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9ysilvercat509のレビュー・評価・感想

魔法少女まどか☆マギカ / まどマギ / Puella Magi Madoka Magica
10

主題歌のほんとうの意味を知るとき

「交わした約束忘れないよ 目を閉じ確かめる 押し寄せた闇振り払って進むよ」
これは『魔法少女まどか☆マギカ』の主題歌、「コネクト」の歌い出しです。我々視聴者はこの歌詞と共にまどかたちの出会い・別れ・苦悩・葛藤を見届けていくわけですが、この歌の「ほんとうの意味」がわかるのは、本作の10話の本編が終わり、エンディング曲としてコネクトが流れ始めた瞬間でしょう。今まで、てっきりまどかの歌だと思っていたこの曲の意味は反転し、謎多き魔法少女ほむらがこれまで幾度となく戦ってきたその積み重ねや傷や挫折、それでもなお諦めずにたった一人の友人を救おうと足掻き走り続けるその様をありありと描いていた、ほむらのための主題歌だったと気が付いた瞬間に全身に鳥肌が立ちました。

時間を操ることができるほむらは、まどかとの約束を果たすためだけに、何度も何度も同じ時間を繰り返し、そのたびに失敗し、まどかを失い傷つきます。それでも一度も絶望することなく、ひとりきりで戦い続けるほむらの姿を映すように、コネクトの歌詞は「もう何があっても挫けない」と締められ、10話のエンディングはきっとほむらも望んでいたであろう、まどか、ほむら、さやか、マミ、杏子の5人が同じ場所に立って魔法少女を続けている姿で終わります。あるべき明日を取り戻すために。ただひたすらに、友人を救うために。「コネクト」は、そんな願いを叶えるため、ひとりきりで戦い続けるほむらの決意の歌だったのです。
アニメ1話の段階ではこんな展開を微塵も感じさせないくらいに完璧な「魔法少女モノ」のオープニングテーマとして擬態していた「コネクト」。この歌のほんとうの意味を知るためにもこの作品を見続けるべきと言えるくらい、まさに「主題歌」として相応しすぎるこの曲から得られるカタルシスを10話でぜひ感じてほしいです。

ブラックホーク・ダウン / Black Hawk Down
7

戦場のリアリティに現実を知る

『グラディエーター』や『ハンニバル』で、美しくロマンのあるスペクタクルを見せたリドリー・スコット監督。その世界観に魅せられ、期待していた人々にとって、『ブラックホーク・ダウン』は意表を突かれた作品となりました。
ブラックホークというのは米軍のヘリの名称で、文字通りにダウン=墜落させられてしまうことを表しています。簡単に片づく予定だった米軍による作戦は、現地のゲリラ兵の抗戦により、予想以上に長引き、ドロ沼化。序盤の隊員たちが軽口を叩いている気楽さから一転、戦闘の酷さを延々と見せられることになるのです。そこには、美しい景色をバックにした冒険も、ロマンのあるストーリーもなく、リドリー・スコット監督の作品を知る人は戸惑うことに。映画の中の米軍隊員達がこんなはずじゃなかったと思うのと同様に、観客も衝撃を受ける映像となっています。
そして、カメラの目線はあくまでも客観的であり、戦争映画にありがちな、兵士の栄光や、正義、戦う男達の勇ましさというようなものは表現されていません。そのため、多くの犠牲と損失を出した戦闘がただ非常にリアルに描かれるだけにとどまり、虚しさに放り出されたような感覚を受けました。実際に、戦争から帰還した軍人は虚無感を抱えていることが多いと聞きます。この映画が与える虚しさは、戦争というものの現実なのではないでしょうか。
観客を楽しませ、希望を与えることだけが映画の役割ではない。あるがままを見て、考えさせられることも必要なのだと、そういうことを知った作品です。

新感染 ファイナル・エクスプレス / Train to Busan
9

韓国映画の精密さにビックリ

コ・ユン主演のウイルス感染もの映画。
以前から韓国のドラマが素晴らしいものがあると思っていましたが、映画もとても素晴らしいです。心理的に揺さぶられる描写は韓国の国民性と言いますか、そういった所も表れている気がしました。
噛まれると感染してしまうという設定は他にも多くの映画がありますが、バイオ研究者が研究に失敗し、ウイルスを撒き散らすというのが主流のストーリー。
本作品もその設定でありきたりではありましたが、列車を使って安全地帯へどう逃げ込めるかというのが主な目的になっています。その過程で愛するものを守るため犠牲になる父親や、はたまた自分の命だけが大切な身勝手な男性がいたりと様々な人間関係に一喜一憂させられました。このあたりは土地の規模がハリウッドに比べて小さい韓国ですが、それを上手に使って恐怖を表現していたのだと思います。
次々襲ってくる感染者にハラハラドキドキして手に汗握り、息をのむシーンばかりでした。正直言って映画はハリウッドと思っていただけに、思わぬ楽しさを味わえたと言うか新しい発見が出来たと言ったところです。
これを機に韓国の映画にドハマリしそうな予感です。とても面白かったです。
ストーリーや展開はありきたりではありましたが、それを感じさせないくらいの迫力でした。