ギルティサークル（漫画）とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ギルティサークル』の概要

『ギルティサークル』とは、原作を門馬司、作画を山本やみーが担当しているサスペンス・ミステリー漫画。紙雑誌の連載はなく、公式漫画アプリ『マガポケ』のみの連載となっている。2021年5月4日から連載開始し、約2年の期間を経て2023年5月9日に第1部（全92話）が完結した。その後、93～95話まで特別編が描かれ、2023年6月13日から第2部が96話からスタートした。

門馬司が原作を担当し、物語の基盤となるストーリーと脚本を提供している。山本やみーは、その原作をもとに漫画を描き、作品のビジュアル面を形作っている。門馬司の緻密かつ大胆な物語構成と山本やみーの表現力あふれるデザイン力が合体することで、『ギルティサークル』は独特な世界観と魅力を生みだしている。

マガポケでは、毎週火曜に最新話が更新されている。毎週、最新話は単話ずつ有料となっており、最新話の1話前から3話分無料となっている。
黒幕の犯人が気になるストーリーや個性的なキャラクター、画力の高いリアルな美麗イラストなどが魅力である。過激な設定やエッチなシーンも多く、一部の電子書籍サイトではランキング上位の常連となっている。

門馬司は、主に講談社の漫画誌・Webコミック作品の原作者としてネームを執筆している。元々は1人で描く作家だったが、現在は、ネーム原作として活動している。他の作品は、『ストーカー行為がバレて人生終了男』や『満州アヘンスクワッド』などがある。門馬司の作品は、サスペンスやミステリーの要素が多く、時に暗く深い人間心理や社会的な問題を描いていることが特徴だ。あるインタビューでは、「一番大切なのは面白いピンチをつくること」、「サスペンスは、ピンチのシーンそれ自体が面白くて魅力的なものであることが何よりも大事」と答えている。門馬司の作品は、ピンチのシーンがより深く繊細に描かれているため、ドキドキ感が読者を作品へ引き込ませる。

『ギルティサークル』のあらすじ・ストーリー

星見楓との出会い

田舎に住む16歳の沢屋童二（さわやどうじ）は、友人も少なくモテずにいた。沢屋は、理想の女子を描きSNSに投稿することが趣味だった。ある日、沢屋は、根暗だった従兄弟のたくみが東京の大学に入り、サークルで可愛い彼女をつくったことを聞いた。沢屋は東京の大学へ行くことを決心し、自分の絵のデータをすべて消して死に物狂いで勉強した。猛勉強の結果、目標の東京の大学「青応大学」に進学することができた沢屋は、メガネをコンタクトに変え期待を胸に膨らませていた。

沢屋は、女子の多いイベントサークル「ユーフォリア」に入ろうとするが、巨乳で色気のある3年生、秦美和子（はたみわこ）と見つめ合い、30秒耐えられたら合格というテストが課せられた。しかし、耐えられずに目をそらしたため入部できず、落ち込んでいた。そこに「一緒にサークルに入ろう」と声をかけてきたのがヒロインの星見楓（ほしみかえで）である。そして、楓が2人で入部したいと伝えると、サークルの先輩たちは可愛い楓を入部させたいため沢屋も特別に入部することができた。

入部したその夜、サークルの飲み会に誘われた沢屋だったがまったく馴染めずにいた。そこに、楓が声をかけてきた。2人で話していたが、3年生で実質のこのサークルのトップである武田剛（たけだつよし）が割り込んできてしまい楓を取られる沢屋。武田は楓のセクシーボディを狙ってよからぬことを考えている。沢屋のもとに美和子がやってきて、宅飲みを誘われ美和子の家へ行くことになった。完全に2人きりだと思っていた沢屋は童貞を捨てられると期待していたが、他の先輩や1年生の女子も来ていて、もちろん楓もいる。沢屋は買い出しを頼まれ、コンビニへ行った。帰ってみると、いたるところで先輩と1年生の女子がイチャイチャしている。そう、「ユーフォリア」はヤリサーだったのだ。
美和子が沢屋を誘惑してきて興奮していると、楓が武田に襲われそうになっていた。沢屋がすぐに助けに行くと、楓は抱き着いてきた。いま帰ると怪しまれるため、その場でヤっているフリをした。

サークルの飲み会から無事に帰ることができた沢屋と楓は、後日デートをした。デート中に「ユーフォリア」に入るのはやめようと切り出す沢屋。すると、楓は沢屋を自分の家に誘った。部屋の中で無言が続きいい雰囲気だと思っていた沢屋に、楓は「私の復讐を手伝ってくれない！！」と切り出した。楓によると、姉の千鶴（ちづる）は、2年前青応大学に入学したが、借金を残したまま行方不明になり今も見つかっていない。それを聞いた沢屋は、協力することにした。

