漫画『シマウマ』 謎の回収屋を描くストーリー

『シマウマ』の概要

『シマウマ』とは、小幡文生による漫画作品。依頼者の恨み・憎しみを肩代わりして、相手をとことん痛めつける回収屋として生きる元半グレの「ドラ」こと倉神竜夫（くらかみたつお）の生き様を描いたピカレスクロマンである。人間の闇を描いたダークな世界観や過激なバイオレンス描写が人気となった。2016年には竜星涼が主演を、加藤雅也や須賀健太、日南響子が脇を固め、実写映画化された。
ここでは「謎の回収屋」を描いた本作品の魅力を紹介していく。

『シマウマ』のあらすじ・ストーリー

結婚相談所の男性客相手に美人局をしていた、「ドラ」こと倉神竜夫（くらかみたつお）の半グレグループ。ある日、ヤクザの組員相手に美人局を仕掛けてしまい、回収屋を名乗る連中から拷問を受けて、半死半生な目に遭う。ドラの脊髄にナイフが突き立てられそうになったその時、回収屋のリーダー「アカ」が、ドラの元クラスメイトだと判明する。アカはドラに対して命を助ける代わりに、自分たちへ回収の依頼をしたヤクザを殺すよう命じた。ヤクザは死に、「シマウマ」という男が率いる回収屋のメンバーとなったドラは、闇の世界にどっぷりと浸かっていく。

『シマウマ』の登場人物・キャラクター

ドラ／倉神竜夫（くらかみたつお）

本作の主人公。回収屋の前は、結婚詐欺まがいのことをして金を稼いでいた元半グレのリーダー。ある時、ヤクザをボコボコにしてしまい、回収屋の回収対象となる。そこで幼なじみの回収屋・アカとの出会いがきっかけとなり、ドラも回収屋として生きていく。仲間か仲間じゃない人間かの線引きが、しっかりしている。仲間ならどんな状況であっても助けようとするが、それ以外の人間に対しては、拷問にかけたり女を寝とったりと非道なことを平然と行う。ドラの母親は彼の子供時代に自殺したようで、事あるごとにそのことがフラッシュバックする。

アカ

ドラを回収屋の道に引き入れた人物。初対面の時、相手が幼なじみのドラだと気付かず、いきなり拷問にかけようとした。しかし、ドラであると気づいてからは回収屋に勧誘したり、一緒に仕事をしようとしたりと、仲の良さが感じられる。シマウマのことを親のように慕っており、彼にどこまでも付いていくと考えている。しかし、シマウマがドラのことを特に気にかけていることだけは、面白く思っていない。そのことを訴えて、シマウマに突き放されてしまい、自暴自棄になって回収屋を一時離れるなど、精神的に不安定な面もある。その間にドラの母親や過去の高城の情報も調べたようだ。

シマウマ

回収屋のボス。チンピラであったドラを回収屋に入れた理由は、過去に関係があるよう。事あるごとにドラを成長させようとする言動を見せる。回収屋の仕事を「害虫の仕事」と表現するものの、意外と回収屋であることにプライドを持っている。ドラが同情して客を助けようとした場合はボコボコにしたりする。他にも失敗した人間には容赦せず、失敗したアカに対しては歯を砕けるほど、ボコボコにしていた。

回収の仕事

芸能事務所のマネージャーの回収

芸能事務所に所属している人気アイドル・桜田キョウヤ（さくらだきょうや）が、別事務所のライバルの逆恨みに合い、顔に一生残る傷を負わされた。アイドル生命を絶たれてしまったキョウヤと同じ思いをさせてやってほしいと頼むマネージャー。その仕事を受けたドラは、なんとそのライバルのアイドルの顔と全身に、いきなり刺青を彫ってしまう。これによりライバルもアイドル生命を絶たれて、回収は完了した。

自分を裏切った仲間を回収

回収屋としての仕事を続けるドラの前に、彼の仲間だった女、彩（あや）が現れた。そしてシマウマは、次の回収対象が彩であることを告げる。彩の仲間の男の全身を切り刻み、鼻に異物をぶっ刺すが、男は何も喋らない。ドラはさらに拷問を続け、彩の居場所を吐かせると、彼女の元へ向かう。彩を発見し、あと一歩というところまでいくものの、過去の思い出がフラッシュバックし、逃げられてしまう。アカはドラに対し、回収するのはドラの役目だと言うが、ドラはそれを拒否する。シマウマに全てを話し、「今回の回収はしない」と言おうとするが、シマウマはドラを殴って一発で気絶させた。気が付いたドラが目にしたのは、大量の歯と、彩の手術後の顔だという写真だった。

まとめ

その人の復讐を満たす事をして、金を手にするのが回収屋である。ドラは回収屋として働くことになり、様々な残酷なことに手を染めるようになる。シマウマの目的とは一体何なのか、ドラ達の今後が楽しみである。