サトコとナダ(漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『サトコとナダ』とは、ユペチカによる異文化コミュニケーションの4コマ漫画である。アメリカの大学に通う日本人留学生のサトコと、サウジアラビアからの留学生のナダが、ルームシェアをして友情を育んでいく物語である。日本人のサトコの目を通して、イスラムのしきたりや文化をわかりやすく解説し、日本との違いや共通点もわかる作品である。Twitterアカウント『ツイ4』と、星海社ウェブサイト『最前線』に2017年1月から2018年11月まで掲載されていた。

ムスリム/ムスリマ

イスラム教徒の男性をムスリム、女性をムスリマと呼ぶ。イスラム教徒はアッラーを唯一にして絶対なる神とし、イスラムの聖典であるコーランを、アッラーからの啓示に基づく書物としている。

結婚

親が決めた相手と結婚することを窮屈だと思っていないナダ

イスラム教徒はイスラム教徒同士で結婚するのが習わしである。親が決めた相手と結婚することが多く、親同士で仲が良く、金銭感覚も家の雰囲気も同じ相手を父親や男兄弟が見繕う。

アザーン

日本の夕方に流れる放送の意味

サウジアラビアではお祈りの時間になると「アザーン」という音楽が流れる。この音楽を聞いて、みんなで集まったりしてお祈りをする。
日本も夕方になると小学校や町内放送で「夕焼け小焼け」やその他の音楽が流れることが多い。ナダに「それってどんな意味?」と聞かれたサトコは、少し考えて「強いて言えば…「帰れ」かな…」と答えた。日本の場合は、緊急放送が正しく流れるかの確認も兼ねているところも多い。

ハラールマーク

イスラム教徒の人が安心して口にできる商品の印として「ハラールマーク」がある。イスラム教徒はアルコールを口にしてはいけないため、アルコール無添加のものを選ぶ必要がある。酢は製造過程、醤油は保存料、みりんはそのものにアルコールが含まれているため、注意が必要である。最近ではアルコールを使わずに作られた醤油も多くなっているため、ナダも安心して刺し身が食べられると喜んでいた。

一夫多妻制

日本のイメージとは違い厳格なルールがある一夫多妻制

ナダの家族は母が二人、父が一人の一夫多妻の家族だった。
日本人は一夫多妻と聞くと、男性が女性をはべらせている絵を思い浮かべる。しかし実際、サウジアラビアの一夫多妻制には「持てる妻は4人まで」「全員を平等に扱うことが絶対条件」などの厳しいルールがある。甲斐性がないとたくさんの家族の面倒を見ることが出来ないのだ。一夫多妻制ははるか昔、戦争で夫を亡くした妻や家族たちを助けるために生まれた制度だと言われている。男の欲による一夫多妻は一切認められていない。

シャウファ

シャウファの時、サトコがナダにつけた髪飾りが飛んでしまったが、アブダーラが見事キャッチした

結婚することになった二人が家族同伴のもとで顔を合わせて話すこと。シャウファは「見る」という意味である。
親同士が決めた婚約者を面会させる儀式とし、ここで初めて花嫁の顔を見ることができる。
シャウファで意気投合すると、電話やデート(男性の親族が同伴)を重ねて絆を深めつつ、親族同士が本格的な結婚に関しての相談を進める手筈となる。

服装

女性の被り物

コーランによれば、ムスリマ(イスラム教徒の女性)は顔と手以外は隠さなければならないとしている。ムスリマの服装には種類があり、「ニカブ」「ヒジャブ」「チャドル」「ブルカ」などがある。ナダはよく目だけが見えているニカブや、顔が出ているヒジャブを着用している。アフガニスタン出身のナダの友達、パキザは主にブルカを着用している。

男性の被り物

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