ヒメノスピア(漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ヒメノスピア』とは、村田真哉(むらたしんや)によって2017年から2020年まで『月刊ヒーローズ』で連載され、『コミプレ』 『わいるどヒーローズ』に移籍後は2020年から2021年まで配信されたミステリー・サスペンス漫画。赤い寄生蜂を食べて特殊能力に目覚めた女子高生・園藤姫乃(えんどうひめの)の戦いと成長を描く。虐められっ子で自分の味方が誰もいなかった姫乃が、自らの意思で行動し難しい局面で重要な選択をしていくのは本作の大きな見所だ。

『ヒメノスピア』の概要

『ヒメノスピア』とは、村田真哉(むらたしんや)によるミステリー・サスペンス漫画。当初は『月刊ヒーローズ』で2017年4月号より連載が開始されたが、配信サイト『わいるどヒーローズ』に移籍の為2020年11月号までで連載は終了となった。移籍後の配信期間は2020年12月11日から2021年4月16日。
学校で同級生達から虐められていた女子高生・園藤姫乃(えんどうひめの)が、赤い蜂の力を手に入れてから女王として覚醒し、関連する事件に巻き込まれていくのが本作のストーリー。赤い蜂の能力や姫乃の築いた居心地の良い楽園(ヒメノスピア)を危険視する国家権力との戦い、主人公を取り巻く人々とのやり取りなど随所に魅力が散りばめられている。設定の細かさやバトル描写・知能戦の描き方など、世間からの作品への評価は高い。

『ヒメノスピア』のあらすじ・ストーリー

第1章 楽園都市・ヒメノスピア編

同級生達から酷い虐めを受けてきた女子高生・園藤姫乃(えんどうひめの)は、自宅に帰ればかつての愛人絡みのことで母親の園藤知世(えんどうともよ)に毎日のように暴力を振るわれる日々を過ごしていた。
謎の赤い蜂に刺されてからは母親や高校で虐めの主犯格だった服部渚(はっとりなぎさ)ら周囲の態度が一変。今までの仕打ちが嘘のように姫乃を嫌う人々が彼女に味方していった。人間に針を刺すことで寄生する赤い寄生蜂の影響によるもので、女王になった姫乃は針を使って兵士を増やして平穏な暮らしを手に入れることになる。
姫乃の平穏が長く続くかと思われた矢先に、仲間の服部らが姫乃に援助交際を迫ってきた担任を殺害。殺人事件として警察沙汰になったことで姫乃の正体が日本政府に知られてしまう。
上層部からの指示を受けて捜査に乗り出したのは、課長の黒田二郎(くろだじろう)を始めとする警視庁公安部特務捜査課の刑事達だ。捜査に協力したフジモト生物化学研究所所長の藤本康臣(ふじもとやすおみ)や主任の原口理栄(はらぐちりえ)は、黒田に兵士達の組織化により女王は死んでいるはずだと自らの予想を伝えた。
藤本達の助言により動いた黒田だが、予想は外れ人数不足を理由に作戦の練り直しを余儀なくされる。黒田の敗北から一時的に危難が去ったものの、警視庁上層部は黒田指揮直下の特殊急襲部隊に女王の捕獲を命令。姫乃達が通う鷺宮女子高等学校に突入した特殊急襲部隊は、兵士・一般生徒問わず無差別に殺害し女王・姫乃の居場所を探し回った。
姫乃は学校の皆を置いて逃げることを躊躇するも、服部に説得され逃亡を決意。以前兵士化した原口の協力を得て脱出するが、姫乃達は特殊急襲部隊による無差別殺人の犯人とされ、母親の知世は留置所に拘束されてしまう。
母親を人質に取られた姫乃は、予め兵士化したアナウンサーの鹿島優美(かしまゆみ)を始めとした独自の人脈により警察関係者を浸食。拘束中の母親奪還に動くが実は別の場所で射殺されていた。大切な者の死を切っ掛けに姫乃はこれまで築き上げた人脈を駆使して、警察による無差別殺人事件の真相を世間に暴露。警察の権威が失墜したことで黒田は身動きが取れなくなるが、15年前に発生した蜂関連の爆破テロ事件の記憶を忘れることが出来なかった。
事件で妻と子供を亡くしたことから、最後まで姫乃と敵対し最終的には彼女に針で殺害されることになる。一連の事件が終結後にメディアのインタビューに応じた姫乃はヒメノスピア設立を宣言。蜂の能力を使い犯罪や暴力に貧困もない理想的な社会が作れると熱く語った。
警察との戦いから1年が経過した物語の舞台・西東京市鷺宮は、姫乃の狙い通り楽園都市のヒメノスピアへと生まれ変わった。ヒメノスピアは日本国にありながら法律が適用されない特別自治区のような存在だ。
姫乃達の楽園にある日転校してきた安達瑞(あだちみず)は、善意アレルギーという持病持ちの少女だった。文字通り周囲の善意が影響する症状で、転校早々一定以上の親切を受けたことで目眩や立ち眩みが発生し失神してしまう。
心底嫌気が差した安達だったが銀座でホステスをしている母親の安達瑠至亜(あだちるしあ)を元に戻す為に、ヒメノスピアへの転校を諦めるわけにはいかなかった。安達の母親は警察との戦いが発生した1年前に、姫乃の人脈作りの為に兵士化されていたのだ。
安達から見た当初の姫乃は教祖気取りのサイコ女だったが、実際は元虐められっ子の地味女に過ぎないことに気づく。終始和やかなムードを醸し出す姫乃に拒絶反応を抱き殺害を企てるが、服部に邪魔され拘束されてしまう。姫乃の洗脳を疑わなかった安達だが、本人によると針が及ぼす効果は洗脳ではなく、瑠至亜の性格が変化したように見えたのは姫乃への愛情が膨れ上がったに過ぎない。現実を知っても受け入れられない安達は、相手の弱点を知ることで姫乃を否定する為に生徒会へ加入。安達が一方的な憎悪に燃えていた頃、160年もの間女王に君臨しアメリカを裏から支配してきたセレナ・セルバンテスが姫乃と接触を図るべくアメリカから来日した。

