みなと商事コインランドリー(漫画・ドラマ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『みなと商事コインランドリー』とは2019年より缶爪さわがKADOKAWA『ジーンピクシブ』にて連載している、椿ゆずの小説『Wash my heart!』を原作としているBLマンガ及び実写ドラマである。古びたコインランドリーの管理人・湊晃とクールなイケメン高校生・香月慎太郎の恋愛や交流を描いたゆるキュンBL作品であり、不器用ながらも晃に必死にアピールする慎太郎の可愛らしさが魅力であり、ゆるきゅんBLとして幅広い層の読者を獲得している。

『みなと商事コインランドリー』の概要

『みなと商事コインランドリー』とは2019年より缶爪さわがKADOKAWA『ジーンピクシブ』にて連載しているBL漫画。ジーンピクシブ主催「ゆるキュンBL(ボーイズライフ)マンガ原作コンテスト」にて優秀賞を受賞した、椿ゆずの小説『Wash my heart!』をコミカライズした作品である。
2022年にはテレビ東京にて連続テレビドラマ化も果たしており、その後もドラマCDや、原作者・椿ゆずによる新作ノベルを発表するなど幅広いメディアで展開されている。
また「WEBマンガ総選挙2020」第10位、「pixivコミックランキング2020」ゆるーいBL部門第1位・総合部門第3位を獲得するなど、大人気BLマンガ作品である。
祖父から継いだ古いコインランドリーの管理人として働いている湊晃(みなと あきら)。
彼はコインランドリーの利用客である高校生香月慎太郎(かつき しんたろう)と仲良くなる。慎太郎との仲良くなってからしばらくたったある日、晃はうっかり慎太郎が好みのタイプであると声に出してしまうのである。その出来事から2週間後、久しぶりに晃の前に現れた慎太郎から「友達になってください」と告白を受ける。この日を境に店主と客という二人の関係は大きく進み始めた。
まっすぐ恋愛感情を伝えてくる慎太郎に対して、本当は好きだけど高校生とアラサー男性の年の差を考えて踏みとどまってしまう晃の恋愛模様が大きな魅力である。さらに晃のかつての片思い相手である、高校のころの恩師・佐久間孝之(さくま たかゆき)が登場し、晃の感情が振り回されるなど目の離せない展開が多くある。またゆるきゅんBLを謳っていることもあり、普段BLを読まない人でも読めるようなマイルドな描写を軸にしている点が特徴である。

『みなと商事コインランドリー』のあらすじ・ストーリー

晃と慎太郎の出会い

祖父から引き継いだ古いコインランドリーの管理人をしているアラサーの男・湊晃(みなと あきら)はある日、家の洗濯機が壊れたという理由でコインランドリーを利用し始めた香月慎太郎(かつき しんたろう)と仲良くなる。ゲイということもあり、密かに慎太郎に好意を抱えていた晃であったが、慎太郎が高校生ということもありその思いを隠したままでいた。
そんなある日、晃は慎太郎と恋愛の話をする流れになり、晃は慎太郎のハイスペックなプロポーションなら学校で女の子からモテモテだろうと話す。それに対して慎太郎はそういった「恋愛や性欲には特に興味ない」と答える。慎太郎の答えに対し、晃は自分が高校生の時にはそんなことしか考えていなかったと続ける。その言葉を聞いた慎太郎は晃に「例えばどんな感じことを考えていたのか」と問う。その問いを咄嗟に聞いた晃は「でかいのをケツ穴に入れてほしかった」と不意に本音を言ってしまう。晃の言葉を聞いた慎太郎は驚いており、その様子を見た晃は続けて自分がゲイであることを慎太郎に正直にカミングアウトする。晃のカミングアウトを聞いた慎太郎は逃げるように晃の前を後にし、しばらくコインランドリーに訪れなくなってしまう。
晃のカミングアウトから2週間後、晃の前に突然現れた慎太郎は晃に「友達になってください」と告白する。その告白を受けた晃はそれを受け入れ、二人は正式に友達になったのであった。
そこから家に上がって手料理を振舞おうとするなど、慎太郎は晃とより親密なスキンシップを取ろうとする。一方晃はあくまで友達としての距離をうまくとるため、慎太郎のスキンシップを軽くいなしていた。ただある日偶然出会った慎太郎の妹から、慎太郎は晃のことが好きであることを聞く。そのことをきっかけに慎太郎は晃に思いを伝え、晃の頬にキスをする。晃は戸惑いつつも慎太郎への思いがより募るのであった。

