inuyamanekotaro@inuyamanekotaro

inuyamanekotaro
inuyamanekotaro
@inuyamanekotaro
21 Articles
34 Reviews
0 Contributions
0 Likes
inuyamanekotaro

よろしくお願いします。

inuyamanekotaroのレビュー・評価・感想 (2/2)

世にも怪奇な物語
7

映画史に残る名監督&名優たちの共演!

エドガー・アラン・ポーの小説を大胆にアレンジした三話からなるオムニバスの名画。

第一話「黒馬の哭く館」監督ロジェ・ヴァディム。主演ジェーン・フォンダ。馬に乗るジェーン・フォンダの美しさに圧倒されます。こういった映像の美しさは50年たった今でも色褪せないです。その我儘な振る舞いにも気品があります。まさに女優としての才能を発揮しています。

第二話「影を殺した男」監督はルイ・マル。所謂ドッペルゲンガーを題材にした作品でアラン・ドロン演じる傍若無人な性格の男が自分と瓜二つの存在に恐れる顛末を描いた話。特に賭博場でブリジット・バルドーとのカードゲームの勝負が見せ所。その華やかな衣装やセットなども必見。

第三話「悪魔の首飾り」はフェデリコ・フェリー二。落ち目の俳優ダミット(テレンプ・スタンプ)にフェラーリを報酬に映画の出演依頼の話が来るのですが、半ば錯乱状態でそのフェラーリを乗り回す。そして、そのためかある少女の姿を目撃するのですが、その少女は現実の存在なのか幻覚なのかがわからなくなっていて、それは観ている我々にも同じようにみえてしうまう。この少女の目つきが完全にアブナイ。
尚、これは余談ですがミステリ作家綾辻行人氏の「奇面館の殺人」という小説で登場人物がこの映画を観るシーンがあり綾辻氏のホラー・フリークぶりが伺えられます。

ONE OK ROCK / ワンオク / ワンオクロック
10

いまや世界のバンド「ONE OK ROCK」

「ONE OK ROCK」とは、ボーカルTaka、ギターToru、ベースRyota、ドラムTomoyaの四人で構成されたバンドです。彼らの歴史は「keep it real]
から始まりました。この曲は若者の主張を鋭く歌い上げたもので、初めて聞いたとき鳥肌がたったのを覚えています。彼らの最初のほうのアルバムはこういった尖った曲が多いです。だんだんと人気が出てくるとともに、海外へ向けた曲が増え、そして海外でも多くのライブを行い認められるようになってきています。特に人気のある曲は、「完全感覚Dreamer」、「Wherever you are」、「The beginning」です。この人気の要因は、ボーカルTakaの天才さが大きく関係しています。男性にしては高い声、そして長いロングトーンをこなす驚異の肺活量。歌唱力で右に出るものはいないと思わせます。CMで「ONE OK ROCK」の曲が使用されてからというものの、彼らに惚れた多くの人が新たにファンになり、そしてライブのチケットはいまやほとんどとれない超人気バンドとなってしいました。彼らの成長はいつまで続くのだろうか。ぜひいろいろな曲を聴いて「ONE OK ROCK」の魅力を感じてほしいとおもいます。

MURCIÉLAGO -ムルシエラゴ-
8

殺しの美しさ

この漫画では殺人鬼が殺人鬼をやっつけるのですが、その発想がすごい!
殺人鬼ってただやみくもに人を殺していくイメージがありましたが、主人公の殺しの能力が凄すぎて思わず見入ってしまいます。

主人公は女性ですが、背がとても高くてかっこいいです。ジャンルが殺しだけでなく、百合の要素も入っているので、ただ単に殺し合いを見るのではなく、百合の萌えをも体感することが出来るところが私の好きなところです。
ストーリーもハマったら抜け出せなくなるくらい面白いです。
また、主人公の周りにいるキャラたちもとても魅力的な殺し方をします。特に外見は子供だけども人殺しの才能は格別なウサギの人形を持った女の子がいるのですが、普段と殺しているときのギャップが凄くて、そのキャラにどんどん引き込まれていきます。私自身その女の子のキャラが一番好きですし、人気もあります。
大体殺し合いの漫画は、主人公が男性で、女性はか弱いとまでにはいかないけれど、男性よりは弱く描かれています。しかし、この漫画では大体の女性が男性よりもめちゃくちゃ強いので今までのイメージがぶち壊されました。それは私にとって画期的な出来事でした。なので普通の殺し合いをテーマに漫画に飽きた人はおすすめです。