新入生歓迎合宿

沢屋は同じ中学だった平井健介（ひらいけんすけ）に漫画研究部に誘われ、そこで千鶴が3年の川谷雄二郎（かわたにゆうじろう）と付き合っていたという情報を得た。3日後、「ユーフォリア」の飲み会に参加し、楓は川谷に気があるそぶりをして近づいた。二次会でカラオケに行き、楓は川谷に襲われそうになってしまう。押し倒されてしまったその時、店員がドリンクを持って入ってきたことで楓は助かり、すぐ逃げ出した。楓は、沢屋と共に近くの個室に逃げ、川谷を騙すために再びヤっているふりをした。諦めた川谷を問い詰めると、川谷は千鶴のことについて何も知らなかったが、「武田が何か知っている」と言う。沢屋と楓は、武田に近づくために、山名神湖で開催される恒例の新入生歓迎1泊合宿に参加することにした。
1年の男子は、女子を1人連れて行かないといけないルールがあるため、沢屋は漫画研究部の2年の早川沙織（はやかわさおり）を連れて参加した。沙織は、オカルトや事件が大好きで沢屋から事情を聴き協力することになった。

山名神湖に到着し、幹事長である白石亮太（しらいしりょうた）の乾杯で盛大に盛り上がるBBQ。沢屋が思っていたより平和だなと安心していると、合宿恒例の「ペアゲーム」が始まる。くじ引きにより武田と沙織がペアになり、湖をボートで1周することになる。沙織は、武田から胸や股間を触られながらも、このサークルで人が死んでいるという情報を得た。

そしてその夜、ペンションに泊まれるのは女子と2、3年生の男子だけとなり、沢屋は楓、沙織と離れ離れになってしまう。
ペンションでは、エロライフゲームというボードゲームが開催され様々なエロいことが起きる。深夜になりあちこちで先輩たちがイチャイチャし始めた中、外の空気を吸いに行こうと白石に誘われた楓は、2人きりになるなり襲われてしまう。

楓はなんとか逃げ出しペンションへ帰り、イベントに参加していた1年生の牧村里香（まきむらりか）に心配され、もう寝ようと案内された部屋に入るが、その部屋にはシャワーを浴びた武田が待ち構えているのであった。牧村は武田の協力者であり、楓は追い込まれてしまった。楓は、武田にある提案をする。その内容は、楓が武田に質問し、答えられたら楓がテキーラを1杯飲む、答えられなかったら武田が1杯飲むというものだった。楓が千鶴についての質問をし続けると、武田は飲みすぎて酔いつぶれてしまう。こうして、楓は無事助かるのであった。

謎の黒マスクの人物

新歓合宿が終わったある日、楓が帰宅すると玄関前に「星見様へ」という手紙と謎の小包が置いてあった。手紙にはなんと「田中千鶴は生きている」と書いてある。そのことを沢屋と川谷、沙織の3人に相談しに行った。その帰りに、楓は謎の黒マスクの人物に後をつけられ「あのサークルをやめろ」と脅されてしまう。なんとか逃げた楓は、沢屋の家に泊まることにした。楓がシャワーから上がり、いい雰囲気になる2人。しかし玄関を強く蹴られ、外を見ると、遠くに謎の黒マスクの人物が立っていた。

さすがに怖くなった2人は、警察署に出向き、相談することにした。1年前に「ユーフォリア」で起きた「青応大女子大生殺人事件」を追っている荒木戸修（あらきどおさむ）に話を聞くと、白石と梶原（かじわら）という名前が出てきた。そして2人は沙織を連れて、白石と梶原のことについて詳しい武田がいるクラブイベントに参加することに。
沙織は武田から情報を引き出すために、体を張って誘惑する。沙織は少しで終わらせるつもりだったが、武田のテクニックと股間の大きさに魅了されてしまう。興奮が最高潮に達して本番を始めようとしている2人の前に梶原が現れる。

一方そのころ、沢屋はクラブ会場にいた美和子から情報を得ようとするが、VIPルームに連れていかれ、彼女のナイスバディに翻弄され抗えずにいた。

事件について詳細を聞くために楓は、白石とカウンターで飲んでいた。しかし、黒マスクの人物が楓に襲いかかり、楓を庇った白石は負傷してしまう。
楓は白石と共に車で病院に向かったが、白石の運転する車は全く違う方向へと向かっていく。異変に気付き場所を調べようとした楓だったが、白石にスマホを取り上げられ、そのまま拘束され襲われてしまう。そして白石は、「僕と君の永遠の愛を誓い合う場所だよ」と言って、教会へと連れていく。
全裸になった白石は、愛を誓い合おうと楓に詰め寄る。そこに、沢屋と沙織が助けに入り、全裸の白石を取り押さえた。救出された楓は、沢屋と2人で家に帰る。そして2人は愛し合い、お互いに童貞と処女を捨てたのだった。

