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tm19690のレビュー・評価・感想

エジソンズ・ゲーム
8

エジソン、嫌なやつ。

発明王エジソンが主役の作品です。カンバーバッチ主演で、彼がめっちゃいい味を出しています。直流か交流かで実業家と争いになって…という内容で、今普通に使ってる電気でこんな争いがあったなんてと驚き、おもしろかったです。エジソンはあんまりいい人じゃなかったとか聞いてたけど、まさかここまでとはとびっくりです。カンバーバッチが演じるエジソンがすごく面白いキャラでした。沸点低いと思いましたが、ああいうひとだからいろんな発明できたのかなとも思います。彼と対峙するウェスティングハウスはそれと正反対のタイプで、「こりゃ、相性悪いわ」と思いました。その2人の対決がとてもおもしろいです。いろんな発明品が出てきて、未来に変わっていく時代。その裏ではこんなことが行われていたんだなと驚きでした。どんな世界でも争いはあるもんなんですね。ちょっとゾッとします。カンバーバッチさんのニヤけた顔が印象的でした。ちょっと難しいなと感じるところもあるけど、知識欲も満たせておもしろくもあるから、ぜひ見てほしい作品です。電気椅子の話もあるので、悪趣味な話が好きな人も気にいると思います。私はそのシーンを見て、いやいやいや…ってなりました。

亀は意外と速く泳ぐ
8

時効警察っぽい

三木聡とふせえりと岩松了だなんて、それだけで私の好きな作品になるはずです。実際、2人が掛け合いしていると時効警察っぽくてニヤニヤしちゃいました。小ネタとかも多く、時効警察ぽい演出だなって感じでした。それってちょっと寒いと思う人もいるかもしれませんが、この監督さんの手にかかればなかなかシュールでおもしろいです。時効警察ファンの人はきっと気にいると思います。平凡な日々に飽き飽きしている主婦役の上野樹里さんもかわいかったですし、キャストには大満足です。話もスパイとか言って、ほんとは違うんでしょと思っていたけど、全然実はこれですみたいな展開にならなくて、そこがおもしろかったです。実際、なんだったのかよくわからなかったけど、スズメがスパイだと思うことで、いつもの平凡な日々も、スパイとバレないための隠蔽工作と思えて楽しめてるのを見て、人が人生を楽しめるか否かは心の問題なのかもなあと思いました。可もなく不可もなくのラーメン屋も、周りを騙すためにわざと普通のラーメンを作ってると思ったらおもしろいです。最後はよくわかんなかったのですが、スズメがスライドして活躍する世界も覗いて見たい気がします。シュールでゆるいので気楽に見れる映画でした。

鬼灯の冷徹 / 鬼徹 / Hozuki's Coolheadedness
10

ギャグ漫画としても教養漫画としても面白い作品

閻魔大王第一補佐官である鬼灯様が主人公、彼が死人に裁きを下す過程で日本の地獄や神話、歴史上の人物、文化、などがぎっしり描かれています。普通にギャグも入っていますが、それだけではありません。文化というものは、昔は大真面目に考えられていたはずなのに現代風にわかりやすく解釈すると冗談みたいになる面白さがあります。そこがこの漫画の1番の魅力だと感じます。普通に知識がついて勉強になるし、理不尽な目に遭っても「きっと死後に鬼灯様が裁いてくれる」と冷静になれるようになりました。
作者が動物好きなのか、動物が多く描かれています。動物たちが人間というかこの世界では鬼と普通にシュールな会話できているのも可愛いというかなんか不思議で面白いです。
漫画の作者は美大出身であることから、絵の描き込まれ方がすごいです。何度読み返しても新しい発見があるというか、飽きません。特に毎話の扉絵と単行本各巻の表紙が華やかで何分でも見ていられます。
アニメも2期あります。アニメ絵もキャラクターたちがかっこよく、可愛く描かれており、きっと原作絵が好きな方も好きだと思います。鬼灯様の声は超低音ボイス、イメージぴったりで原作ファンも文句ないはずです。
尺の都合や権利の関係で漫画であった小ネタが省かれていたりもするので、アニメから入った方はぜひ原作の方も読んで欲しいです。

War Thunder / ウォーサンダー / WT
10

陸海空、君はどの戦場を選ぶ?