第2章 2人の女王編

来日したセレナは早速、姫乃の通う鷺宮女子高等学校を訪れた。校門前で騒いでいた人権団体の一人を針で刺し、「破滅に導け」と命令するだけで人権団体の人間関係は崩壊。たまたまその場に居た安達は、突然のことに呆気に取られ見ていることしか出来なかった。
騒動の後で相対する2人の女王だが、大勢の兵士に護られているはずの姫乃はセレナに突然胸を揉まれても全く抵抗していない。遠距離からライフル銃で狙われており、一歩でも動けば女王の頭を撃ち抜かれてしまうからだ。
友好の証として全裸になって忠誠を迫られる姫乃は言われた通りに服を脱ぎ出すが、これまでの一連の行動は兵士達に狙撃手の居場所を探らせる為であった。圧倒的に不利な立場に陥ったセレナだが、彼女が望んでいたのは戦闘ではなく対話に他ならない。
緊迫していたような状況が嘘のように、鷺宮女子高等学校がある鷺宮の町で姫乃と2人だけで遊ぶセレナは自らの身の上話を始めた。160年前のアメリカのスラム街で生まれ、物乞いや盗みをしながら生きてきた過去があることや、女王の肉体の最盛期は16歳で以降は加齢しないことなどを明かす。
9歳の頃に女王として覚醒し世界を変えようとしていたと話すセレナ。彼女の壮大な話を聞いた姫乃は圧倒され、セレナの方は姫乃の居心地のいい楽園作りを羨ましく感じていた。2人の距離は互いの思いを明かすことでかなり縮まったようだ。

