トキメキ☆成均館スキャンダル(韓国ドラマ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『トキメキ☆成均館スキャンダル』とは、2010年に韓国のKBSで放送されたテレビドラマ。原作はチョン・ウングォルの小説『成均館儒生たちの日々』。幼いころに父を亡くし、病気がちの弟と母を養うため男装してお金を稼ぎながら家族を支える主人公のキム・ユニ。そんなユニがあるとき科挙試験の代筆を請け負うことになる。それをキッカケに女子禁制の名門校である「成均館(ソンギュンガン)」に入学が決まってしまう。寄宿舎での生活を通し共に学び合う仲間たちとの恋愛や友情、夢を育んでいく青春ラブストーリー。

『トキメキ☆成均館スキャンダル』の概要

『トキメキ☆成均館スキャンダル』とは、2010年に韓国のKBSで放送されたテレビドラマ。原作はチョン・ウングォルの小説『成均館儒生たちの日々』。父の死により貧しい生活を送らなければならなくなった主人公のキム・ユニは、家族を養うため科挙試験の代筆を請け負いお金を稼ごうとする。しかし同じく試験を受けに来ていたイ・ソンジュンに見つかり不正を暴かれそうになるが、家族のために見逃してほしいと懇願しなんとか難を逃れる。その後成均舘に入学したユニは、ソンジュンらとともに共同生活をスタートさせる。同じ部屋のムン・ジェシンや女好きのク・ヨンハらと共に学びながら生活していく中で、それぞれの中に友情や恋愛感情が芽生えていく。時代劇でありながら青春ストーリーを織り交ぜた新感覚ドラマは、瞬く間に人気となった。主人公キム・ユニを演じたパク・ミニョンと相手役イ・ソンジュンを演じたパク・ユチョンが2010年KBS演技大賞のベストカップル賞を受賞している。ムン・ジェシン役のユ・アインとク・ヨンハ役のソン・ジュンギも男同士で同賞を受賞している。

『トキメキ☆成均館スキャンダル』のあらすじ・ストーリー

ユニとソンジュンの出会い

正祖(画面右)に話しかけられるユニ(画面左)とソンジュン(画面右)

幼い頃に父を亡くしたキム・ユニは、家族を支えるために文才でなんとか生計を立てていた。しかし借金の返済に追われ、見つかれば厳罰となることを知りながらも、男装して科挙試験の代筆をすることを決心する。試験当日、ユニは依頼人と間違えて、運命の相手イ・ソンジュンに声をかけてしまう。ソンジュンは、王宮で重要な官職に就いている老論(ロノン)であり王の重臣である左議政(チャイジョン)を父に持つ、高貴な家柄出身の両班(ヤンバン)だった。不正を許せないソンジュンは試験官にユニを引き渡そうとする。ユニは母と病気がちの弟の話をしてなんとかその場をやり過ごすことに成功した。ソンジュンはユニの聡明さに気付き、このままにするのはもったいないと、無理やり科挙試験を受けさせる。しかし曲がったことが大嫌いなソンジュンは、自身の不正を正直に王様である正祖(チョンジョ)に明かしに行く。正祖(チョンジョ)は激怒するものの、「貧しさから世に出る資格がないと思っているユニのため、自分が代理受験を依頼した」「境遇や党派で人材を選ぶのが朝鮮の現実なら、私も将来宮使えはしません」と毅然とした態度で正祖(チョンジョ)に告白した。ソンジュンの、臆することなくまっすぐな姿勢に感銘を受けた正祖(チョンジョ)は、2人を成均館に入学させる命令を下す。ほどなくしてユニとソンジュンの成均館での共同生活がスタートした。女性であることがバレてはいけないユニとにとっては、試練の始まりでもあり不安と困惑が募っていた。しかし同時に勉学ができるという嬉しさもあった。同室には成均館に入るきっかけとなったソンジュン、近寄りがたく不良のような雰囲気のムン・ジェシンがいた。

成均館での苦労

弓を教えるソンジュン(画面右)とユニ(画面左)

