ラーメン赤猫(漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ラーメン赤猫』(ラーメンあかねこ)とは、漫画家・アンギャマンによる漫画作品。『ジャンプルーキー!』にて初公開され、「2021年11月 ジャンプ+連載争奪ランキング」で1位を獲得。その後、集英社のWeb漫画配信サービス『少年ジャンプ+』でのインディーズ連載枠で2022年春から連載を開始し、通常連載に移行した。2023年11月にTVアニメ化される発表がされている。
舞台は、人の言葉を喋る猫だけで運営されている「ラーメン赤猫」。そこに人間である社珠子がパートとして入社するところから物語は始まる。

『ラーメン赤猫』の概要

『ラーメン赤猫』(ラーメンあかねこ)とは、集英社のWeb漫画配信サービス『少年ジャンプ+』の”ネコメディ”漫画作品。作者は日本の漫画家・アンギャマン。

2021年11月に『ジャンプルーキー!』にて公開された。『ジャンプルーキー!』で掲載されたのは全5話、内1話から3話が本編で4・5話は告知やイラストだった。『ジャンプルーキー!』で公開された話は、本連載の1話から3話までの内容とほぼ同じである。『ジャンプルーキー!』にて公開された後、「2021年11月 ジャンプ+連載争奪ランキング」で1位を獲得。1位を獲得した『ラーメン赤猫』は、『少年ジャンプ+』のインディーズ連載枠にて、2022年春から連載を開始した。インディーズ連載とは、『少年ジャンプ+』の掲載様式の種類の一つであり、原稿料が閲覧数に応じた変動制で、広告収入などもない。また単行本発売が確約されず、担当編集者が付かないなど、通常連載と異なる点が多い。

インディーズ連載作品は、連載が終了するまでインディーズのままであることが多いが、『ラーメン赤猫』は絶大な人気で、2022年10月10日に更新された第30話より通常連載に移行した。インディーズ連載作品が通常連載に移行したのは、『ラーメン赤猫』が初めて。通常連載に移行したことで単行本も発売されることとなった。2023年11月27日には、2024年7月にTVアニメ化されることが発表された。2024年3月23日には予告PVが公開され、動画の最後でゲーム化が決定したことも発表された。

物語の舞台は、人の言葉を喋る猫だけで運営されている「ラーメン赤猫」。そこに人間である社珠子がパートとして入社するところから始まる。

『ラーメン赤猫』のあらすじ・ストーリー

ラーメン赤猫に就職する珠子

とある町に猫だけで運営されているラーメン赤猫(あかねこ)というラーメン店があった。社珠子(やしろ たまこ)はおばの紹介で、ラーメン赤猫にパートの面接にやってくる。珠子が店に入ると、ホール・接客担当の白猫のハナが、珠子を客と勘違いして接客を始める。珠子はそのまま流されてラーメンをごちそうになることになった。キッチンで茶トラ猫でラーメン赤猫の文蔵が、華麗に麺の水切りをし、黒猫のサブが盛り付けをする。それをハチワレ猫の佐々木が見守っていた。珠子は出されたラーメンを食べ、おいしいと声をあげる。それを見て、猫達は開店準備に取り掛かった。珠子はそこでハッとして、面接に来たことを伝える。文蔵は珠子に一つだけ「正直に答えてね 社さんて…猫好き?」と質問をした。珠子は質問の意図がわからないながらも正直に「…どっちかというと……犬のほうが…好きです…ね…」と答えた。それを聞いた文蔵は二つ返事で珠子を採用。珠子は晴れてラーメン赤猫で働くことになった。

珠子の主な仕事は、猫達のブラッシング。ラーメン赤猫の猫達は毛を落とさないよう、特別な訓練を受けているが、念には念をということのようだった。珠子はおばから仕事内容を「ラーメン屋の手伝い」と聞いていたので、思っていたかんじと違うと思いながらも一生懸命仕事に取り組んだ。ハナはどうやらラーメン赤猫で人間が働くことに反対のようで、入ったばかりの珠子と少し距離がある。しかし文蔵や佐々木、サブはフレンドリーだ。普段は店の奥で製麺の仕事をしているクリシュナという虎も控えめで明るい女の子。珠子は前職が酷いブラック企業だったので、ラーメン赤猫が素晴らしい職場に思えた。

こうして珠子のラーメン赤猫で働く日々が始まった。

ラーメン赤猫のすごさ

ラーメン赤猫はたくさんの関係者や常連客に支えられていた。弁護士の寺田美樹夫(てらだ みきお)とその後輩の御所川原(ごしょがわら)、何でも屋の城崎(しろさき)、隣のビルの「バー・ラット」のママ、メンマ職人の但馬照(たじま てる)とその飼い猫の丑満丸(うしみつまる)。みな、ラーメン赤猫が運営していく上で欠かせない存在だ。珠子はそんな人達とふれあいながら、ラーメン赤猫のすごさを知っていく。それだけではない。ラーメン赤猫には常連客が多く、皆が猫好きでマナーが良い。そんな常連客達がまた新しい猫好きでマナーが良い客を連れてくる。珠子はキッチンで食器洗いを手伝うようになってから、ラーメン赤猫がどれだけ客に愛されている店なのかを肌で感じた。そうして珠子自身もまた店のために何かできないかと一生懸命ラーメン赤猫での仕事に打ち込んでいく。

