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4ytokumeisanのレビュー・評価・感想

シン・ゴジラ / Shin Godzilla
8

日本発新生ゴジラ映画

日米に渡って数多く作られるゴジラ映画ですが、久々に作られた日本版はエヴァンゲリオンの庵野秀明監督が指揮を取った作品です。怪獣同士の対決は多く作られており、宇宙怪獣などが敵となって戦うというものが多いのですが、この映画は原点回帰の意味合いが強く、ゴジラはあくまで人間の敵として出現します。東京湾内から原因不明の災害として最初は現れるのですが、対策をする政府の人達が事の重大さをわかっておらず、右往左往するところが面白いです。例えば海底火山ではないかと思われたり、どこかの国の潜水艦ではないかと思われたりするのですが、全然予想とは違って、巨大生物が東京に上陸するまで政府は混乱します。また現用兵器のほとんどは歯が立たず、爆撃機などが近づくとゴジラが背中から光線を出して迎撃されてしまうので、手の打ちようがありません。そこでゴジラを退治する方法として体内に流れている血液を薬品で固めようというアイデアが採用されます。
超兵器が出てきたりや巨大ロボットが出て来てやっつけることはないのですが、薬品を使って退治しようとするところが日本人らしくて面白いです。
見どころは東京駅に現れたゴジラを横倒しにするために、電車に爆薬を詰めて何両もゴジラの足元にぶつけたり、周辺の高層ビルを爆破させて崩れ倒そうとするところで、とても見応えがあります。

ゾディアック
8

長いけどおもしろい

長い映画でした。ゾディアック事件に振り回された3人の男の話ですし、ゾディアック事件は解決してないので、そりゃあ長くなるでしょうが、それにしても長かったです。この映画は時間のある時にしか難しいなあという感じです。でも、事件というものが被害者、遺族だけでなく、他の人々の人生も壊すんだなというのがわかって面白かったです。花形記者はゾディアックに脅されたりその事件を追いすぎて壊れていくし、刑事は大きな事件なのに間が空いたりゾディアックが勝手に事件をでっち上げてると思われているのか最後には1人で捜査させられるし、漫画家はやっと再婚したのに事件を解決しないとと取り憑かれて離婚しちゃうし、ほんと人生が狂わされています。事件自体も、女を執拗に撃ったり刺したり猟奇的です。そんなに表現が怖いわけではないのですが、それでも全体的に不気味な雰囲気が流れていて、なんとなく怖いなという感じです。犯人探しの面は犯人だか模倣犯だかわからない人がテレビに出てきたり、犯人と思われた人の筆跡鑑定が違ったり、へんな男が接触してきたりとなかなか進みません。でも、もともと解決していないし、犯人見つけの映画ではなあと思います。一応の解決はしますがそれで私は納得です。細かいところも作り込まれている作品なので、また時間がある時にじっくり見たいです。

超力戦隊オーレンジャー
1

原点回帰というよりテーマの後退

本作は90年代のみならず歴代戦隊の中でもワーストの筆頭に必ずと言って良い程挙がる駄作です。原因は色々ありますが、一番はもう既に国家戦争がなくなって内紛やテロリズムがあちこち台頭していた90年代に古臭い国家戦争の縮図を持ち込んでしまったことではないでしょうか。前作「カクレンジャー」に比べるとオーレンジャーの五人は確かに往年の「ゴレンジャー」「サンバルカン」「チェンジマン」などを思わせるような健全で精悍な若者です。しかし、人間性というか内面的な部分が見えず、終始キャラクターが定まらずブレていたように見えます。
また、序盤は世界中の都市がほぼ陥落して残るは日本の東京のみというシリアスでハードな立ち上がりだったにもかかわらず、1クールも経たない内にあっさり平和な生活を送る描写があったり、また地元の夏祭りに非番で行ったりするなど軍人戦隊として有り得ない描写が目立ちます。また「心を持たない」マシン帝国バラノイアが何故か途中から愛情に芽生えたり、しかもその結果赤ん坊の命乞いを行うなど支離滅裂で、世界征服を初めて果たした敵組織という衝撃の展開が終盤にあるにもかかわらず、全然説得力がないのもこうしたキャラや設定を初めとした作風の統一性の不徹底さにあると思われます。
そしてもっと言えば、軍人戦隊であったとしてもかの『鳥人戦隊ジェットマン』という革命作を経た後ではハードルがすっかり上がっており、戦士が戦士たる所以、ヒーローがヒーローたる所以を人間ドラマの側面から掘り下げていかなければヒーロードラマが成立しないという空気が醸成されていたわけであり、結果としてシリーズ全体が良くも悪くも再考を迫る必要性を現実として突きつけられた反面教師、というのが本作に対する評価です。