夏合宿

沢屋と楓は付き合い始めた。そんなある日、沢屋は、楓を東京に残して千鶴の情報を求めて3泊4日の夏合宿に参加することになった。1日目の夜、近くでゼミ合宿があり、そこで2年前にガラの悪い集団が走って誰かを追いかけていたという情報を得た。自分の部屋に戻ろうとした沢屋は、今回のイベントから参加した3年生の秋月保奈美（あきつきほなみ）にキスをされてしまう。
保奈美は、今までまじめに勉強ばかりしてきたため大学に友達はおらず、恋愛経験もなく処女であった。保奈美は処女を捨てようと焦っていたが、沢屋が「焦らなくていい、可愛いから大丈夫」と言ってくれた。自分に勇気を持たせてくれた沢屋に好意を抱いた保奈美は、好きだと伝えるために服を脱ぎ積極的にアピールを始める。
ほかの人に見られそうになって慌てた2人は押し入れに隠れる。だが、そのせいで距離が近くなり2人は興奮するのであった。そして、先輩たちを追い返すためにヤっているフリを始めるのである。

夏合宿は最終日となり、恒例の「力を合わせろ！！カップルボートレース」が始まる。「力を合わせろ！！カップルボートレース」とは、男女ペアになり沖にある夫婦岩までボートで往復するというものだ。周りは海、逃げ場のないボートの上で男女2人きり。川谷は、「何だってできるぜ。海は…不法地帯だ」と説明する。こうして陸から放たれた海の上でそれぞれの男女が絡み合い始める。

夏合宿最後の夜

夜になり、楓のもとに知らない番号から「「姉さんに何があったか知りたいか？」とメッセージが届く。電話をしてみると「ユーフォリア」のOBの梶原だった。梶原に「千鶴の情報を教える」と呼び出され、連れてこられた場所は沢屋たちがいる夏合宿の宿舎だった。OB部屋という部屋に連れていかれあるゲームを提案される。その内容は、1時間以内に梶原をイかせることができたら千鶴の行方を教える、というものだった。千鶴の情報を得るために覚悟を決めた楓だったが、梶原のテクニックにやられ、最後までエッチをしてしまう。しかし梶原をイかせることができたため、楓は梶原から千鶴が崖から落ちた動画を見せられた。そして楓は、千鶴は死んだと知らされたのだった。

一方、沢屋は美和子と会っていた。美和子が沢屋とイチャイチャしたくてゼミ合宿を抜け出してきたのだ。美和子の誘惑を拒否する沢屋だったが、「エッチしてくれたら千鶴のこと教えるから」と言われ、沢屋は情報を得るためにエッチをしてしまう。その様子を楓に見られてしまったが、沢屋は美和子から「梶原と千鶴が言い合いをしていた」という情報を手に入れたのだった。

第2部 開幕

夏合宿から時間が経過し、沢屋たちは青応大学2年生となった。そして夏合宿以降、星見楓は沢屋たちの前から姿を消していた。突然楓がいなくなってしまったことにショックを受けた沢屋はこの現実を受け入れようとしつつもまだ未練があり、いつか帰ってくるのではという希望を捨てられず「ユーフォリア」に残り続けていた。

サークル勧誘の時期となり、沢屋は新入生で現役アイドルの十文字文香（じゅうもんじふみか）と出会う。沢屋は、しつこいサークル勧誘から文香を助けたことで興味を持たれてしまう。そして、沢屋の忠告も聞かず、文香は「ユーフォリア」に入部してしまう。
恒例の新歓飲みがあり、男たちは汚い手を使って新入生の女子にセクハラ、アルハラを仕掛けていく。こうして何も知らない新入生女子たちは、「ユーフォリア」の先輩たちの罠に陥っていくのだ。

文香は、友達の湊可奈子（みなとかなこ）に誘われ3年生主催のホームパーティーに参加することになる。嫌な予感がした文香は沢屋に相談したが聞いてもえなかった。パーティーは最初は穏やかにスタートしたが、途中から来たグループのリーダーである林によって空気が一転する。林は、ロシアンルーレットの罰ゲームでテキーラを一気飲みさせ女子を酔わせセクハラをし始めた。文香も林に襲われそうになりトイレに逃げ込むが、ドアの前で林が待ち伏せている。絶体絶命のピンチになってしまうのであった。

『ギルティサークル』の登場人物・キャラクター

沢屋 童二 （さわや どうじ）

この物語の主人公。青応大学1年生。ド田舎出身で、美少女のイラストを描いてSNSにあげるのが趣味。ある日、従兄弟が東京の大学のサークルに入り可愛い彼女ができたことを聞き、自分も東京の大学へ行くと決心する。猛勉強の末、東京の青応大学に入学する。キャンパスで星見楓と出会い、彼女に誘われてイベントサークル「ユーフォリア」に入る。行方不明になった星見楓の姉を捜す手伝いをすることになる。

星見 楓 （ほしみ かえで）

この物語のヒロイン。青応大学1年生。黒髪ロングの美少女。おとなしそうな見た目で巨乳というギャップで、多くの男たちから目を付けられる。行方不明になってしまった姉を捜すためイベントサークル「ユーフォリア」に入部する。キャンパスで偶然知り合った沢屋童二の協力を得ながら、サークルの秘密に迫っていく。

田中 千鶴 （たなか ちづる）