新生活がスタートして早々、成均館のユニとソンジュンは学生会長である掌議(チャンイ)のハ・インスによってさっそく課題を与えられる。課題の内容は、チョソンという妓生の下着を持ってくるという、とんでもないものだった。達成できなければ罰があると言われ躍起になる2人だったが、成功させたのはユニだった。「汚れた川に飛び込む」という罰を与えられたソンジュンだが、課題を達成したものに与えられる褒章として、ユニが「彼に罰を負わせないこと」を希望。ソンジュンを庇ったことにより以降2人はインスから目をつけられるようになる。
その後もユニには試練が続く。これまで弓を引いたことがなかったにも関わらず、弓を射る大会の大射礼(テサレ)が開催されることが知らされ窮地に立たされる。弓に不慣れなユニにソンジュンは稽古をつけることにしたが、インスは自分が「稽古をつけてやる」と言ってユニの頭にリンゴを乗せて的として立たせた。ショックで倒れ込むユニを同室のジェシンとソンジュンが助けて難を逃れたが、医務室に運ばれたユニは治療を施そうとした成均館のチョン博士に女性であることがバレてしまう。チョン博士は大射礼(テサレ)の優勝を条件に、ユニが今後も成均館で学べるチャンスを与えることにした。チョン博士は、実はかつてユニの父親のキム・スンヒョンと師弟関係にあったのだ。そのため、ユニの名前を聞いてかつての師の娘であることを知りそのように対処したのだった。一方父が元成均館博士と知らないユニは、チョン博士の提案を受けソンジュンから猛特訓を受けなんとか優勝することに成功する。当初こそぶつかり合ってばかりいたユニとソンジュンだが、さまざまな課題や出来事をともに乗り越えるうちに、互いの存在を意識するようになっていた。

ジェシンとヨンハ

インス(画面手前)と話すジェシン(画面左)とユニ(画面中央)とヨンハ(画面右)

成均館に入る前、ユニは同室のジェシンに街中で盗賊から襲われているところを助けてもらった過去があった。ジェシンと同室だと分かったとき、自分が女だとバレないかと焦ったが、ジェシンはユニに気付かなかった。しかし彼は女性が自分の近くにいるとしゃっくりが止まらなくなる特異体質があり、男しかいないはずの成均館でしゃっくりが出ることを不思議に思っていた。一見不愛想で不良のような雰囲気のジェシンだが、本当は心の温かい人物だった。ユニのことを放っておけないのか、インスからいじめをうけたり先輩からかわかられているときなど、優しく手を差し伸べてくれる人だった。あるとき、ユニがこっそり風呂に入っているところを偶然見てしまい、女性であることを知ってしまう。それからはさらにユニを守ってあげたいと思うようになり、いつしか彼女に思いを寄せるようになる。そんなジェシンだが、過去には大好きだった兄を亡くし、その原因が父にあると思っていた。親子の間には確執ができ、いつか父親に復習しようとさえ思っていた。
一方ク・ヨンハは、成均館きっての遊び人であり心の赴くままに行動をする人物で、周りからは女林(ヨリム)というあだ名をつけられていた。また、ユニの表情や一つ一つの所作などから、口にはしないが彼女が女であることを誰よりも早く勘付いていたのも彼だった。ユニやソンジュンを目の仇にしているインスたちと絡む場面も多く、そちら側の人物かと思えば、ユニたちを助けることもしばしばあり、ヨンハについては謎めいたところが多かった。しかし、誰の味方にも付こうとしない一方でジェシンのことはいつも親友として心配している。奔放に生きてきたヨンハだが、ユニを見ているうちに、男ばかりの成均館にいながら決して諦めない彼女の姿勢に心を打たれ、次第に自分自身も変わろうと思うようになる。

ぎこちない2人

ユニが女性であることを知っていたヨンハは、ソンジュンがユニに抱く感情にもいち早く気付いていた。しかしこの時点でソンジュンはまだユニが女性であると気付いていない。あるとき、ヨンハの提案で2人きりで無人島に行くこととなったユニとソンジュンだったが、ソンジュンはそこで高熱を出し寝込んでしまう。ユニはそんなソンジュンが心配で夜通し寝ずの看病をする。翌朝、介抱の疲れでうたた寝するユニの姿を見てソンジュンはキスをしようと顔を近づけた。しかし我に返り、男であるはずのユニを想う自分の気持ちに混乱する。その後、気持ちを押し殺すようにユニに対して冷たい態度を取るようになった一方で、ジェシンがユニに優しく振舞う姿を見て嫉妬心も抱くようになっていく。そしてヨンハに「孔子だって人間だから同じように悩む」と指摘される。苦悩しながら過ごすソンジュンだったが、思わぬ形でユニが女性であることを知る。成均館の学生たちが野遊会に参加した際に、ユニが足を踏み外して川に落ちてしまい、一緒にいたソンジュンが助けたのだ。ユニが女性だと知って以降、ソンジュンのユニへの思いは一段と強くなっていく。ユニも彼に対する気持ちは同じだった。そしてソンジュンとユニが互いに惹かれ合っていることを知っていたジェシンは、後に身を引く決意をする。