進撃の巨人 / Attack on Titan
9

前に進む勇気を与えてくれる作品です。

はじめに、この作品にはグロテスクなシーンや暴力的な要素が含まれています。 苦手な方にはおすすめ出来ません。

何か新しいことを始めたい、でも何かを失うのが怖くて一歩を踏み出すことが出来ない。 進撃の巨人はそんな読者の背中を押してくれる作品です。 最低最悪の世界で、物語の中心を担う登場人物たちは、大切なものを失いながらも自由を求めて一歩一歩前に進んでいきます。 彼らの言う「進め、進めええ!!」という言葉は、アニメや漫画といった平面の世界を飛び越えて、私たちにチャレンジする気持ちを与えてくれるのです。

また、この世界には大きな謎がひとつテーマとして設定されており、登場人物達と読者は作品中でそれに翻弄され、疑心暗鬼になります。 謎が明かされていく過程や以外な真実を目の当たりにしたとき、私たちは驚き・憤り・またさらなる疑問を植え付けられます。 謎解きやサスペンスが好きな方にも心よりおすすめしたい作品です。 「この、裏切りもんがああああ!!」この台詞を見て心躍る方にぴったりな作品でもあります。

この作品は、ただグロテスクで背徳的で暴力的なスリルを味合わせたいとった趣旨の作品とは、全くもって別物です。 尻切れトンボで終わってしまう、ファーストインパクトだけ、そんな作品に出合ってきた方はきっと多いと思います。 進撃の巨人は違うのです。 物語に多分に含まれた伏線とその回収していく力から察するに、作者の諫山先生には先見の明があります。 先生は広げた風呂敷をきちんとたたんでくれると、私は確信しています。

進撃の巨人は、必ず読者を満足させる作品です。 グロテスクな描写に抵抗が無い方・人生に何か不満がある方・ミステリーが好きな方、そんな方々に、強くこの作品をおすすめします。

貞子
3

貞子の無駄遣い

リングの現代版と銘打ってますが、リングとは全く別物でした。まず、リングは、呪いのビデオを見た人に呪いが感染するというものでしたが、今回は呪いの感染という要素がありませんでした。リングの怖いところは、この感染力というか、ただ映像を見ただけなのに呪われるという、自分も呪いにかかってしまいそうな手軽な感染ルートと、自分が助かるために人に移す非情さだったのに、その根本がないなんて、もはや貞子ではないと思いました。虐待を受けていた少女に、貞子が共鳴するという話なのかもしれませんが、どこかに、呪い感染の要素を入れて欲しかったなと思います。ユーチューバーはなんか映像を撮ってて死んだのでそこらにオマージュがあったのかもしれませんが、ただ貞子が召喚されているところもありました。それに、ホラーとしては致命的なのですが、怖くありませんでした。ちよっと驚くところはありましたが、それは音で怖がられせているだけでした。この映画だけではありませんが、やはりホラーものは演技力が必要なのに、このごろの邦画ホラーは主人公を若く人気の女優だかアイドルだかにしているせいか、総じて演技がひどいと思います。もっと年取った人というか、子持ち主婦とかでいいから、演技力のある人をつかってほしいです。