ヒメノスピア(漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ヒメノスピア』とは、村田真哉(むらたしんや)によって2017年から2020年まで『月刊ヒーローズ』で連載され、『コミプレ』 『わいるどヒーローズ』に移籍後は2020年から2021年まで配信されたミステリー・サスペンス漫画。赤い寄生蜂を食べて特殊能力に目覚めた女子高生・園藤姫乃(えんどうひめの)の戦いと成長を描く。虐められっ子で自分の味方が誰もいなかった姫乃が、自らの意思で行動し難しい局面で重要な選択をしていくのは本作の大きな見所だ。

元は関東地方にある都市の一つだったが、鷺宮女子高銃撃テロ事件で警察の不祥事が明らかになったことで、姫乃の手により新たな都市へと生まれ変わった。女性優遇と犯罪発生率ゼロを掲げる特別自治区であり、日本国内にありながら日本の法律は一切適用されない。
一見普通の街のようだが街の至る所に兵士が溶け込んでおり、街を監視することで犯罪を未然に防いでいる。行政に関わる者の殆どを女性で構成することで女性目線の政策を積極的に行っているが、本当の狙いは来たるべき戦いへ向けての戦争都市として機能させることだった。

鷺宮女子高等学校

姫乃達が通う高校で、後に楽園都市(ヒメノスピア)の本拠地として機能するようになる場所。女王が誕生する以前は虐めや援助交際が横行する程治安が悪かった。
姫乃が援助交際をしていると誤解し代償を求めてきた担任の金古登(かねこのぼる)を服部渚(はっとりなぎさ)達が殺害したことで、鷺宮女子高等学校に公安警察特務捜査課の刑事達が乗り込んでくることになる。後に警察上層部から姫乃捕獲を命令された特殊急襲部隊が突入。多くの一般生徒・兵士達が無差別に射殺されてしまう。
鷺宮が特別自治区化されて以降の鷺宮女子高等学校は姫乃の手で生まれ変わり、生徒達の素行など学校環境が大幅に改善された。

フジモト生物化学研究所

様々な動植物の研究を行っており、赤い蜂研究の専門機関的位置付けだった研究施設。当初は藤本が所長を務めていたが、鷺宮女子高銃撃テロ事件の際に部下の原口理栄(はらぐちりえ)と共に公安警察特務捜査課を裏切り所長を解任。
鷺宮女子高銃撃テロ事件は警察による不祥事と世間に公表されたことで、蜂関連の施設として閉鎖の危機に陥るが、研究対象は動植物にも及んでいたことから閉鎖を免れた。

公安警察特務捜査課/公安部第6課

公安警察特務捜査課 / 公安部第6課のボスは黒田二郎。

蜂関連の犯罪を専門とする警察組織。兵士の逮捕・駆除を行う裏で、蜂や女王の情報を解析し兵士化能力を技術として抽出することを目論む。
警察が隠蔽していた鷺宮女子高銃撃テロ事件の真相を姫乃達に流出され、世間から猛烈な批判を浴びることになった。支持率低下を危惧した真鍋進造(まなべしんぞう)総理によって一時的に解体されたが、約1年後に公安部第6課と名を変えて復活。赤い蜂駆除へ向けて秘密裏に動き出した。

TBNテレビ

食レポ撮影をしているアナウンサーの鹿島優美(かしまゆみ)を中心とするTBNテレビのスタッフ達。

兵士化したアナウンサーの鹿島優美(かしまゆみ)が務めているテレビ局。鷺宮女子高銃撃テロ事件の真相を何処よりもいち早く入手し、姫乃への独占インタビューへと繋げた。

事件

鷺宮女子高銃撃テロ事件

鷺宮女子高銃撃テロ事件で特殊急襲部隊に躊躇なく銃殺されていく兵士(画像中央)。

警察の特殊急襲部隊が女王・姫乃捕獲を目的として実行した任務。捕獲対象以外は全員射殺で、任務の邪魔になったり判別困難な一般市民・生徒まで容赦なく射殺された。
大規模戦闘作戦ではあったが、服部達の奮戦と藤本の裏切りによって姫乃の脱出を許してしまう。特殊急襲部隊の責任者を兼ねていた公安警察特務捜査課の黒田二郎(くろだじろう)は、偽の園藤知世(えんどうともよ)を逮捕した報道を流して対象を誘き寄せる作戦に移行。
黒田の思惑通り姫乃は東京に姿を現すが、短期間で築き上げた人脈で警察組織は支配され、赤い蜂の存在や無差別殺人などの不利な情報がテレビやネットに流出される事態に陥った。鷺宮女子高銃撃テロ事件は警察の一大不祥事として広く国民の関心と反感を買うことになる。

病気

善意アレルギー

藤本康臣(ふじもとやすおみ)に自身が善意アレルギーを発症していることを指摘される安達瑞(あだちみず)。

一定以上の好意や善意を受けることで自律神経失調状態に陥り、目眩や吐き気に悩まされる奇病。安達瑞(あだちみず)は長年善意アレルギーを患っており、至る所で症状を発症している。

おまけ漫画

『傅け!服部さん』

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