第3章 玄野二穂の思惑・正体編

安達は生徒会役員の玄野二穂(くろのにほ)から、姫乃の殺害を提案されていた。試されていると感じて断る安達に、玄野は去り際に考えておくようにと言い残す。
時を同じくして鷺宮女子高等学校へと入学してきたのはアメリカの女王・セレナだ。わざわざ姫乃と同じ高校に通うことにしたのは、女王が2人同じ場所に揃うことで蜂の支配を疎んじる者を誘き出す為である。姫乃に対しては友好的に接しているように見えたが、地球の支配者は一人でいいことを理由に殺そうとしていた。
セレナが入学後に発生した2年C組の新崎敦子(しんざきあつこ)殺人事件。捜査に乗り出した警察は、状況証拠から兵士の何者かの犯行だと予測するが結局犯人は見つからなかった。姫乃はセレナの兵士の犯行を疑うも、兵士を学校に潜り込ませてはいるが今回の事件には自らの兵士は関与していないと否定される。
2人が会話していた頃、屋上で休んでいた安達に接触してきた玄野は新崎を殺害したのは自分だと自白。簡単に自身が犯人であることを明かした玄野を危険視した安達は、脅迫しながら仲間に引き入れようとする相手から一瞬の隙を付いて逃げた。
新崎殺害事件の犯人を姫乃に伝えようとするが、玄野に気絶させられた上に事件の真犯人にさせられてしまう。後に安達が赤い蜂の研究に詳しいフジモト生物化学研究所に移送される際に、別の護送車で同行した姫乃は、完全に玄野の計略にはまり兵士と引き離された。
運転手も玄野側の人間で同行していた刑事(姫乃の兵士)は殺害され、突然護送車の進路が変わったのだ。
何処かへと向かう護送車内で、玄野は自身の正体が姫乃に殺害された警視庁公安警察特務捜査課課長の黒田だと明かす。兵士だった時坂涼子(ときさかりょうこ)の死体に脳を移植して復活したのだ。救急病棟で生死の境を彷徨っている時に、何者かに「蜂を滅ぼす力が欲しくないか?」と囁かれたことも判明する。
本来兵士化した女性は女王に忠実だが、黒田の場合は脳は男性である為支配は受けていない。姫乃は警視庁地下5階の特別留置場に全裸にされた上で、貞操帯のようなものを装着した状態で監禁された。
出された刑務所飯を這いつくばって食べるが実は毒素を高配合した特別ディナーで、姫乃は急性食中毒を起こして突然苦しみ出した。必死に許しを請う彼女に黒田は蜂の針で84回刺された仕返しに同じ回数鞭で打ち据える。
姫乃が飢えと痛みに耐えていた頃、服部達は、姫乃の拉致に関与した内通者の存在を知った。内通者の背後には巨大な黒い影がちらついているようだ。服部・安達・セレナの3人は協力関係を築き、姫乃救出に向け動き出すことになる。
話しがまとまった直後、セレナは早急に場所を移動したほうがいいと提案。セレナの始末を任務遂行とする陸上自衛隊特殊作戦群が校舎を襲撃したからだ。
内部に侵入してきた自衛隊員達はセレナに接近するが、肉体強化されたメディアと呼ばれる戦闘兵達に一方的に蹴散らされていく。陸上自衛隊特殊作戦群の包囲網を抜け出した彼女達は首相官邸へと急いだ。

