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wrfezero4のレビュー・評価・感想

怪獣8号
9

『怪獣8号』ってどんな漫画?

『怪獣8号』は、松本直也先生による日本の漫画作品で、『ジャンプ+』で連載されています。
漫画の舞台は、怪獣が人々の日常生活を破壊する“怪獣大国”日本。
幼いころに住む町が破壊された主人公の日比野カフカは、「怪獣を全滅させよう」と固く誓ったのですが、夢破れて怪獣死体の解体業者に就職して鬱屈した毎日を過ごしていました。
しかしある日、謎の生物に寄生され、カフカは怪獣に変身する能力を手に入れます。
戦う力を手に入れたカフカは一念発起し、努力の甲斐もあって防衛隊初の「怪獣」隊員として活躍することになります。

『怪獣8号』は王道バトル漫画であり、怪獣ならではの魅力がたくさん詰まっています。
主人公のカフカだけでなく、防衛隊員も怪獣の力を取り込んだバトルスーツを着用して怪獣に立ち向かっていきます。敵側にも、熟練の防衛隊員すら敵わないような怪獣や狡猾な怪獣など様々な種類が登場し、毎回「どうやって勝つんだ!?」とハラハラドキドキしながら読むことができます。

高い画力によるバトルシーンのカッコよさ、女性キャラクターの可愛さ、軽快なギャグのテンポが最高で、本当に見どころがたくさんの漫画です。
個々の能力をどう活かすかという頭脳戦の側面もあり、能力系バトル漫画が好きな方にもおすすめできる作品となっています。

のぼうの城 / The Floating Castle
10

最高の戦国ものの映画

豊臣秀吉が天下統一を目指すべく諸国を蹂躙していく中、武蔵国忍城を潰そうとする石田三成率いる軍と戦うことを決意したのぼうたちの勇敢さは本当に素晴らしいです。のぼうこと城代の成田長親は馬鹿にされながらも領民に愛されており、それが戦の場面となっても助けになってくれるのだから本当に感動します。それに豊臣がやっていた水攻めがどんなものだったのか、この城がそれに対抗する策がどれも奇策で素晴らしいもので、人数が劣っているのにもかかわらずいい勝負になった本当に最高な戦です。それに、長親に集う家臣たちはどれも猛者ばかり、その猛者たちの命をかけた戦いはどれも格好良いです。数で劣っている分、地の利を使い、人の心を掌握することに長けている長親の手腕も素晴らしいです。その中で長親と姫、酒巻の三角関係の恋愛はとても微笑ましいものでしたが、本当は大事に思い合っている長親と姫が最後に己の思いを告げることなく別れてしまうことがとても切ないです。これが戦国時代ではなく、現代であったならばと本当に悔しく思うほどの切ない別れでした。でも姫を大事に思うが故に手離した長親の気持ちも、本当は連れ去ってほしい姫の気持ち両方が分かるからこそ、もどかしくて背中を押したくなるほどに美しい恋愛もある最高の戦国ものの映画です。

amazarashi / アマザラシ
10

支えになってくれる

雨に濡れて、びしょぬれで動けなくなった時に、そっと寄り添ってくれる、そんなミュージシャンです。
世の中に対する不満や、人生の悩みを胸の内にため込んでいる人は少なくないと思います。
誰にも言えないそんな悩みを、まるで代弁してくれているかのようです。
この世に生まれて、いったい何意味があるんだろう、なんの価値があるんだろう、なにを成せばいいんだろう。
そんな心情を吐露したような歌詞が、胸にジワリとしみ込んできます。
かと思えば、戦争や、殺人や、虐待や、この世界の不条理だったり、悲劇を痛烈に風刺した歌詞がナイフのように胸に刺さります。
彼の音楽はまるで一つの文学のようで、駄々をこねる子供の泣き言のようで、高尚な哲学のようで、破壊的な暴動のようで、雨の日の虚しさのようで、陽だまりのような優しさでもあります。
どんな些細な事でも、少しでも人生に悩んだことがある人なら、彼の音楽に何も感じないということはあり得ません。
そして、どこを探しても同じような音楽を見つけることはきっとできないと思います。
音楽どころか、文学を探しても、何を探しても、amazarashiほどのものを見つけることはできないと思います。
amazarashiという唯一のジャンルであり、唯一の世界です。

ピース オブ ケイク / PIECE OF CAKE
8

リアルな20代の恋愛を描いた漫画

『ピース オブ ケイク』は2003年から2008年に渡って女性漫画誌『FEEL YOUNG』に掲載されたジョージ朝倉の漫画です。単行本は大判コミックとして出版されています。

主人公は20代で都心に暮らすフリーターの志乃。昔に目指していた夢はあったけれど、自分には才能がないと諦め、生活のためにバイトする毎日。モテるというわけではないけど、それなりに言い寄ってくれる人はいて、そういう相手を受け入れて恋愛をしてきています。でもそれはその場しのぎだったりして、男性に対して素直に心を見せているわけではありませんでした。
しかし、たまたま引っ越した先のアパートの隣の住人である京志郎と出会ったことで、志乃の心には火がつき、運命も回りはじめるという恋愛ストーリーです。

作者のジョージ朝倉は登場人物のリアルな感情や、その場の空気の動きを描くことが秀逸な漫画家ですが、この作品でもその特徴がよく出ています。特に、都会で生きる若者にとっては痛いほど共感できる部分があるでしょう。登場人物はみんな完璧ではなく、自分の身の回りにも思い当たるようなキャラクターで、そのダメな部分も含めて愛せる漫画です。
また、主人公の志乃がファッション関係の仕事を目指していただけあって、髪型や服装がおしゃれなところも楽しめます。