バクマン。 / Bakuman.
7

漫画家シンデレラストーリー

『バクマン。』という漫画家を目指すというストーリーの漫画がある、ということを周囲からフワッと聞いていたものの、読まずにいたところアニメ化されていたので、一気に見ました。始まりが同級生で隣の席のマドンナ的女の子と両想いというアルアルスタート。そして、女の子は声優に、主人公は漫画家になりたい。お互いの夢が叶ったら結婚。というなんとも分かりやすい流れ。この時点で少し鑑賞意欲が減退したものの「漫画家」という世界については無知なので興味があり見続けることに。すると、見るほどに引き込まれてしまい結局3期まで一気に見ました。恐らくジャンプを意識したジャックという漫画での連載を通して描かれているのですが、漫画家さん同士の繋がりや漫画家さんと担当編集者さんの繋がりなど、初めて知ることが多くとても楽しめました。特に、担当編集者さんが作家さんと一緒になって連載漫画の展開を考えるシーンには、締め切りに作品を回収するだけだと思っていたので驚きました。また、同じく学生で連載デビューしたライバルがいるという部分でとても少年漫画らしいなと感じました。戦闘シーンこそないものの、ライバル作家さんとのせめぎ合いはカナリ見応えがあります。絵に描いたようなハッピーエンドでまさにキラキラシンデレラストーリーだなと思いましたが、ストーリー展開が飽きさせない構成なのでおススメしたい作品です。

妖精帝國 / Das Feenreich
10

高い音楽性とファッション性

妖精帝國は、妖精帝國という妖精の棲む国の第三軍楽隊で、ボーカルのゆい様は現在終身独裁官という役職であり、皇女ということで人間界に降りて妖精を信じる心を忘れさせないためのプロモーション活動を精力的に行なっています。ヘヴィメタルをベースとした上で物語要素を強く持った高い音楽性と、ゴシックロリィタを基調とした高いファッション性が人気のバンドです。ライブのことを公式式典と言い、ファンのことを臣民と呼びます。活動当初はボーカルと演奏の2人組同人ユニットでしたが、ベース・ドラム・ギターを新たに迎え入れ(ドラムはメンバー交代、ギターはのちに脱退)バンド形態になり、現在はゴシックメタルバンドとして活動しています。音楽レーベルと契約を結んでからはパソコンゲームのオープニングや深夜アニメのタイアップなどで徐々に知名度を上げ、最近ではロリィタブランドとコラボレーションしたスカートや日傘などを発表したことで元々は男性ファン(臣民)に押され気味であった女性ファン(臣民)の獲得にも成功して着実にファン(臣民)を増やしプロモーション活動もさらに勢いを増してきています。活動歴は長いですが音楽のテーマが一貫しているので「この曲は好みだけれどこの曲は好みじゃない」となることがあまりなく、1曲聴いて好きだと思ったらどの曲も期待を裏切らないと思います。

ラブライブ! / Love Live!
9

みんなで叶える物語

主人公の高坂穂乃果が通う音ノ木坂学院は廃校のピンチを抱えていました。
そこで穂乃果は大好きな音ノ木坂学院の廃校を防ぐべく、スクールアイドルとしての活動を決めました。
幼馴染でもある音ノ木坂学院二年生の園田海未、南ことりと一緒にスクールアイドル『μ’s(ミューズ)』を結成します。
そこにピアノと歌が上手な一年生の西木野真姫がμ’sの楽曲を提供し、講堂での初ライブを行うことになります。同じく一年の小泉花陽は引っ込み思案なタイプだが、アイドルが大好きでμ’sの活動開始を聞き、自分もスクールアイドルになりたいと思い始めます。花陽の友達の一年、星空凛も活発な性格からスクールアイドルに憧れる花陽を応援し背中を押します。
μ’sの初ライブは観客が0人という絶望的な中、海未とことりに穂乃果は「やろう!歌おう、全力で!」とライブを行いました。
そこには後にμ’sとして活動していく仲間たちが同じ場所に集まっていました。
独自で学校を救おうと奮闘し、スクールアイドルの活動を反対していた三年生の生徒会会長の絢瀬絵里。μ’sを陰から支え、『μ’s』の名付け親でもある生徒会副会長の東條希。
スクールアイドルを志していたがその志が高すぎた為にメンバー全員が脱退し、孤立してしまったアイドル研究部部長の矢澤にこ。
その9人がμ’sとして団結した結果、人気を集め入学希望者を増やしていき、廃校を回避するまでの存在となりました。

