悲劇の元凶となる最強外道ラスボス女王は民の為に尽くします。(ラス為)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『悲劇の元凶となる最強外道ラスボス女王は民の為に尽くします。』は小説家になろうサイトで天壱によって執筆された小説、およびそれを原作とする漫画・アニメ作品である。平凡な女子高生が事故に遭い、転生したのは最強外道のラスボス女王。シナリオ通りに運命が進んでしまったら、周りにいる大切な家族、友達を自分が傷つけてしまう。10年後には断罪の運命が待ち構える。残された時間で不幸ではなく幸せな未来を周囲にもたらすため、ラスボスチートと権力を使い王女が奮闘する物語。

『悲劇の元凶となる最強外道ラスボス女王は民の為に尽くします。』の概要

『悲劇の元凶となる最強外道ラスボス女王は民の為に尽くします。』は天壱によって小説家になろうサイトで2018年4月より執筆されている小説、およびそれを原作とする漫画・アニメ作品である。小説家になろうサイトで題名は『悲劇の元凶となる最強外道ラスボス女王は民の為に尽くします。〜ラスボスチートと王女の権威で救える人は救いたい〜』とされている。2020年5月21日に第一部が「693.プライド・ロイヤル・アイビー。」を持って完結しており、2020年5月25日より「Ⅱ1.宰相は隠す。」で新たに連載が開始している。
2018年8月31日、小説投稿サイト「小説家になろう」×一迅社アイリス編集部「第1回アイリスNEOファンタジー大賞」金賞を受賞。2019年6月より一迅社アイリスNEOで書籍化されている。
2020年3月13日よりメディアミックス、一迅社『ゼロサムオンライン』にて松浦ぶんこによるコミカライズが連載開始。2022年10月25日に連載終了。かわのあきこによるコミカライズの新章が『悲劇の元凶となる最強外道ラスボス女王は民の為に尽くします。〜To The Savior〜』のタイトルで『月刊コミックZERO-SUM』にて、2023年8月号より連載開始。
2023年7月からはテレビアニメが放送されている。

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『悲劇の元凶となる最強外道ラスボス女王は民の為に尽くします。』のあらすじ・ストーリー

王女覚醒編

前世は平凡な18歳の女子高生だった。交通事故で呆気なく人生を終えて、目を覚ましたらそこは自分が大好きだったゲーム『君と一筋の光を』(通称『キミヒカ』)の世界。しかし自分はゲームのラスボス女王、プライドだった。
だが前世を思い出し、周りの人を傷つけないよう行動することにしたプライド。前世でプレイしたゲームの知識を元に、父親である王配殿下の事故による死亡を予知し、未来を変えることに成功する。
同時に今まで我儘放題だった性格を改めて、自分に尽くしてくれる侍女や騎士に対し心を開いていく。次第に「あの我儘王女が人が変わったようだ」と言われるようになるのだった。

前世の記憶を思い出して数日経ったころ、プライドが第一王位継承者であることが決定した。将来の摂政であり、プライドの義弟かつ側近となるためステイルがやってくる。
ステイルは庶民の出身の特殊能力者である。登城する前に抵抗し騎士に怪我を負わせたために、プライドと会った時には特殊能力を封じるための手枷を着けられていた。たった一人の家族である母親と一生涯会えないと落ち込むステイルを励ますためにかける言葉ですら、『キミヒカ』での一場面と重なってしまう。本来『キミヒカ』でのステイルは攻略対象者の一人であり、プライドから拭いきれない心の傷を負わされてしまう運命であった。

プライドはステイルがゲーム通りの運命を辿らないために、そして母親に会いに行けるよう、手枷の鍵を盗み出してステイルの元に向かう。しかし、ステイルは鍵を受け取って母親に会いに行くと厳しい罰があること、自分が抜け出しても誰かがまた自分の身代わりに連れてこられることをプライドに話す。そして鍵はいらないと伝えるのだった。
たった7歳の少年が母親と2度と会えない環境に置かれてしまったこと、そんな中でも他人のことを思いやる優しい心を持っていることに心を打たれたプライドは、涙を流してステイルに謝るのだった。

プライドが前世を思い出した時、父親である王配に対して『キミヒカ』の主人公である妹ティアラの存在を尋ねる。病弱ゆえに6歳になるまで存在を秘匿されていたティアラはプライドとは会った事がなく、存在も知らされていなかった。そして妹と初めて顔を合わせるのは、ティアラの6歳の誕生日の日と決められた。それは同時にプライドの第一王位継承のお披露目の日とも決定された。
庶民出身のステイルのために手枷の鍵を盗み出し、母親と会えないことについて涙を流したプライド。彼女に人生を捧げる覚悟を決めたステイルは、「君の姉君であるプライド第一王女は母上や父上と同じく素晴らしい御方だ。僕らもともに姉君のお力になれるように力を尽くそう」と、民衆の心をつかむための挨拶をする。自分はプライドを未来の女王として認め、支えると国中に伝えるための言葉であった。プライドも「3人でこの国を民を守っていきましょうね」と応える。第一王位継承者のプライドは民衆に祝福されるのであった。