花の四人衆と王の密命

ユニ、ソンジュン、ジェシン、ヨンハの4人は、勉学での成績や課題のこなし方、そして容姿端麗な外見から次第に成均館の中で目立つ存在となっていく。成均館の中での生活は王である正祖(チョンジョ)の耳にも入り、4人は密かに王から指令を受ける。その内容は、思悼世子(サドセジャ)が息子であり現王様の正祖(チョンジョ)に託した文書である金縢之詞(クムドゥンジサ)を探せというものだった。密命を下された4人は、力を合わせて解決に向けて動き出す。
このとき、ユニの父であり当時の成均館博士キム・スンホンと、ジェシンの兄で当時の学生会長である掌握(チャンイ)であるムン・ヨンシンは、金縢之詞(クムドゥンジサ)を宮殿に運ぶ途中で不慮の事故に遭い命を落としたことを知る。そしてスンホンの遺言を元に金縢之詞(クムドゥンジサ)を見つけて欲しいと、正祖(チョンジョ)はユニたちに思いを託した。スンホンの遺言には、暗号文のような文章がしたためられていて解読は困難を極めた。しかしそれは、金縢之詞(クムドゥンジサ)の場所を示すものだった。
彼らはみな、家系の一門が違っていた。老論(ノロン)のソンジュン、南人(ナミン)のユニ、少論(ソロン)のジェシン、そしてどこにも属さないヨンハ。正祖(チョンジョ)は、門派の違う彼らが力を合わせて解決することが、よりよい未来の朝鮮への一歩となると信じたのだった。

明らかになる真実

4人が王の密命を遂行していく中で、10年前のユニの父の死の真実が徐々に明らかになっていく。聡明で好奇心旺盛なユニ、気難しくプライドの高いソンジュン、女好きで道楽者のヨンハ、思ったままに行動するジェシン。性格も志も全く異なる4人だったが、それぞれの持ち味を発揮るすことで自然と調和が取れていった。そして次第に4人の友情も変化と成長を遂げていく。調査の最中にジェシンは、老論派(ノロン)であるソンジュンの父がユニの父と自分の兄を殺害した黒幕かもしれないことに気付く。しかしソンジュンとユニを思って心の内にしまい、これ以上の調査を躊躇していた。調べれば調べるほど、ユニの父の死に老論(ノロン)が関わっている可能性が高くなってきたからだ。そこへヨンハもその疑惑を突き止めジェシンと2人話し込む。「これ以上の捜査はやめよう」とジェシンが言うも、2人の会話を聞いていたソンジュンは父に直接真相を確かめにいく。今まで尊敬していた父に暗殺の疑惑がかかり、ソンジュンは父を尊敬できなくなっていた。ジェシンは最悪の事態を想定してこれ以上進めないと感じたが、ソンジュンの決意は揺るぎなく、信念に従い行動するのを辞めなかった。己の信じる道に従って行動するうちに、互いの友情はさらに芽生えていった。

それぞれの出発

夫婦となったソンジュン(画面左)とユニ(画面右)

結局、ソンジュンの父は暗殺に関与していないことが判明して4人は安心する。真犯人はインスの父ハ・ウギュだったことが明らかとなり、ユニの父とジェシンの兄は金縢之詞(クムドゥンジサ)を守る為に命を落としたことが分かった。父の遺言を読み、幼い頃に彼から学んできた言葉をヒントに無事に金縢之詞(クムドゥンジサ)を発見したユニは、王の正祖(チョンジョ)から感謝される。この後、インスの差し金によりユニが女性でありながら成均館で学んでいたことが正祖(チョンジョ)はじめ多くの人に露見したが、金縢之詞(クムドゥンジサ)の密命を下した正祖(チョンジョ)自身も、身分や性別に捉われないことの大切さを彼らから学んだようで、ユニの罪は不問となる。ソンジュンも父と和解し、それぞれの明るい未来と朝鮮に向かって歩んでいくことになった。時は流れ、ユニとソンジュンは成均館の博士となっていた。夫婦となった2人は仲睦まじく、かつて共に学んだ古巣で幸せに過ごしていた。

『トキメキ☆成均館スキャンダル』の登場人物・キャラクター

主要人物

キム・ユニ(演:パク・ミニョン)

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