その後廃校を免れた音ノ木坂学院でμ’sの次の目標を考えていたメンバーたち。
その矢先、花陽の携帯に一つの情報が来ます。それはスクールアイドルたちの頂点を決めるという『ラブライブ』が開催されるということでした。
彼女たちはそのラブライブでの一番を目指すべく、学校や家族や周りの人たちに支えられながら一緒に成長していくのでした。
そこでμ’sのキャッチコピーを『みんなで叶える物語』として、ラブライブに挑むのでした。

そんな彼女たちの活動はただ歌うだけ・踊るだけではなく、最高の感動を与えてくれるものなのだと実感しました。
それぞれのメンバーの悩みや葛藤、想いには涙無しには語れません。
そんな彼女たち、μ’sをいつまでも応援したいと思えるストーリーになっています。

オーロラの彼方へ
10

思わぬ展開で目が離せない

おおまかなストーリーは、異常気象の影響で、30年前に亡くなった父親と息子がアマチュア無線機で繋がる話です。
とってもファンタジーな話だと想像すると思いますが、とんでもない。
この映画の面白い所は、ファンタジーに見せかけて、じつはサスペンス要素もあり、かなりドキドキします。

主人公のジョンが、30年前に倉庫火災で殉職した消防士の父と、無線で話が出来るようになります。倉庫火災で父が死ぬ事が分かっているから、それを止めようと過去の父を説得します。説得の甲斐あって、父は助かります。ただ、父が助かった事によって、現在のジョンの世界が少しずつ変わってきます。死ぬはずだった父は生きていて、その代わりに、今度は母が死んでいます。父が助かった事で、タイムパラドックスが起こってしまたのです。ここからが、ハラハラドキドキの展開になります。
母親が死んだ理由、それを回避するためにジョンと過去の父親とのやりとりが始まります。ただのファンタジー物だと思って見始めた人には、この展開は本当に驚かされると思います。この後、母は助かるのか、父はどうなるのか、ジョンの未来は明るいのか。
ファンタジーとちょっぴりサスペンスを味わいたい人にはお薦めです。

ギャング・オブ・ニューヨーク
9

壮大な物語、いつまでも余韻が残る作品

ココロにぐっとささる。やるせない。それが、私が「ギャング・オブ・ニューヨーク」から得た印象だ。アクションとラブシーン、ドラマがほどよくミックスされていることもその一因だと思う。一番多いアクションも、ただ残酷性を見せるためじゃないと感じたし、何が底に流れているんだろうと気になる、奥深さを感じさせる。

この映画には原作があり、1928年のハーバート・アズベリーの同名の歴史書から一部を再構成したもの。19世紀初頭から約100年のニューヨークのギャングたちのもようを綴った本だ。また映画公開予定時に、あの貿易センタービルのテロが起きたため公開を自粛、1年後に公開の運びとなったらしい。

物語の舞台は「ファイブ・ポインツ」という、アイルランドで飢饉に見舞われ、アメリカに移住してきた人々が詰め込まれる街。やくざや権力者の横暴が日常茶飯事の街で、身を守るため自分も悪いことをしなくてはいけない。主人公はそこで出会った権力者ウィリアム・カッティングのもとに身を寄せ、父親を殺された復讐を果たすために生きていくことになる。

どうにもならない世の中で「なにか大切なもの」を持ちながら生きること、が表現されていると思う。戦争や危険な抗争が日常的にある時代だろうと、治安が良くなった現代の先進国であろうと、虚しさや悲しみ、身に降りかかることに押しつぶされながら生きることに変わりはない。息もつかずに見終わって、少し厳粛な気持ちと共に心が温まった気がした。愛する者、理屈では測れない復讐、そういった大切なものを主人公が捨てずに生きているからだと思う。

また随所に、底辺で生きる者のドラマや、厳粛さを感じる場面がちりばめられている。女スリのジェニーがファイブ・ポインツを牛耳るカッティングに育てられただけでなく、子供もはらまされたことがあったり。徴兵暴動勃発時に命を落とした人々の遺体1つ1つに弔いの蝋燭を立てている場面。悲しい歴史に対する思いを感じさせる。

歴史という複雑なものを扱いながらも、くどくどせずテンポがいい。復讐を胸に生きる主人公の力強さ、恋愛模様、歴史の負の側面。それらを一大叙事詩にまとめあげているところが秀逸だと思った。孤独感を抱えている人、虚しさをどこかに抱えている人などなど…この映画を見てヴィヴィッドに感動するんじゃないかと思う。