しゅつどう！パジャマスク（ディズニージュニア）とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『しゅつどう！パジャマスク』の概要

『しゅつどう！パジャマスク（原題・PJ Masks）』とは、ディズニーチャンネルで世界中に放送されている子ども向け3Dアニメシリーズである。フランスとイギリスの共同制作となっており、Frog Box（フランス）、TeamTO（フランス）、エンターテイメントワン（カナダ）が務めている。原作はフランス人作家ロムアルド・ラチオッポの絵本シリーズ『Les Pyjamasques』である。仲良しの小学生コナー、アマヤ、グレッグの3人が、夜になるとスーパーヒーロー・パジャマスクに変身し悪者と戦うというストーリー。幼いヒーロー達が、遊びを優先したくなったり悪者に仕返ししたくなったりと子供らしい悩みをヒーローとしての矜持で乗り越えていく様が見どころ。どこかかわいらしく、子供中心の絵本的な世界観はそのままに、鮮やかでスタイリッシュな3Dアニメーションで展開される点が本作の魅力となっている。

アメリカでは2015年9月18日からレギュラー放送されている。日本ではディズニージュニアで2016年7月18日から放送がスタート。2021年7月3日からはテレビ東京のコンプレックス番組『イツミニマニモ』内でも放送がスタートした。サブスクリプションサービスでは、Netflix、Disney+で配信されている。2023年時点でシーズン5まで放送・配信されており、1話25分程度のなかに2エピソード収録されている。

公式アプリゲームも発表している。タイトルは以下の通り。『PJマスク：ヒーローアカデミー』、『PJマスク：ムーンライトヒーローズ』、『PJマスク：レーシングヒーローズ』、『PJマスク：HQ』。

基本設定として、夜の悪者達は夜に悪事を働いているためパジャマスクも夜にしか活動しない。そのため町の人々には、夜の悪者もパジャマスクもその存在すら知られていない。まれに町の人が悪事に巻き込まれ夜の町に姿を見せるが、寝ぼけていたり催眠術をかけられたりと意識がはっきりしていない。後日の様子からも夜の出来事が記憶に残っていた例はない。

『しゅつどう！パジャマスク』のあらすじ・ストーリー

シーズン1：夜の悪者達と戦うパジャマスク

小学生の仲良し3人組・コナー、アマヤ、グレッグは、夜になるとパジャマスクに変身し悪者から町を守っている。コナーは猫の力を持つキャットボーイ、アマヤはフクロウの力を持つアウレット、グレッグはヤモリの力を持つゲッコーに変身する。公園のトーテムポールの中に秘密基地を持っていて、3人でヒーローとして活動しているのだった。
ある夜、アマヤとコナーは喧嘩したまま発明家の悪者・ロミオと戦うことになる。ロミオは博物館の空飛ぶ恐竜の模型を盗み出し、ロボットに改造していた。皆を怖がらせて世界征服しようとするロミオを止めようとするパジャマスクだったが、喧嘩のせいでうまく連携がとれない。しかしお互いの仲直りしたい気持ちに気がついたアウレットとキャットボーイは無事仲直りして、ロミオのロボット恐竜を倒したのだった。
コナーが敬愛するカンフーの達人、マスター・ファンの剣が盗まれたことを知ったパジャマスク達は犯人の忍者の悪者、ナイトニンジャとその子分達・ニンジャリーノと戦う。しかしキャットボーイは頭に血が昇って戦いがうまくいかない。そこで、マスター・ファンの「どんな時も冷静に」という教えを思い出し、落ち着いて戦うことで見事ナイトニンジャ達を倒し、剣を取り戻したのだった。
クリスマスの日、苦手意識のせいでスケートにも挑戦できないでいたグレッグは、クリスマスツリーの飾りが何者かに盗まれていることに気がついた。夜にパジャマスクに変身して町を調べると、月の力を操る悪者、ルナ・ガールがクリスマスを独り占めするために飾りやプレゼントを盗んで回っていることがわかった。ルナ・ガールを倒すために、ゲッコーは彼女が乗る空飛ぶボード「ルナ・ボード」に挑戦することになった。みんなのために、と覚悟を決め、見事にルナ・ボードを乗りこなしたゲッコーは、ルナの暴走を止めることができた。ゲッコーは何事も挑戦してみる大切さを学んだ。ルナは1人でしかクリスマスを過ごしたことがなく寂しかったことを打ち明け、クリスマスの喜びを伝えたいというパジャマスク達と一緒に楽しいクリスマスを過ごすことになった。