第4章 黒田二郎の兵士化編

安達達は奪った陸上自衛隊特殊作戦群の車両で目的地へと向かうが、道中には人影がなく信号も消えていた。首相官邸までの道路全ての交通規制とメディア管制を敷ける程の大物の存在に安達は戦慄する。
首相官邸の奥深くで待ち受けていたのは、全裸でセレナに服従を示していた内閣総理大臣の真鍋進造(まなべしんぞう)だった。真鍋から姫乃の監禁場所を聞いた安達達は、警視庁地下5階の特別留置場を目指すことになる。
同じ頃、警視庁にいた黒田は潜らせていた部下からセレナ達が包囲網を突破して首相官邸に向かっているとの報を聞いた。監禁場所が相手側に知れるまで時間の問題だった為、取り逃すぐらいならすぐに殺害してしまおうと姫乃に拳銃を向けて発砲。至近距離から狙いを定めたものの、何故か動悸や頭痛により当てることが出来なかった。
脳が男でも身体的に女であることに変わりはなく、女王への愛情や忠誠心が徐々に全身を支配しつつあったのだ。上司である黒田の変化に危機を抱いた大貫賢(おおぬきけん)は、「あの方の元に届けなければ」と言い姫乃の移動を試みるが、救出に来た服部に阻止された。
「あの方とは一体誰なのか?」、正体を突き止めるためにセレナが連れて来たのは、元快楽殺人犯の拷問兵(トーチャー)達だ。彼女達は拷問・解剖・殺人などに性的興奮を抱くアメリカ女王の兵士である。セレナが「あの方」の正体は姫乃ではないかと疑惑の矛先を向け拷問を始めようとした時、建物に空爆が仕掛けられ地上は蹂躙されてしまう。
自分は違うと否定する姫乃の次に疑惑の矛先を向けられたのは兵士・服部だった。女王をも欺く「あの方」の正体が今、服部の口から語られる。

第5章 「あの方」の正体・隠された真実編

空爆が発生した頃、安達は総理大臣の真鍋と行動を共にしていたが、乗っていた車が爆発した為車外に投げ出されて辛うじて生きている状態だった。セレナの兵士を狙った米軍機の空爆によるものだが、首都東京が攻撃された裏には真鍋とアメリカ大統領ロナウドの共謀があったようだ。
同じ頃、セレナは「あの方」と呼ばれる人物が服部であることを見抜いていた。姫乃にヒメノスピア創立を促したのも、国家権力と対立せざるを得ない状態に陥らせたのも全て服部が裏で糸を引いていたからだ。
服部が生まれたのはセレナの支配下にあるアメリカにより原爆が投下された1945年8月6日。戦後の日本の貧困家庭で幸福とは程遠い生活を送っていた為に、精神的に疲弊した両親に鬱積の捌け口にされてきた。
服部が女王の力に目覚めたのは10歳の頃だ。周囲の大人に能力が知れることを恐れた服部は兵士化した母親に父親を殺害させた後、母親自身も自殺するように仕向けた。20年後国を手にした彼女は当時23歳だった藤本と出会い、他の女王への対抗手段としてもう一人の女王を造る作戦を進めることになる。
服部渚自身は敵から正体を悟られない為に兵士に擬態して戦うことを決意。問題は蜂の襲来がいつあるかということで、藤本は蜂の研究をする環境を自分に与えてくれれば10年以内に捕えて見せると言い切った。以上のような経緯から誕生したのがフジモト生物化学研究所である。
研究所設立から42年の歳月が経った時、服部達は女王の因子を体内に取り込ませることで女王を造る方法を発見。問題は女王を誰にするかだが服部は姫乃を女王にすると決めていた。唯一の誤算は自分と姫乃の針が異なる形状をしていたことだ。後に服部の針は女王でありながら兵士の針であるというイレギュラーなものであることが判明した。服部の能力は擬態、敵の狙いを狂わせる隠蔽型の能力である。
セレナの能力については命令で、意思の伝達と兵士化した直後から命令を与えて作戦行動に移行させることが可能な速攻型の能力を持つ。真鍋曰く、他の女王との戦いを有利に進めることが出来たのも命令が大きく影響しているようだ。