晃の過去と明日香の登場

同僚の結婚式をきっかけに、晃はかつて高校の恩師である・佐久間孝之(さくま たかゆき)に恋心を抱いていたことを思い出す。そしてその恋がうまく成就しなかった経験から慎太郎との距離を置こうとする。勝手に距離を置こうとする晃に対して慎太郎は憤りを感じ、晃から孝之の話を聞き出そうとする。その思いに答えるため、晃は慎太郎にかつて自分が高校生の時にぐれていたが水泳部の顧問である孝之に部活動に誘われてから、真っ当な学校生活を送るようになったことを話す。さらに続けて晃は慎太郎に、水泳部に所属している内に孝之の人柄を好きになってしまい、卒業式の後に教室で孝之に咄嗟にキスをしたとも話した。そしてその結果、孝之と顔を合わせることが気まずくなったと晃は慎太郎に告白する。そんな経験から晃は慎太郎が自分に対して抱いている感情は、思春期特有の一時の感情だと話すが、慎太郎は心から晃のことが好きだと改めて言い放つ。その言葉を聞いた晃は慎太郎と距離の取り方を改めるのであった。
晃と仲直りした慎太郎であったが、学校にてクラスメイトの英明日香(はなぶき あすか)に晃と親密な関係であることを知られてしまう。明日香は晃に対し興味を持ち始めるが、晃を独り占めしたい慎太郎は明日香のことを警戒し始める。その後晃と明日香を出会わせないように画策する慎太郎であったが、晃の近所に明日香が住んでいることもあり、二人がすでに知り合いの仲であったことを知る。一方、慎太郎と晃が一緒にいる場面を目撃した明日香は二人の関係に興味を持ち始める。
そして明日香は学校で慎太郎と晃の関係を聞こうとする。慎太郎は意中の相手であることを明日香に言い放つが、明日香は晃と慎太郎の二人の様子から「慎太郎の一方的な片思い」だとからかうように話す。そして明日香は続けて慎太郎に向けて、「晃さんが手を出さないなら俺が慎太郎に手を出そう?」耳元でささやく。そのささやきに対して、慎太郎は「俺がつっこんでほしいのは湊晃だ」と強く言い放ち、明日香を一瞥する。その慎太郎の珍しいリアクションを見て、明日香はより慎太郎と晃の関係に興味を示すのであった。

下着泥棒と慎太郎の看病

ある日、晃はコインランドリーを利用していたお客さんから近所で下着泥棒が横行していることを聞く。その話を聞いて警戒を強める晃であったが、晃の隣で勉強していた慎太郎は晃と明日香をどのように遠ざければいいかで頭がいっぱいだった。そんな慎太郎であったが、家に勉強で使う参考書を忘れたことを思い出し、少しの間コインランドリーから離れてしまう。その間に晃はコインランドリーで不審な動きをしている客を見つける。その怪しい客の手元を見て、女性の下着を盗もうとしていることが分かった晃はその客を捕らえようとする。しかし怪しい客に晃は強い力で手を振りほどかれてしまい、逃がしそうになってしまう。その時に家から戻ってきた慎太郎が怪しい客と鉢合わせ、勢いのままその客の腕を固め、捕らえることに成功する。その後警察に連絡した晃は、下着泥棒を引き渡すとともに事情聴取を受ける。無事に事情聴取を受け終えて一息つく晃の前に、まるで自分のことのように心配した顔を浮かべる慎太郎が現れる。慎太郎は「自分がふがいないせいで晃に危ないことさせた」と悔いていたが、晃は「勝手に自分のせいにして、泣きそうな顔するな」と慎太郎を勇気づける。その際晃は勢い余って慎太郎の胸ぐらをつかみキスをしようとしたが、直前で踏みとどまる。慎太郎を家に帰した晃であったが、慎太郎に自分からキスをしようとした事実にうろたえてしまうのであった。
下着泥棒を捕まえた次の日、晃は熱を出してしまう。晃が下着泥棒を捕まえる際に片手をけがしていることに加え熱も出したことで、心配した慎太郎は晃の家に晃を看病しに訪れる。晃は友達としての一線を超えないようにするためにも、頑なに慎太郎が家に上がろうとすることを拒否する。なんとか玄関まであがった慎太郎は、晃に「俺のことを怒っていますか?」と問いかける。慎太郎は自分の胸ぐらをつかんだことを晃が自分に対して怒りを見せていたと解釈していたが、晃は「そんなことはない」と急いで訂正する。そして顔を見せた晃は痛めた手を慎太郎に握ってもらい、「下着泥棒を捕まえてくれて感謝している」と話す。手を握ってもらった晃は慎太郎の暖かさに安心し、その後無事に風邪と手の捻挫を治すのであった。