シーズン2：パジャロボの登場

シーズン2からは、パジャマスクをサポートするロボット・パジャロボが登場する。もともとはロミオがスパイとしてパジャマスクのもとに送り込んだロボットだったが、正義の心に目覚めてパジャマスクの仲間になった。
アウレットとルナ・ガールの関係にも変化があった。月食のせいで力が弱まっている隙にロミオに月の力を奪われそうになったルナ・ガールがパジャマスクに助けを求める。図らずも一緒に戦うことになったアウレットとルナ・ガールはお互いの実力を感じ、最後には友情が芽生えた。
またパジャマスクたちは、そんなルナを追いかけて月に行く。重力や磁力を操る月のクリスタルの力で暴走するルナと戦うため、パジャマスク達は基地をロケットモードにして追いかけた。初めての宇宙に怯えるゲッコーがロケットで留守番したことで一時はルナに追い込まれたが、友達のピンチに勇気を出したゲッコーの活躍で月のクリスタルをルナから奪い、無事ルナを止めたのだった。
その頃、ナイトニンジャは忍術を使い、路地裏に「謎の山」に行く通路を作る。「謎の山」は空に浮かぶ魔法の力に満ちた山で、ナイトニンジャは山の神秘的な力を悪用しようと「謎の山」にたびたび出没するようになる。しかし「謎の山」のアイテムを盗み出すのを止められたり、「謎の山」の寺院への侵入を邪魔されたりと毎度パジャマスク達に阻まれるのだった。
町にオオカミ団を名乗る、暴れん坊の狼の少年少女がやってきた。オオカミ団は本能のままに町で暴れ、公園を荒らしたり博物館の品を盗んだりするためパジャマスクは彼らと戦い悪事をやめさせなければならなかった。同じ頃、正義の味方になりたいがまだまだ未熟なスーパーヒーロー、アルマジランもやってくる。怪力を扱いきれず公園の遊具や街灯を壊してしまったり、悪者の甘言に乗せられて悪事の手伝いをさせられたりするため、パジャマスクはそのフォローに明け暮れた。夜の町は問題だらけだが、パジャマスク達は戦いのたびにスーパーヒーローとして成長するのだった。

シーズン3：新しい味方アン・ユーの登場

パジャマスク達は、いつものことながら「謎の山」の力を悪用しようとするナイトニンジャを止めようとする。ナイトニンジャはその夜「ドラゴンのドラ」を盗み出し、ドラゴンの力を自分のものにしようとしていた。その企みに気がついたドラゴンは「謎の山」の守護者、アン・ユーに姿を変えナイトニンジャと戦った。パジャマスク達はアン・ユーに力を貸してナイトニンジャを倒し、アン・ユーと仲間になった。
この戦いで、ナイトニンジャの手下として登場した小さなニンジャリーノ・ミニニンジャリーノは、「謎の山」の力を得てベトベトの巨体を持つベトベトモンスターに変身できるようになる。前からパジャマスクの良い子の心に共感していたミニニンジャリーノは、これを機に改心してアン・ユーの元で暮らすようになった。
一方、ルナ・ガールにも妹分ができていた。ルナは博物館の不思議な本を使って、蛾の1匹を人型のモンスター、ガルーキに変えた。ガルーキはルナをお姉ちゃんと慕いながらも、わがまま放題でルナを困らせるようになる。ガルーキが自分がルナよりもすごい悪者だと大騒ぎした時には、町を荒らし、ルナとパジャマスク達を月に監禁し、操作できないロケットで宇宙に取り残されるまで止まらなかった。
ルナとアウレットの友情にも変化があった。ある時ルナはパジャマスクの基地に潜入するためパジャマスク、特にアマヤと友達になるフリをする。ルナを歓迎していたアウレットは卑怯な作戦に傷つくが、宇宙に投げ出されたときにパジャマスク達を助けてくれたルナを見て、パジャマスクみんなで「ルナはいい子になれる」と称賛した。不器用なルナは最後までそれを否定したまま去ってしまった。

シーズン4：モンキー・グーやファラオ・ボーイの復活

その夜、ルナ・ガールは博物館のティーポットを盗んでいた。ルナを捕まえようとするも追いつけないアウレットは、ルナに空を飛ぶのが下手だとからかわれる。ルナへの怒りで支配されたアウレットは、ロミオとの戦いに敗れたうえにパジャマスクに変身する力と記憶を失ってしまう。パジャマスクに変身する力の源であるパジャクリスタルまで奪われたパジャマスクは、ルナの力も借りてロミオを倒そうとするが、やはりアウレットの力も無ければ勝てなかった。その戦いの様子を見ていたアウレットは、ルナのような意地悪な相手でも関係なく助けるヒーローとして正しい心を理解し再び変身した。最後にはパジャマスクとルナで力を合わせてロミオを倒したのだった。
シーズン4からは新しいスーパーヒーロー、ニュートン・スターが登場する。ニュートンは友達の惑星の力を借りることで強大なパワーを使えたが、スーパーヒーローとして悪と戦う自信がない。しかしパジャマスクに励まされ少しづつ、町や惑星のための戦いに向き合うようになった。
また「謎の山」に封印されていた悪戯好きの猿、モンキー・グーも復活した。最初は悪戯で皆を困らせたが、パジャマスクとふれあい昼の人々の暮らしに興味をもったことをきっかけに正義の心に目覚め、アン・ユーと共に「謎の山」を守る存在になった。
パジャマスクの基地を囲むお堀に暮らしていたタコのモンスター、オクトベラは、不思議な力を持つ「お堀の石」をゲッコーがパワーアップに使ってしまったことで、パジャマスクと激しく対立するようになる。ゲッコーを困らせることに執着してゲッコーの持ち物を宇宙に飛ばしてしまったり、ゲッコーに変身して評判が落ちるような態度を取ったりと悪事を働くが、どれもパジャマスクに邪魔されてしまった。
ある夜突然、博物館の古代エジプト文明のゲートからファラオ・ボーイが蘇った。ファラオ・ボーイは現代で王になろうと、パジャマスクの力に干渉したり、オオカミ団など他の悪者を従えようとしたり大騒動を巻き起こすも、パジャマスクに止められたのだった。

