機甲猟兵メロウリンク(アニメ・漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『機甲猟兵メロウリンク』とは1989年にサンライズで制作されたOVA作品。全12話。
同社の人気作『装甲騎兵ボトムズ』シリーズ初となる、別主人公の外伝作品として制作された。
二つの陣営に分かれた百年戦争が続くアストラギウス銀河を舞台に軍の謀略に伴う作戦で仲間を謀殺された機甲猟兵メロウリンクによる復讐劇。シリーズ構成に高橋良輔、キャラクターデザイン・作画監督に谷口守泰、音楽に乾祐樹と、同シリーズでおなじみのスタッフに加え、監督に『機甲戦記ドラグナー』等を手掛けた神田武幸を迎えている。

本編『装甲騎兵ボトムズ』との関連性

『装甲騎兵ボトムズ』ポスター

本編である『装甲騎兵ボトムズ』とは、同じ世界観を共有しながらも、キリコをはじめとした、本編の登場人物の出演はない。
プランバンドール・スキャンダルの真の首謀者が、『ボトムズ』に登場するバッテンタイン中将であると言うのが、本編中に語られるが、本人の登場はなかった。
しかし、小説版では、タ・ビングのマッチメーカーであるボルフの言う「EX-10の知り合い」が、『ボトムズ』クメン編当時のブールーズ・ゴウトであることが明かされていたりと、本編との関連性が明記されている。

デビュー間もない大塚明夫の名演が光る

大塚明夫氏

若手時代の大塚明夫氏(93年頃)

本作でキークを演ずる大塚明夫は、当時デビュー1年目にして大役を務め、本編の他に、キークの語りという形で次回予告も全話担当している。その渋みのある声から発せられる軽口めいた語り口は、後の彼の活躍を思わせ、『ボトムズ』シリーズにおける伝統ともいえる、魅力的な次回予告の一つとしてこちらも本作の見どころとなっている。

大塚周夫・明夫親子初の同シリーズ出演

大塚周夫氏

ヨラン・ペールゼン(『装甲騎兵ボトムズ』より)

また、明夫の父親としても知られる、同じく声優の大塚周夫(2015年没)は、『装甲騎兵ボトムズ』のOVA作品に登場するヨラン・ペールゼン役で複数の作品に出演しており、初めての親子同シリーズ出演を果たしている。
しかし、作品自体が異なるうえ、各キャラクターが同じ作品で登場することがなかったため、両者の共演は1992年の『機動戦士ガンダム0083 STERDUST MEMORY』、または『銀河英雄伝説』まで待つこととなる。

『機甲猟兵メロウリンク』の主題歌・挿入歌

OP(オープニング):坂井紀雄「SOLDIER BLUE」

ED(エンディング):マーキーズ「VANITY」

ha__ktt
ha__ktt
@ha__ktt

Related Articles関連記事

装甲騎兵ボトムズ(VOTOMS)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

装甲騎兵ボトムズ(VOTOMS)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

装甲騎兵ボトムズ(Armored Trooper VOTOMS)とは、日本サンライズ(現・サンライズ)制作のロボットアニメである。テレビシリーズが1983年4月1日から、1984年3月23日までテレビ東京系で放送された。テレビシリーズは全52話である。 テレビシリーズの後日談や、サブエピソードを描いた小説、漫画、OVA作品が制作、発表され続けている。 アーマードトルーパー(通称AT)と呼ばれる、大量生産の安価なロボット兵器が、主役機、敵機、関係なく次々と撃破されていく姿は、圧巻である。

Read Article

蒼き流星SPTレイズナー(Blue Comet SPT Layzner)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

蒼き流星SPTレイズナー(Blue Comet SPT Layzner)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『蒼き流星SPTレイズナー』とは、地球人とグラドス星人の混血児エイジが、地球侵略を目論むグラドス星の野望を阻むために戦う姿を描いた、1985年に制作された日本サンライズ(当時)制作の日本のロボットアニメである。スタイリッシュなキャラクターやSPTのデザインと、ハードな動きを追求した作画やリアルな設定で高い評価を得ながら、スポンサーが商品で事故を起こしてしまったために降板するという不運にあい、無念の打ち切りとなった。現代においても評価の高い『蒼き流星SPTレイズナー』についてまとめた。

Read Article

沈黙の艦隊(かわぐちかいじ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

沈黙の艦隊(かわぐちかいじ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『沈黙の艦隊』とはかわぐちかいじによって1988年から1996年まで『モーニング』に連載されていた、架空の戦争・軍事政策をテーマとした漫画作品、およびそれらを原作としたラジオドラマ、アニメ、映画作品である。政治的な陰謀や軍事技術の進展による国際関係の緊張を背景に、架空の最新鋭潜水艦「やまと」の艦長である海江田四郎とその乗組員たちの活躍を描いている。本作は、そのリアルな描写と緻密なストーリー展開で高い評価を受けた。

Read Article

装甲騎兵ボトムズ入門(ロボット・キャラクター)

装甲騎兵ボトムズ入門(ロボット・キャラクター)

1983年にサンライズにより制作された、「装甲騎兵ボトムズ」はガンダムと並ぶ、サンライズのリアルロボの傑作であり、高橋良輔監督の代表作と言えるだろう。アニメファンなら、是非見ておきたい作品であるが、とっつきにくさを感じさせる部分も多いと思われる。そんな、装甲騎兵ボトムズを「キャラ」「メカ」の視点から、シンプルに紹介したい。

Read Article

目次 - Contents