官ヴォルフラムが捕らわれの身になります。もうすぐ最新刊の7巻が発売される「狼の口」。いよいよハプスブルク家との独立戦争に突入します。