プライドの母親であり同じく予知能力を持つ女王ローザは、予知した未来とは違ったステイルの表情やあいさつの様子に動揺する。ローザが予知した未来では、ステイルは無表情に形式的な挨拶をするだけであり、実際に起こったようなプライドを祝福する様子は見られなかった。以前はプライドは王の器ではないと思っていたが、未来が変わっているのかもしれないと思うようになっていく。

王国騎士団視察編

プライドが前世の記憶を思い出して2年後。プライドとステイルは王国騎士団の視察に訪れる。2人を出迎えたのは副団長のクラーク・ダーウィンだった。ロデリック・ベレスフォード団長は現在隣国との合同練習に急遽向かっているために王族である2人を迎えることが出来なかった。ゲームのストーリーから、団長が道中で死亡する未来を予知するプライド。彼を救うたった一つの方法は、ステイルの特殊能力を使ってプライド自身が団長のもとに瞬間移動する事だった。剣術や護身術などあらゆる武術を見ただけで体現できるラスボスチートを駆使し、動けない騎士団長に襲いかかる敵をプライドは倒していく。しかし、今プライドと騎士団長がいる場所は、まもなく崖崩れが起こる場所だった。騎士団長、そしてプライド自身の命のために、プライドは戦いつつもある人物を探していた。前世の記憶から、奇襲者の中に土壁のドームを作る特殊能力者がいたことを思い出したためである。その人物さえ捕獲できれば、崖崩れが起ころうとも助かる見込みがあると踏んでいた。そんな中騎士団長の一人息子アーサー・ベレスフォードは、王女が自分の父親を救おうとする様子を静かに見守る。彼は騎士の素質がないと言われていたが、目の前で繰り広げられる王女の奮闘により、父親と同じように騎士を目指す覚悟をする。無事にプライドが帰還した後、アーサーはたとえ才能がなくとも騎士を目指すことをプライドに誓う。プライドもまた、アーサーが騎士となって城に戻ってくるまで待っていることを約束するのだった。

ロデリック団長を救助した後日、プライドは母親であり女王陛下であるローザに謁見することとなる。プライドの機転によって拘束されたヴァルという特殊能力者の処遇について、ローザから意見を求められるプライド。この謁見はプライドの王位継承者としての判断を算定するものであった。通常であれば処刑されるはずのヴァルであるが、重要な情報を握っているため処刑することが躊躇われる状況であった。プライドはヴァルに対し隷属の契約を交わすことを判決として下す。隷属の契約は場合によっては死よりも苦しいものである事を理解しての判断だった。ヴァルに情報を提供させ、今後一切罪を犯さないことを命じて解放した。別れ際にプライドはヴァルに「何か困ったことがあれば自分を頼りなさい」と伝える。たとえ罪人であっても、自国民として生きていく彼に加護を与える言葉であった。

アーサーが初めてプライドと会ってから2年の月日が流れた。2年前の約束を果たすため、アーサーは入団試験に挑んでいた。試験を無事に合格し、アーサーは王国騎士団へと入団する。
叙任式において、アーサーは初めてジルベール宰相と会話をする。挨拶もそこそこに宰相はアーサーの特殊能力について、さらには珍しい特殊能力者の噂をアーサーに尋ねる。アーサーが「根も葉もない噂話なら虹を作り出すとか、鳥になるとか、病を治すとか、手を拳銃に変え…」と言うと、ジルベール宰相は目の色を変えて詰問を始めるのだった。ステイルが間に入ることで宰相との会話は打ち切られるが、アーサーはジルベール宰相に胡散臭い印象を抱く。入団を終えた後、アーサーはプライドと手合わせをする機会を得る。ステイルと共に毎日のように稽古に励んだアーサーであったが、プライドの強さに呆然とする。全く鍛錬していないにも関わらず、プライドが毎日鍛錬を重ねるアーサーとほとんど引けをとらなかったからである。

法案協議会編

プライドが法案協議会に参加するようになって2年が経っていた。今回も主な議題はジルベール宰相による〝特殊能力申請義務令〟の提案である。特殊能力がある人間はその能力を申請する義務があると言うものであり、宰相はこれを採択することで「病を治す」能力者を探そうとしていた。
フリージア王国では「傷を治す」能力者は大勢いるが、病気を治す能力者は現在1人も発見されておらず、存在しないとされていた。ジルベール宰相が病を治す能力者を探す理由は、彼の婚約者であるマリアンヌが進行性の病に罹患していることにあった。
呼吸困難と凍えるような寒さに苛まれ続け、最後には手足の自由すら効かなくなる上、フリージア王国でしか発症例のない奇病でもあった。女王と王配の計らいによって、治療法が発見されるまでの間マリアンヌは城の奥深くに隠されるように保護されていた。