正社員になった珠子

ある日、いつものようにラーメン赤猫が常連客達で賑わっていると、酔っ払ったサラリーマン風の男性が二人来店した。その内の一人は珠子が以前働いていたブラック企業の元上司だった。珠子はこの元上司に幾度となく理不尽な目に合わされてきた。黒子衣装を着ているはずなのに、元上司はキッチンで食器を洗う珠子のことに気がついた。そして連れていた後輩と思われる男性に珠子のことを話し出す。元上司は珠子のことを、ラーメン赤猫のことをバカにした。珠子は頭にきてついに元上司に声を上げる。「バカにしないでください ここのほうがよっぽど健全な職場なんです!私のことはともかくこのお店のこと バカにしないでください!」 珠子の言葉に元上司はカチンと来て反論しようとする。しかし周りにいた常連客は珠子やラーメン赤猫の味方だ。文蔵も怒り出し、ついには店の奥から怒りに顔を歪めたクリシュナまで出てきた。クリシュナも珠子をバカにされて頭にきたのだ。虎の登場にさすがに怖気づいた珠子の元上司や一緒にいた男性は逃げるように店を去っていった。

文蔵と佐々木は珠子の様子を見て、珠子を正社員として登用することを決める。後日、珠子は弁護士の寺田と近くのカフェで必要な書類のやり取りをし、ラーメン赤猫に向かった。ラーメン赤猫につくとクラッカーが高らかに鳴らされ、皆、珠子のことを祝福してくた。珠子は気持ち新たに社員としてラーメン赤猫で働き始めるのだった。

ジュエル(10L)登場

珠子は正社員となってからも一生懸命働き、忙しい日々を送っていた。そんな中ハナが最近忙しくなったと零す。宣伝なし、口コミだけの地道な営業でも、連日席は満席。それはラーメン赤猫にとって嬉しい悲鳴だったが、人手が足りないという現実問題を突きつけられることになる。毛を落とさない訓練は過酷だし、人間の言葉も覚えなければならない。新しい人材ならぬ、猫材はそう簡単には見つからないのだ。

そんな中、メンマ職人の但馬から佐々木に連絡があった。新たに一匹猫を雇わないかというものだった。佐々木はそれに対してすぐにOKを出した。新しくやってきたのは長毛種猫のジュエル(記名:10L)だった。猫のホストクラブを立ち上げるのが夢で、ラーメン赤猫で接客を学びたいというジュエル。性格はチャラけているものの、夢に対する気概もやる気も十分だった。最初は二足歩行でラーメンの器を持つこともできなかったが、筋トレやハナの指導など弛まぬ努力の甲斐もあって、忙しくてもホールが回るようになってきた。

それを見た文蔵は、サブに盛り付け以外のことも教え始める。猫達が常に成長していく職場で、珠子もまたみんなとともに成長していくのだった。

『ラーメン赤猫』の登場人物・キャラクター

ラーメン赤猫の従業員

社珠子(やしろ たまこ)

CV:折原くるみ

ラーメン赤猫で唯一の人間の社員。最初はパートとして入社し、その後正社員として登用された。ラーメン赤猫にはおばの紹介で入った。猫派よりも犬派。しかしラーメン赤猫で働いていくにつれて、猫派に偏りつつある。真面目で仕事熱心。ラーメン赤猫で働く猫達を尊敬している。B級ホラー映画が好きで簡単な概要を聞いただけで作品名までわかってしまう。

ラーメン赤猫では、猫達のブラッシング、バックヤードの掃除、キッチンの洗い物を担当。キッチンに出る時は、黒子の格好をしている。また前職が広告関係だったことから、ポスターなどのデザインを手掛けることも。

文蔵(ぶんぞう)

CV:津田健次郎

茶トラ猫。ラーメン赤猫の店長を務めている。元は野良猫で佐々木とは幼なじみである。佐々木と共にラーメン屋台のオヤジさんに拾われ、そこからオヤジさんの知り合いの佐々木に引き取られた。しかし佐々木よりもオヤジさんい懐いた文蔵は脱走。ラーメン屋台に居着くようになり、人間の言葉を覚え、オヤジさんと共にラーメンを作るようになった。オヤジさんが病に倒れてからは一人で屋台を引いていたという。

ラーメン赤猫では麺茹やスープ作りなど、ラーメンの根幹を担当している。

佐々木プリン(ささきプリン)

CV:杉山紀彰

ハチワレ猫、毛色はグレー。ラーメン赤猫の経営者でお金持ち。元は野良猫で文蔵とは幼なじみ。文蔵と共にラーメン屋台のオヤジさんに拾われて、事業家だった佐々木という女性に引き取られた。その女性は若くして病にかかり、亡くなってしまう。佐々木は女性に甲斐甲斐しく尽くし、病床の女性の心の支えとなった。女性が亡くなった後、佐々木は女性の遺産を全て相続し、その遺産を使って自立したい猫達の支援を行っている。

店では「佐々木」、「佐々木さん」と呼ばれているが、本名は「プリン」。佐々木自身はこの名前を名乗るのを若干恥ずかしく思っている。しかし飼い主だった人間の佐々木さんからもらった大切な名前であり、「プリン」と呼んでいいのはこの世で唯一人だけとのこと。ラーメン赤猫では、経営、事務を担当しており、忙しい時はキッチンやホールに助っ人として入る。細かいことによく気がつく猫であり、読者からは経営者の鑑と尊敬の念を集めている。

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