第6章 結末編

園藤姫乃は真の支配者の操り人形に過ぎないことが分かったセレナは、用済みとして兵士に殺害させようとするが、特務捜査課の黒田と大貫が阻止に動いた。2人がセレナ達と対峙している間に姫乃と服部は地下通路を移動。順調に脱出するように思われたが、セレナ達に追いつかれ服部が撃たれてしまうという危機に陥る。
絶体絶命の中、セレナ達との戦いで深手を負った黒田が現れ、最後の力で姫乃の拘束具を解除。体の自由を取り戻した姫乃は支配型の針でセレナの手を刺した。藤本は女王すら隷属させ敵の巣ごと支配する能力だと言うが、セレナから消え去ったのは殺したいという感情だったようだ。服部の勝ちを認めたセレナは、部下の兵士達を連れてその場から去って行く。
脅威が去った警視庁地下通路には姫乃と彼女に抱き抱えられた服部の2人だけが取り残された。服部は既に拳銃で撃たれた傷が致命傷になっており、意識が徐々に失われていく。最後の力を振り絞って伝えたのは姫乃への愛だ。当初は遺伝子の導きで選ばれた道具としか思わなかったが、いつしか本物の愛に変わったと伝え服部は亡くなってしまう。

第7章 新たなる脅威へ向けて編

アメリカに帰国したセレナは、世界各国を統合しアメリカを中心とした単一国家にすることを名言。自らはこれまで通り裏から支配し、神輿としての役割を果たす表の世界の女王は姫乃にすることになる。地球全域を支配下に置く国の名はヒメノスピアとすることも、セレナの一存で決まった。
騒動から一年経ち鷺宮女子高等学校の新生徒会長に就任した安達は、女王・姫乃が行方知れずのままであることを訝しむ。藤本曰く蜜蜂の女王は新女王が誕生したタイミングで、多くの働き蜂を引き連れ、新天地を求める旅に出るらしい。安達が後継者に選出されたのは自分に何かあった時の為に、姫乃が予め決めてあったのではないかと藤本は推測する。
結局赤い蜂の正体が何だったのか分からずに質問する安達に、藤本は進化の過程で誕生したものではなく何者かが造ったものであることを明かす。体内の細胞の1つから製造番号のような文字列が見つかったからだ。地球外の者が自分達を観察しているなら人類同士で小競り合いをしている場合ではなく、地球を一つにする為の新天地を姫乃は探しているという。
スケールの大き過ぎる話を保健室で2人がしている時に突然部屋のドアが開かれる。目の前に「ただいま」と言いながら立っていたのは、地球の女王にはとても見えないジャージ姿に鉢植えを持つ姫乃だった。同じ頃、宇宙空間に地球を観察している様子の一匹の赤い蜂が映し出されるが、満足したのか何処かへと飛び去って行く。物語は地球を向いていた赤い蜂が飛び去るところで幕を閉じた。

『ヒメノスピア』の登場人物・キャラクター

主要人物

園藤姫乃(えんどうひめの)

本作の主人公で鷺宮女子高等学校に通う虐められっ子の女子高生。学校で悪質な虐めを受けるだけでなく、家に帰宅すれば母親から顔や右肩に大きな痣を作るほどの家庭内暴力を受けてきた。
自室が唯一の居場所だったが赤い蜂に刺されたことで女王として覚醒。次々と仲間を増やして居心地の良い日常を手に入れるが、園藤姫乃(えんどうひめの)の力に興味を示した警視庁公安部特務捜査課に追われ、多くの仲間を失うことになる。
危機的状況に陥りながらも女王の力で警察組織を掌握し、公安部特務捜査課の黒田二郎(くろだじろう)を討伐。以降は犯罪も暴力も貧困もないヒメノスピアという理想の楽園都市を築き上げた。ヒメノスピアは表向きは姫乃の理想郷だが、同時に平和を奪おうとする敵に対しての戦争都市でもある。
女王の力を得る以前は自分は無価値な人間だと思っていた姫乃は、覚醒以降は控え目な物腰の一方で大胆かつ緻密な計略を実行出来るようになった。

服部渚(はっとりなぎさ)

Bells4
Bells4
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