「マリアンヌは法案協議会の翌日に死亡する」という未来を予知するプライド。しかし肝心のジルベール宰相は法案協議会翌日に行方不明となってしまう。
特定の人物のもとに瞬間移動できるようになっていたステイルに探し出されたジルベールは、城下町の暗黒街で裏社会の者たちと取引をしていたのだった。病を治す能力者を探し出すことができれば大金を支払うというジルベールだが、「そんなものは存在しない」と笑われてしまう。探し出す気がないのであればこの取引は無かったことにするというジルベールに対し、暗黒街のもの達は大金はここに置いて行けと伝える。
ジルベールは断り、襲いかかる者たちを鍛え上げた剣術・体術で圧倒する。一旦は優勢となるジルベールであったが、隙をつかれて形勢が逆転したところにステイルが割り込み逃走に成功する。

安全な場所に逃げ込んだ後ジルベールに、マリアンヌがあと数時間もしないうちに命を落とすこと、そして病を治す特殊能力者はジルベールには見つけられないことを予知したと話した。ジルベールはステイルに今すぐマリアンヌのもとに瞬間移動させてほしいと懇願する。
しかしステイルは暗黒街の者たちと取引を行うことは重罪であること、ジルベールはもし取引として王族の命を要求された場合には躊躇わずにプライドたちを裏切っていたであろうことを理由に断る。そしてもし城に移動させるのであれば独房に直接移動させ、マリアンヌに会うことはないと伝えた。

しかしプライドはジルベールもその婚約者も自国民であり守っていく対象であることをステイルに伝え、一旦城に転送するよう頼み込む。
ステイルとともにジルベールを城に戻したのには訳があった。プライドはジルベールには見つけ出せなかった病を癒す特殊能力者をすでに見つけ出していた。アーサーの特殊能力は作物を元気にする者であると本人は思っていたが、実は作物だけでなく万物の病を治癒する者であった。
『キミヒカ』のストーリーでそれを本人が知ることになるのは5年後であったため、プライドはアーサーの運命を変えてしまうのではないかと躊躇する。アーサーに「あなたの運命を変えてしまうかもしれないけれど、それでも協力してくれる?」と尋ね、アーサーは「あなたはすでに俺の運命を変えてくれています」と答える。

アーサーを連れてマリアンヌの元に向かうプライド。アーサーがマリアンヌに触れると、数分後には息絶えるはずであったマリアンヌは起き上がり、病は治癒されるのだった。泣きながらどんな罪でも受ける覚悟であるというジルベールに対し、プライドは今回の一件は王配や女王には一切他言せず、今後一生この国の宰相として仕えることを言い渡す。罪の意識に苛まれながら、誰にもその罪を裁いてもらえないことはとても辛いことをプライドは知っていた。その辛さを一生背負っていくことになると伝える。
そして王配も女王もプライドも、愛するマリアンヌでさえ居なくなったとしても、年齢操作ができるジルベールは病や重傷を負わない限り生き続ける。その命ある限りこの国を守っていくことを誓うことが、今回の罰であるとジルベールに言い渡すのであった。

『悲劇の元凶となる最強外道ラスボス女王は民の為に尽くします。』の登場人物・キャラクター

主人公

プライド・ロイヤル・アイビー

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プライド8歳

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プライド13歳

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プライド 外道ラスボスver

CV:ファイルーズあい
フリージア王国第一王女。『キミヒカ』では主人公や攻略対象者の宿敵であり、極悪非道の自己中な性格以外完璧な女王。一度教えられた事は基本的に忘れず、前世の記憶を取り戻す前からかなり理解力もあった。護身術や剣術なども一度見ただけで全てマスターする「ラスボスチート」を持っている。ずる賢い戦略や外道な方法で周囲に破壊の未来をもたらし、18歳で死を迎える運命。深紅でウェーブがかかった髪は両親譲り。8歳で前世の記憶を思い出して以降は、攻略対象を悲劇から救い、国や民のために動くことを決意する。

王族

ステイル・ロイヤル・アイビー

出典: lastame.com

ステイル7歳

出典: lastame.com

ステイル12歳

CV:内田真礼
プライドの1歳下の義弟でティアラの義兄。自分を含め、触れるものを好きな場所に転移することのできる、瞬間移動の特殊能力者。父親を早くに病で亡くし、母親と2人暮らしの庶民出身。黒髪、黒い瞳、白い肌に高い鼻筋の見た目。『キミヒカ』ではクール系メガネをかけた知性派キャラとして登場する。

アルバート・ロイヤル・アイビー

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