ブスに花束を。(ブス花)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ブスに花束を。』(ブス花)とは、作楽ロクによる少女漫画。2016年から2022年まで『ヤングエース』(KADOKAWA)にて連載された。自らをブスと自虐する高校生の田端花(たばたはな)が、憧れのヒロイン気取りで浮かれていたところを、スクールカースト上位でイケメンと評されている上野陽介(うえのようすけ)に目撃されたことから距離が縮まっていく学園ラブコメディである。ラブコメディでありながらも、主人公は自虐系喪女の高校生という斬新な設定が話題を呼んでいる。

花が自分を自虐するときによく使う言葉。主に「モテない女性」のことを指す。

『ブスに花束を。』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

陽介「誰の為に?」

単行本4巻第21話のシーンで陽介が言ったセリフが、「誰の為に?」である。
少しずつ陽介との距離が近くなるにつれ、陽介に少しでも釣り合うように人間磨きをしたいと強く思った花は、手始めにダイエットを開始しようと縄跳びをしに近所の公園へ行く。
そこへ、偶然バイト帰りの陽介が現われ花に声をかけるが、花は慣れない運動と厚着した服装のせいで熱中症で倒れてしまった。
陽介は、花を涼しい場所へ連れて行き介抱しつつ、この猛暑で縄跳びをしていた理由を花に尋ねる。
花は自分磨きだと知られる事が気恥ずかしく感じ、咄嗟にダイエットだと答えるが、陽介は花が誰かに恋をしているのかと誤解し、「誰の為に?」と複雑そうな表情を浮かべた。
花は恋ではなく自分の為だと必死に訴えると、その答えを聞いた陽介は心から安堵する。
しかし、安堵した自分自身にも疑問を抱きつつも、確実に自分の中の変化に戸惑う陽介。
まだ花への恋心は自覚していないが、この頃から花への気持ちが芽生えていた事が伝わってくるシーン。

陽介が自分の恋心を自覚するシーン。

単行本5巻第30話のシーン。
文化祭準備中にすみれの告白を受けた陽介。すみれが自分に言った「好き」は、自分がすみれに抱いている「好き」とは別のものだと感じており、何も答えられずにいた。
備品の椅子を返す道すがら通ったのは、1話で花と秘密の約束をした廊下。
そして近くの花壇に咲く満開のコスモスを見て思い浮かべたのは、いつも一生懸命花壇を手入れする花の姿。
この瞬間「こんなに簡単なことも分かってなかった」と自分の不甲斐なさに落ち込むと同時に、やっと花に対する自分の気持ちに気づくことができた。
そしてもう友達のままではいられないと、花への恋心が確信へ変わったシーンである。

花「だって私ブスだからあ…」

単行本7巻第41話のシーンで花が言った台詞が「だって私ブスだからあ…」である。
自分の容姿がブスだから陽介に迷惑がかかると、花は陽介に涙ながら本音を告げる。
花は、中学生の頃赤羽やクラスの男子達に「ブスじゃん」と容姿をけなされたことから、自分の容姿をずっと引け目に感じている。
そのことから、陽介の好意にもネガティブな理由ばかり浮かんでしまい、上手く答えが出せないでいた。
表面上は平然を装っていても、花の外見コンプレックスはとても根深く、それ故沢山傷ついてきたことが伝わってくる切ないシーンである。

ネガティブで内気な花が真っ直ぐ陽介に気持ちを伝えるシーン

単行本12巻第70話のシーン。
内緒にしていた花と陽介の付き合いがラブトークというテレビ番組で、校内中に知れ渡ってしまう。
騒ぐクラスメイト達へ花との交際を笑顔で肯定する陽介とは対照的に、隠れるように教室へ入室する花。
花はまだ自信がなく「私がこんな顔じゃなかったらな…」と自分の容姿に対して卑屈な思いを捨てきれないでおり、陽介が女子と会話する間に割って入る勇気も持てずにいた。
さらに、花は陽介と一緒に居るときも不安な気持ちが消える事がなく、陽介に八つ当たりをしてしまい、2人はすれ違ってしまう。
1人になった花は、今まで陽介が自分と真っ直ぐに向き合ってくれた事を思いだし、誰よりもブスという言葉に囚われていたのは自分だと気づき、必死に陽介の元へ走る。
いつもネガティブで気持ちを飲み込んでしまう花だが、想いの内をハッキリと陽介に伝える事ができ、花の成長を感じることのできるシーン。

『ブスに花束を。』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

主要メンバーの名字は山手線の駅名となっている

「ブスに花束を。」の主要登場人物の苗字は、田端、上野、鶯谷、五反田、新橋とJR山手線・京浜東北線の沿線の駅の名前。
なお、赤羽駅もJR京浜東北線の駅ではあるが、山手線の駅ではなく、山手線組とは一線を画す準主要キャラの立ち位置になっている。

陽介のスマホロック画面は花のお父さん

陽介は友人に恋人の写真をロック画面にすると良いとアドバイスを受けたが、陽介のロック画面は花のお父さんに設定している。
理由としては、花の父に「程々に仲良くしなさい」と言われており、ストッパーとしてロック画面で見守ってもらっている。

浅野りんの『であいもん』とコラボしている

『ヤングエース』2017年11月号で浅野りんの『であいもん』とコラボしており、「喪女、緑松に行く」というタイトルで特別漫画が掲載された。
花の他に、であいもんの納野和(いりのなごむ)や雪平一果(ゆきひらいつか)、ボス猫のダイゴが登場する。

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