桃源暗鬼(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『桃源暗鬼』とは漆原侑来により『週刊少年チャンピオン』(秋田書店)にて2020年から連載されている、桃太郎を題材に現代を舞台として、鬼側の視点で描いたダークヒーロー鬼譚の漫画作品である。銃が大好きな問題児の一ノ瀬四季は、鬼の血を引いていることが原因で、桃太郎機関から命を狙われてしまう。守ってくれた養父を亡くし、仇をとるために鬼として桃太郎との戦いに関わり始める。次第に鬼と桃太郎との関係を変えようと成長していく。

栃木県の小さな集落に住む鬼の男性。2年前に妻と死別し、6歳の娘の怜美とともに暮らしていた。桃太郎に怜美を攫われ、重傷を負いながらも娘を取り戻すため研究所へ向かっていたところで四季たちと出会い行動を共にする。

等々力雄治(とどろきたけじ)

颯の育ての祖父である鬼の医者。故人。スカジャンに咥え煙草が特徴の老人で、口調こそぶっきらぼうだが、誰であろうと助けようとする面倒見の良い性格。両親を失った赤ん坊の颯を引き取って育てており、おじじと呼ばれ慕われていた。両親の復讐を望む颯に一定の理解を示しつつも、それに囚われることなく医者としての人生を進むことを望んでいた。ある日、戦争に巻き込まれた一般の鬼の救護に尽力していた中で瀕死の重傷を負った当時少年の歪を救い、夕食を作っていた最中に礼も無しに部屋を抜け出されても彼の復帰を喜ぶが、後に歪に首をねじ切られて殺害されてしまう。

『桃源暗鬼』の用語

世界観

桃太郎と何千年にも渡って戦い続けている存在。自らの血液を用いて様々な能力を使用することができる。その特性上、人間よりもはるかに多い血液量を有するほか高い身体能力と回復力を持ち、手足の骨折程度なら少しの時間が経てば完治が可能。鬼の血に目覚めた者はその証としてモヤのような角を頭から生やすことができるようになり、血液型が変化する。鬼同士で子どもを成した場合は必ず鬼が生まれる。人間および桃太郎との間に子どもを作ることもできるが、それぞれ鬼が生まれる可能性は五割ずつ。生まれてから死ぬまでの間、自分が鬼であることを知らぬまま死ぬ鬼も存在するが、すべての鬼は死後の数十秒間だけは角が出現する。

桃太郎

鬼と何千年にも渡って戦い続けている存在。黒い細菌を用いて特異な能力を使用することができる。害虫や蛆虫と呼ぶように、全体的に鬼に対する差別意識と敵対意識が非常に強い。子供の鬼や戦う意志を持たない鬼が相手でも命を奪うことに何の抵抗も抱かない者が殆どで、唾切や楔のように嬉々として鬼の尊厳と感情を踏みにじりながら殺害する残忍性を持つ者も存在する。

桃太郎機関

桃太郎が集まって誕生した機関。鬼を排除することを目的としている。通称"桃関"。大皇帝を筆頭に皇帝、総士隊長、隊長、副隊長、隊員という序列で構成されている。隊員は白を基調としたスーツを着用し、隊長と総士隊長はそれに加えて白のファーコートを羽織る。その存在を秘匿されており、鬼に関する研究から得られる利益や護衛と引き換えに政府から絶大な権力を与えられ、公には警察官として扱われている。鬼との戦闘頻度に伴う戦闘経験の差から、同じ隊長でも勤務地によって強さが異なり、地方もしくは研究所に所属する隊長と比べて都市部に所属する隊長は実力が高い傾向にある。

鬼機関

桃太郎機関に対抗するための機関。通称"鬼関"。大きく分けて、戦闘部隊・偵察部隊・医療部隊によって構成される。多くの場合、隊員は黒を基調としたスーツかジャケットを着用している。武力を桃太郎に見せ付けることで平和的解決を目指すことを目的としている。

羅刹学園

対桃太郎機関専用の軍隊学校。鬼の血の操り方・戦闘術、一般教養、鬼と桃太郎の歴史を学ぶ場所。本土から離れた鬼門島にあり、通称"鬼ヶ島"。島の中心に羅刹学園が存在する。卒業後は本人の希望によって鬼機関の部隊に配属される。

鬼國隊

鬼機関に属さない野良の鬼集団。メンバーは黒を基調とした軍服と軍帽を着用しているのが特徴。平和的解決を目的とする鬼機関に対し、桃太郎の根絶を目的に活動する過激派であり、桃太郎であるならば非戦闘員であっても躊躇なく殺害する。矢颪が加入する以前にも数多くのメンバーがいたが、いずれも戦死もしくは脱退している。

鬼神

かつて桃太郎機関を壊滅寸前まで追い込んだ史上最強にして悪名轟かす鬼の武将。自身の力を宿した子種を多くの女性に身籠らせたとされており、すべての鬼はルーツを遡るとすべて鬼神にたどり着く。

鬼神の子

鬼の中でも特に鬼神の力を色濃く受け継いで生まれた「炎」「風」「水」「雷」「氷」「土」「光」「闇」の8つの属性を1人1つずつ司る8人の鬼。鬼が桃太郎によって絶滅寸前にまで追いつめられると誕生すると言われているが、詳細は不明で鬼と桃太郎の戦争が終結しない一因となっている。フルパワーであれば暴走時と同等かそれ以上に匹敵する戦闘力に加え、通常の鬼と比べ高い回復力を持つが花魁坂によると異常な力ゆえに使用するほど寿命を削るらしい。歴史上全ての鬼神の子は若くして命を落としている。

華厳の滝跡地研究施設

華厳の滝跡地にて桃太郎機関が建設した研究所。所長は桃裏楔。表向きは有毒ガス発生事故の調査のために建てられており、周辺の地域から捕獲した鬼たちを実験材料として研究が進められている。10階建てで各フロアごとに隊長副隊長に率いられた部隊が警備しており、桃太郎の総数は400から500人ほど。また、隊長たちはそれぞれで専用の部屋が与えられている。研究所での勤務は鬼との戦闘頻度の少なさから腕が鈍ってしまうために、研究者以外の隊員は勤務を敬遠する、所属する隊長・副隊長の殆どはやる気や性格などの問題から、楔に引き取られる形で厄介払いされた者たちで構成されている。

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