このゲームはBIRDSofSTEEL(邦題:蒼の英雄 Birds of Steel)を世に送り出した、Gaijin entertainmentが2012年11月11日からフライトシミュレーターとしてリリースした無料オンラインゲームです。フライトシミュレーターと分類されているので、退屈なゲームのように感じられていますが、そんなことはありません。戦間期から近現代までの多種多様な軍用機を操って、他のプレイヤーと対戦することができます。フライトシミュレーターと分類されるだけはあり、飛行機が飛ぶ挙動や兵装を使用する際の挙動、弾丸の挙動など様々な事柄がシミュレーターであることを納得させます。そんなにリアルならば操作が難しそう、逆にゲーム性が高いならばシミュレーターとしては物足りないものになっているのではないかと考えた人も大丈夫。このゲームでは三種類の難易度が用意されています。簡単な順に、アーケードモード、リアリスティックモード、シミュレーターモードの三つです。アーケードモードではまるでエースコンバットのように軽快な動きを航空機にさせることができ、初心者でも十分に楽しむことができるでしょう。リアリスティックモードでは飛行機の挙動はシミュレーター寄りになり、飛行機に無茶な挙動を行わせようとすると空中分解したり、失速して錐もみ状態になったりするようになります。けれどもUIなどはアーケードモードと同様に存在しているのでリアルなゲームとして楽しむことができます。シミュレーションモードではとうとうUIが無くなります。プレイヤーは肉眼でゴマ粒のように見える航空機が味方機の機影なのか敵側の機影なのかを自分自身が目で見て判断しなければなりません。本物のパイロットの気分が味わえます。航空機に興味が無いというあなたも大丈夫。なんとこのゲーム、フライトシミュレーターだったはずなのに戦車や艦艇もプレイヤーが操作できるようになっておりその種類も豊富です。基本無料ですのでおすすめです。

ハドソン川の奇跡 / Sully
7

真実はどこにあるのか

あらすじ
2009年1月15日、1549便の飛行機がバードストライクによって両エンジン停止。空港に引き返すことは難しいと判断した機長はやむなくハドソン川に着水。乗組員・乗客、誰一人死者を出さなかった。そのため、この事故を「ハドソン川の奇跡」と称し、全米に知れ渡ることとなった事故のドキュメンタリー映画である。
機長は一夜にしてヒーローとして各種メディアが取り扱ったが、後日行われた事故調査委員会で予期せぬ報告を受けた。それは再度事故と同じ状況でシュミレートを行ったところ、近隣の空港に着陸できた、ということであった。あえて川に着水させたことで、155人の命を危険にさらしたのではないか?と働きかけられる。機長はヒーローなのか、否か。
レビュー
あまりに有名な事故が題材のため、見るまではあまり期待していなかった。しかし、あの事故にこんな側面があったのか、と驚かされる内容になっている。機長が自分の判断は間違っていなかったと断言できる人物だったら、ここまでの面白みはなかったが、一人の機長が担うには重すぎる責任を背負い、自信・葛藤・不安……さまざまな感情が描かれている。この作品を通じて、責任とは何かを考えるきっかけとなった。

風光る
8

漫画を教科書に

新撰組。歴史が好きな人にとってはとても人気があり、小説だけではなくテレビドラマ、漫画、アニメ、ゲームにもなっている題材の一つである。とはいえ、日本史の勉強をするとなると「なかなか詳細まで頭に入ってこない」とお悩みの方も多いのではないだろうか。
そんな方にお勧めしたいのが渡辺多恵子原作『風光る』だ。
ストーリーは診療所の娘、富永セイが反幕派の浪人に殺された父と兄の仇を討つため男装し神谷清三郎と名乗って新撰組の前身である壬生浪士組に入隊するという、少女漫画にありがちな至って普通のあらすじだ。
だが、その特徴は、歴史背景や当時使用していた道具など、詳細に時代考証がされていること、また、少女漫画らしからぬリアルな殺傷シーンの数々、そして、当時流行っていたとされる修道(男性同士の恋愛)や女性特有のお馬(生理現象)などを事細かに描いていることなのだ。
特に、毎日使用する歯ブラシや当時の公衆トイレなど、彼らが日常生活に使用するものまで調べ尽くされ時代考証がされているので、登場人物たちの息遣いがとても身近に感じられるだけではなく、漫画が教科書代わりになってしまうのである。
この作品だけではなく、時代考証がしっかりされている漫画は勉強の参考書に最適である。登場人物に感情移入し、そのストーリーを楽しみながら歴史の勉強をすれば、漫画を読んでいても親から怒られる心配は無くなるだろう。