孝之との再会と遊園地

ある日、晃は慎太郎に体育祭に来るように誘われる。最初は慎太郎の積極的な態度に照れてしまい断っていた晃であった。しかし人付き合い良い性格に加え慎太郎が体育祭で活躍している姿を見たかった晃は、最終的には慎太郎の学校の体育祭に行くことになる。慎太郎と明日香のリレーを応援し、その後二人と話していた晃の前に、慎太郎のクラスに担任として勤めることになった孝之が現れる。突然現れた孝之を前に、晃はとっさに逃げてしまうかのように孝之の前から去ってしまう。そんな晃の様子をみて慎太郎は晃が「まだ孝之のことを好きなのではないか」と考えてしまう。
その後晃は孝之との関係をはっきりするために孝之の実家が経営している駄菓子屋「さくま屋」に訪れる。そこに孝之はいなかったものの、孝之の親戚である佐久間柊(さくま しゅう)から孝之が一人暮らししている家の住所を知ることに成功する。一方慎太郎は学校で孝之に晃のことが好きなのか問いただそうとする。そんな慎太郎の問いに対して、孝之は学生時代の晃は最初は髪を明るくしており、態度はひねくれていたと答える。さらに続けて孝之は水泳部に所属してからはまじめに部活動に取り組み、チームメンバーの気持ちを組んだ行動に長けていたと嬉しそうに話した。そのように学生時代の晃の様子を話す孝之を見て、慎太郎は晃のことを全く知らないことを痛感し、孝之と自分の差を感じてしまうのであった。
それからしばらくして、明日香の誘いから慎太郎、晃、慎太郎の3人の妹と共に遊園地に向かうことになる。遊園地で仲良く遊んでいた面々であったが、晃は慎太郎の妹の一人から慎太郎の学校での成績が最近落ちていることを聞く。その理由を晃は慎太郎に聞くが、慎太郎は晃が好きすぎて勉学に集中できないと答える。それを聞いた晃は成績がもとに戻ったらずんだシェイクを二人で飲みに行くことを約束する。その約束がモチベーションになった慎太郎は再び勉学に励むのであった。

晃の失恋

慎太郎の高校の地域バザーに向かった晃は、慎太郎と明日香のクラスの出店に顔を出す。そこで慎太郎が作ったキーホルダーの人形を買った晃は店を出た後、慎太郎の差し入れにずんだシェイクを買いに行こうとする。そしてずんだシェイクのお店の前で孝之と出会う。孝之にずんだシェイクを奢られながらもとりとめのない会話をしていた二人であったが、過去の思いを決別したかった晃は孝之に「今度飲みに行きませんか?」と誘う。孝之はその誘いを了承し、晃は喜んでしまう。その夜、孝之と二人でずんだシェイクを飲んでいたところを目撃していた慎太郎が、「自分との約束をないがしろにされた」と晃に対して怒りをあらわにする。その後飛び出して自分の元を去る慎太郎に晃は何も声をかけることができなかった。
しばらくして慎太郎は晃の元に再び訪れ、怒ってしまったことを謝る。そして「慎太郎は晃と孝之が仲良くしていた様子に嫉妬してしまった」と告白する。さらに慎太郎は成績が戻った模試の結果を晃に見せて、「約束を忘れないで下さい」と晃を見つめるのであった。そんなやり取り終え、夜だったうえ雪も降っているほど寒かったこともあり、晃は慎太郎をコインランドリーの中に招く。
コインランドリーに招いた後に停電になり、慎太郎と晃が共に倒れこむアクシデントがあったものの、二人は寒さをしのぐために一つの毛布にくるまりソファーに座り込む。その時に晃は孝之が不真面目だった自分を優しく見守ってくれたこと、そんなやさしさに心を打たれ好きになってしまったことを慎太郎に話す。慎太郎は晃の話を聞いて「孝之のことに関しては強い嫉妬を抱いてしまうが、晃の幸せが一番であるためそのことに関して口を出さない」と言う。晃は慎太郎の言葉を聞き、孝之との飲み会できちんと前に進むためにも関係をはっきりさせることを慎太郎に誓う。慎太郎はその誓いを聞いて、晃を抱き寄せてしまうが、晃もその行動に静かに応じるのであった。
慎太郎と仲直りしたのち、晃と孝之は二人で飲みに向かった。その飲みの帰り道に晃は孝之にかつて孝之のことが好きであったと思いを伝える。その気持ちを聞いた孝之は「大切な生徒から正直な気持ちを聞けて嬉しい」と言い、さらに今でも大切な教え子であると晃に伝えた。それを聞いた晃は時間が失恋を経て孝之との関係を清算することができたのであった。

