リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い(映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い』とは、アメコミ作品『リーグ・オブ・エクストラオーディナリー・ジェントルメン』を原作とした2003年公開のアクション・アドベンチャー映画。監督はスティーブン・ノリントン、主演はショーン・コネリー。20世紀を代表する名作文学の登場人物を集結させたクロスオーバー作品として話題となった。世界征服を企むファントムの陰謀にアラン・クォーターメインやネモ船長をはじめとする超人同盟が立ち向かう。

アラン「やれやれ歳はとりたくないな」

遥か遠くへ逃げた標的を狙うアラン(左)と見守るリード(右)

アラン・クォーターメインは伝説的冒険家でありハンターであるが、劇中では壮年の姿で登場し長距離の的を狙う際は眼鏡を使用する。そしてアフリカの酒場にて襲いかかってきたファントムの兵隊たちを一網打尽にし、一人逃げ果せた兵隊を愛銃「マチルダ」で狙った際に発したのが「やれやれ歳はとりたくないな」だ。身体の衰えを皮肉りつつ、およそ常人では不可能な距離にいる的を撃ち抜くアランの熟練さと凄さを物語る名セリフである。

ネモ船長「ノーチラス号をみくびっていらっしゃる。神髄をお見せしよう」

大海原を脅威のスピードで進むノーチラス号

ファントムによるイタリア・ベニス襲撃を阻止するべくノーチラス号に乗り込むアランたち。猶予はたった4日間であり、不安になったトムはノーチラス号の性能に疑問を抱く。その際にネモ船長が発したのが「ノーチラス号をみくびっていらっしゃる。神髄をお見せしよう」だ。ノーチラス号への絶対の自信と信頼を表したセリフであり、それに応えるように劇中で大活躍をする。

海上都市の崩壊阻止シーン

ベニス崩壊を阻止するべく動き出したアラン(前列左)、トム(前列右)、ミナ(後列左)、ドリアン(後列右)

ファントムの企みを阻止するべく水の都ベニスに到着したアランたちだが、一足早くファントムたちが設置した爆弾が作動し街が崩壊していく。超人同盟のそれぞれが能力を駆使し、街の崩壊を食い止める大迫力のシーンである。崩壊する街の間をネモービルに乗って駆け抜けていくところは緊張感と爽快感を楽しめる。

最果ての地での決戦シーン

激突するハイド氏(左)と怪物化したダンテ(右)

全ての黒幕がMであると判明し、ノーチラス号沈没の危機を乗り越え最終決戦の舞台である最果ての地に降り立つアランたち。特殊能力を得た兵隊たち、裏切り者のドリアンと対峙するアランたちの勇姿が爽快なアクションで描かれている。特に、薬により禍々しく巨大な怪物に変身した敵の幹部ダンテとハイド氏の肉弾戦は、スケールが大きく生々しくもスタイリッシュに描かれている。

『リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

スティーブン・ノリントンとショーン・コネリーのトラブル

遺恨のある形でこの映画がショーン・コネリーの最後の作品となってしまった

監督のスティーブン・ノリントンの緻密でスローペースな撮影スタイルに、主演・制作のショーン・コネリーが激怒し、また編集に関しても対立し修復不可能なほど険悪な関係となる。以降これにこたえたスティーブン・ノリントンは長期の沈黙期間を経ることとなり、ショーン・コネリーも2020年に死去するまで声の出演を除き映画に出ることがなくなり、本作が俳優としてのショーン・コネリー最後の出演作となった。

原作にいないトム・ソーヤー

射撃の訓練で師弟の関係を築くアラン(右)とトム(左)

『リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い』はアメコミ作品『リーグ・オブ・エクストラオーディナリー・ジェントルメン』を原作にしているが多くの映画オリジナル要素が追加されている。なかでもトム・ソーヤーは原作には登場しないがハリウッド映画ということで抜擢された。そもそもトムの原作である『トム・ソーヤーの冒険』は20世紀を代表する文学の一つであり、諜報部員という設定にアランとの師弟関係、特別な能力はないものの若く大胆不敵な性格が違和感なくチームに馴染み新鮮さを醸し出している。

ハイド氏の特殊メイク

薬が切れてジキル博士へと戻っていくハイド氏(中央)

本作では迫力のアクションシーンや超人たちの特殊能力でふんだんにCGを使われているが、ハイド氏の巨体は特殊メイクで施されている。薬によって変身するシーンではその過程の瞬間のメイクを一つずつ作っていき、スピード感あるカットや特殊効果による編集技術により、最新技術だけでは出せない映像美が堪能できる。

『リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い』の主題歌・挿入歌

挿入歌:トレヴァー・ジョーンズ『Son Of Africa 』

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