シーズン5：パジャペットとパジャライダーの登場

シーズン5から登場するパジャペット・猫のねこちゃん、トカゲのライオネル、フクロウのアウリーはもともとナイトニンジャがパジャマスクの力を奪うため利用した動物達だった。ナイトニンジャは動物達を利用してニンジャリーノにパジャマスクの力を奪わせたが、パジャマスク達は不思議な力を得た動物達と特訓して再びパジャマスクに変身し、ニンジャ軍団を倒した。最後にパジャマスク達は動物達をパジャペットとして仲間に迎え入れた。
その頃、車の部品を盗むカーリーとカートカ姉弟が町にやってくる。ふたりの超高速のマシン・フラッシュカーに翻弄されたパジャマスク達は、乗り物を全て奪われてしまった。そのとき戦いの中でパワーアップしていたパジャペット達は、動物の乗り物パジャライダーを生み出した。このおかげでパジャマスク達はカーリーとカートカ姉弟との戦いを続けられた。
敵対するカーリーとカートカ姉弟と力をあわせたこともあった。姉弟は謎のキューブが、故郷ビューンザニアの新しいコースを生み出すらしいと謎解きに奔走するが、全ては夜の悪者達・ロミオ、ルナ・ガール、ナイトニンジャの罠だった。偽のキューブのせいで、パジャマスク達の乗り物とパジャライダー、カーリーとカートカ姉弟のフラッシュカーまで奪われ、唯一異変に警鐘を鳴らしていたニュートン・スターは捕まってしまう。乗り物にばかり執着したことを反省したパジャマスク達は、カーリーとカートカ姉弟とも力を合わせて、夜の悪者達を倒したのだった。
ロミオはシェフロボットを作ろうとして失敗し、海賊ロボットを作り出した。海賊ロボットは海賊としての実力を見せつけようと町やロミオの空飛ぶ工場で大暴れする。しかし海賊ロボットはアウレットと友達になったことで良い海賊になることを約束した。それからは空飛ぶ海賊船であちこちを冒険している。
ロミオはさらに博物館の巨大な種から生まれた植物を操るモンスター、オルティシアを生み出す。ロミオに悪意を注がれて育ったため、わがままで気難しい。ゲッコーが大切に育てたかぼちゃも盗んで子分にしてしまった。パジャマスク達はかぼちゃ達を取り戻そうとするがオルティシアの植物に勝てず失敗し、かぼちゃ達は今でもオルティシアについて回っている。ロミオは植物の強大な力を持つオルティシアを仲間にしたがったが、オルティシアはこれを拒否して町のあちこちに危険な植物を育てながら気ままに過ごしている。

『しゅつどう！パジャマスク』の登場人物・キャラクター

パジャマスク

コナー／キャットボーイ

CV：ヤコブ・イワニク
日本語吹き替え版：矢尾幸子

本作の主人公。スーツの色は青。
猫のように素早く走ったり、ジャンプしたりできる。さらにスーツの縞を剥がして鞭のように使うこともできる。最年長でリーダー的なポジションにあり、勇敢な性格。独りよがりだったり、マイブームの遊びに熱中しすぎることもある。好きなものは、拳法の達人マスター・ファン。嫌いなものは水。

アマヤ／アウレット

CV：アディソン・ホリー
日本語吹き替え版：平井祥恵

本作のヒロイン。スーツの色は赤。
鳥の力を持つ、パジャマスクで唯一の女の子。空を飛び回り、風を巻き起こしたり翼を飛ばしたりして攻撃する。意志がはっきりしていて負けず嫌いな性格だが、女の子らしい優しさも持ち合わせている。好きなものは本に登場するスーパーヒロイン「フロッシー・フラッシュ」。嫌いなものは驚かされること。

グレッグ／ゲッコー

CV：カイル・ハリソン・ブライトコフ
日本語吹き替え版：花園愛美

本作の主要人物の1人。スーツの色は緑。
とかげや両生類のような怪力や、姿を消したり壁に張り付いたりする身体能力を持つ。水中戦にも特化している。最年少で、おとなしく怖がりな性格。しかし誰よりも優しく、いざという時は頼りになる男の子。ペットのトカゲ・ライオネルをとても大切にしている。