デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション(デデデデ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』とは、『ビッグコミックスピリッツ』にて2014年から2022年にかけて連載された、浅野いにおによるSF漫画。その圧倒的な書き込みと秀逸なストーリーが高く評価され、第66回小学館漫画賞など数々の漫画賞に輝く。略称は「デデデデ」で、2024年に劇場版アニメが2部作で公開される。
東京上空に巨大なUFOが出現して3年。“UFOが存在して当たり前”の日常を謳歌する小山門出と中川凰蘭は、ひょんなことからそのUFOの墜落が間近に迫っていることを知る。

8.32以降、全世界に降り注ぐようになった光の粒。人間がこれに触れると対消滅を起こす。
エネルギー炉の爆発による衝撃で、皮肉にも日本ではあまり被害が発生していない。

その他

イソベやん

門出がハマっている漫画。「成績劣等な子供が、不思議な道具を渡されて様々な事件を起こす」という『ドラえもん』のフォーマットに則った内容だが、主人公は女の子になっている。
人間の愚かさをハードに描き出す本作の作風に合わせて、『ドラえもん』と比べると露悪的な物語となっている。

『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

ひろし「もし凰蘭を悲しませるような事があったら、俺が絶対に許さんぞ」

デブでニートというろくでもない設定で作中に登場するひろしだが、妹の凰蘭のことは溺愛しており、適度な距離感を保ちつつも常に彼女の味方として活躍する。これだけだとただのシスコン兄貴のようだがそうではなく、妹のことをちゃんと一個の人格として認めており、それが証拠に凰蘭が大葉との距離を急速に詰めていることを知っても驚きこそすれ2人の付き合いに反対するようなことは一切なかった。
「もし凰蘭を悲しませるような事があったら、俺が絶対に許さんぞ」とは、凰蘭と大葉が想いを伝えあう少し前のタイミングでひろしが大葉に告げた言葉である。彼がいかに妹を大切にしているか、頼れる兄であるかがよく分かる言葉だ。

門出「私、飛べるかな」

侵略者からもらった不思議な道具を使い、門出は独自に「悪人」と認定した者を次々と抹殺するようになっていた。凰蘭からこれを咎められた門出は、派手にケンカした後に自分が間違っていたことに気付き、「結局自分は不思議な道具を手に入れて調子に乗っていただけだった」と悟って絶望。学校にも来なくなり、心配して様子を見に来た凰蘭の前で「私、飛べるかな?」とつぶやいて投身自殺してしまう。
凰蘭と門出の驚きの過去とその結末に、戦慄を覚えるしかない衝撃的なシーン。凰蘭ならずとも「過去に戻ってやり直したい」と考えること必至の展開である。

マコト「この世界がブッ壊れてるとしても、ここにあるものが俺にとってのすべてだから」

ノブオに精神的なタイムトラベルの手段があると伝えたマコトは、彼から「君はこの世界に留まるつもりなのか」と問われ、「仲間もいるし思い出もある」との言葉を返す。「この世界がぶっ壊れてるとしても、ここにあるものが俺にとってのすべてだから」とは、この際にマコトが口にした言葉で、破滅を前にしても必死で生きようとする人間の力強い想いが詰まっている。

『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』の主題歌・挿入歌

主題歌:ano feat. 幾田りら「絶絶絶絶対聖域」(前編)

主題歌:幾田りら feat. ano「青春謳歌」(後編)

YAMAKUZIRA
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