気になってる人が男じゃなかった(漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『気になってる人が男じゃなかった』とは、2023年にKADOKAWAから出版された新井すみこの漫画である。高校2年生の大沢綾はスクールカースト上位のキラキラ女子高生。男女ともに人気の彼女はマイナーな洋楽が好きだったが、友人とは趣味が合わず孤独感を抱いていた。そんな中、町のCDショップを訪れた綾は店員の「おにーさん」に一目惚れする。しかし「おにーさん」の正体は、同じクラスで隣の席に座る古賀美月だった。

綾の友人で、髪の毛は明るいボブスタイル。入学してすぐに綾と仲良くなった。綾と美月が急接近したことを不満に感じ、嫉妬心から綾たちを避けるようになる。

『気になってる人が男じゃなかった』の用語

NIRVANA(ニルヴァーナ)

綾と美月が関わるきっかけとなったバンドの名前。綾がよく授業中に聴いており、美月はその音漏れに聞き覚えがあって気になっていた。

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Foo Fighters(フー・ファイターズ)

「おにーさん」が綾に初めておすすめしたバンド。綾は学校で嬉しそうに聴いていたが、まおとちづるに「知らない」「普通は聴かない」と言われてしまい落ち込む。

Red Hot Chili Peppers(レッド・ホット・チリ・ペッパーズ/レッチリ)

美月が抽選でライブチケットを当て、綾と2人で行く約束をしたバンド。綾は初めてのライブとして楽しみにしていたが、美月が綾の友人に譲渡してしまった。

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『気になってる人が男じゃなかった』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

叔父さん「これまで通りの付き合いができなくなったら、やりかた変えりゃいいのよ」

綾に「おにーさん」の正体がばれてぎこちなくなり、美月は好きだった音楽を楽しめなくなっていた。心配した叔父が何かあったのかと聞くと、美月は自分には音楽しかないのに「(音楽が)なくなったら怖い」とこぼす。それを聞いた叔父は美月をギターショップに連れていき、新品のギターを買い与え「これまで通りの付き合いができなくなったら、やりかた変えりゃいいのよ」とアドバイスした。た。それまで叔父のおさがりしか持っていなかった美月だが、文化祭では自分のギターでパフォーマンスを披露した。

成田「何か感じてる今のほうが古賀さんらしいんじゃない?」

一方的に距離を置く綾が自分の正体に気づいたと知り、綾とのかかわり方に悩む美月。2人はクラスメイトの成田とともに文化祭実行委員になっていたが、綾は教室で友人たちに「委員会とかやめよっかな」と愚痴をこぼす。隣の席でそれを聞いた美月は思わず教室を飛び出した。それまで教室の隅でひそかに過ごしていた美月は、綾と出会ったことで変わりつつあった。しかし人とかかわることで生じる摩擦に「何も感じたくない」「元に戻りたい」と涙を見せる。そこへ成田が駆け付け、「何か感じてる今のほうが古賀さんらしいんじゃない?」と声をかけた。綾と美月が委員会を辞めると1人になってしまうという理由もあったが、成田はかねてから綾と美月が学校でも仲よくすればいいと思っていた。

『気になってる人が男じゃなかった』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

美月がモブキャラに徹するワケは小学生時代の苦い思い出

第1巻の終わりには、美月の小学生時代のエピソードが描かれている。小学生ですでに洋楽好きだった美月は、すでに周囲と自分の「好き」がずれていることに気がついていた。それでも違いを尊重できる友人・さきこもいたが、ある日クラスで目立つ山下という女の子から「おそろいでスカートにしない?」と強制的に誘われる。いつも一緒にいる友人から「明日だけはスカートで来て」と懇願されたが、美月は自分の「好き」を曲げられず、翌日もいつも通りズボンで登校した。教室に入った美月に向けられたのは冷ややかな視線だった。数日後、美月はさきこが水道でスカートを洗っているのを見つける。山下が美月の悪口を言っていたので言い返したら、スカートを墨汁まみれにされたという。ちさこは美月に「なんであの時ぐらいスカートで来られなかったの?」と涙ながらに訴えた。周囲と違うと嫌がられると思い知った美月。それ以降は綾と出会うまで誰ともつるまず、ひっそりと生きてきたのである。

公式プレイリストを各種音楽配信サービスで公開

単行本発売を記念して、作中で綾と美月が聴いているプレイリストを公開した。プレイリストには本編で言及されている「NIRVANA」や「Foo Fighters」などのバンドの楽曲38曲が収録され、ファンからは「聴きながら読むと没入感に浸れる」と喜びのコメントが寄せらた。プレイリストはApple MusicやSportifyで聴くことができる。

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