慎太郎と晃の過去

ある日、慎太郎は妹の桜子(さくらこ)と弟の光太郎(こうたろう)と共にコインランドリーに訪れる。光太郎がコインランドリーの洗濯機の中を覗き込もうとしたため、それを止める晃であったが、光太郎の姿から高校生時代にであったゴン太郎のことを思い出す。
そして慎太郎がそのゴン太郎は自分が咄嗟に思い浮かんだ偽名であり、幼いころに既に晃と出会っていたことを明かす。
幼い頃の慎太郎との出会いは晃がまだ高校生であり、晃は水泳部から引退していた時であった。外に遊びに出ていた慎太郎はふとコインランドリーに立ち寄り、洗濯機の中にこもっていたが、晃に優しく注意されると共に話しかけられる。そのときに慎太郎は見知らぬ人に名前を教えては危ないということを思い出し、晃に自分の名前はゴン太郎であると嘘をつく。その後慎太郎がお腹を空かしていたこともあり、たまたま開催されていた地域のお祭りに晃と共に訪れることになる。その際に晃は商店街対抗水泳リレーに参加しており、見事そのリレーで活躍した晃は慎太郎にとって輝いて見えていた。後に晃とお祭りを回った慎太郎は晃と別れてしまうが、その時から晃に再び会おうと密かにコインランドリーに訪れることが習慣になっていた。
そのエピソードを晃に話した慎太郎は続けて「湊さんは俺の初恋です」と告白し、晃の手に口付けをする。慎太郎のキスを自分の手にされた晃は照れてしまうが、そんな晃を見た慎太郎は後ろから抱き寄せるのであった。

『みなと商事コインランドリー』の登場人物・キャラクター

主要人物

湊晃(みなと あきら/演: 草川拓弥)

CV:山下誠一郎
みなと商事コインランドリーの管理人をしているアラサーの男性。栗色の髪をしている。
性格はサバサバしており人当たりが良い。その性格があってか近所の住人から親しまれており、コインランドリーを利用する人も多い。ただ優しすぎる面もあってか人前で中々弱みを見せることができない。
そのせいもあり高校時代では水泳部の部長をしながらも練習を頑張りすぎてしまい、靭帯のけがをしてしまい引退試合に出ることができなかった苦い過去を持つ。またかつて務めていた会社では、過度のサービス残業をしてしまい体を壊し退職。その後祖父から受け継いだコインランドリーの管理人として勤めている。
ゲイであり香月慎太郎(かつき しんたろう)が好きであるが年の差を考えてしまい、気持ちを伝えられずにいる。また高校生の時に恩師である佐久間孝之(さくま たかゆき)のことが好きであり、卒業式の時に咄嗟にキスをしてしまっている。
アジフライが好物であり、甘いものはそんなに得意ではない。

香月慎太郎(かつき しんたろう/演:西垣匠 幼少期:上野山夢輝)

CV:島崎信長
香月家の長男であり、高校2年生の男の子。黒髪で顔が整っているイケメンであり、身長は185cmある。運動神経が良く成績も学年トップを誇るため、学校の女子からの人気が高い。
性格はクールで一途。常にポーカーフェイスでクールに見えるが、晃に対しては好意をまっすぐぶつける。恋愛に対してもかなりアクティブで、大好きな晃に対して積極的にスキンシップを図ろうとする。
将来の夢は医者になること。過去に腰のけがが要因で水泳を辞めたことがあり、その時に真摯に相談に乗ってくれた医者に深い感銘を受け、志すようになる。また香月家では家事をよく行っており料理が得意。3人の妹と2人の弟の面倒をよく見るなど家族に対しての愛情が深い。

慎太郎のクラスメイト

pomidn2716
pomidn2716
@pomidn2716

目次 - Contents