試験中に夢中で読んでしまう小説まとめ!吉本ばなな『TUGUMI』など

ここでは現代文の試験に採用されることが多い、うっかり夢中で読んでしまう小説をまとめた。ふたりの少女の夏の日常を描いた吉本ばななの『TUGUMI』、動物を飼っている人が読んだら涙が止まらなくなる江國香織『デューク』などを紹介している。

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正直な話、ゾッとする短編。
姨捨伝説を取り上げた小説は
いくつか読んだ経験がありますが、
ここまで身近なものとして考えさせられる
ものはありません。
現代とのあまりのギャップに
世界が歪むほどの違和感を感じます。
玄妙。

解説には私小説とあります。姨捨伝説を通して、自身や家族のエピソードを連ねながら、氏は一族に流れる厭世観的性向に気づきます。

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少年期以来の紆余曲折に満ちた井上が一応功なり名を遂げて、『しろばんば』などに描かれた出来ごとはおくびにも出さずに、信州に伝わる姨捨の故事について語る。

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顔の中の赤い月/野間宏

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難っっっっ解。
の一言。
かっこつけて選んでみましたが、
よくわかりませぬ。
いまいちカタルシスがどこにあるのか
掴めないものの、戦争によって
傷ついた男女の人間模様が
なんとなく暗く、美しい。

この小説は、「結局、自分の苦しみは、他人には絶対分からない」「自分も他人の苦しみをどうすることもできない」「自分と他人の間には決して越えられない壁がある」という、「どうしようもなさ」で溢れかえっている。

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戦後の異常な空気感のため、文書の粗や物語の破綻もみられるけど、勢いと戦後という時代を見事に伝えた作品たちは力強く引き込まれる。

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眠れる分度器/山田詠美

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まず本編を読むべし!
学校や教師に違和感を覚えながら
青春時代を送っていた方、
あるいは進行形の方
にはぶっすり突き刺さるはず。
自己愛べっとりの教育者なんて
ブタの○にも劣る悪害なのです。
……なんていうのは冗談ですが、
いろいろ考えさせられる作品。
というか震えますよ、心が。
ちなみに眠れる分度器は番外編で、
おシリにあります。たぶん一番泣けるはず。

「僕は勉強ができない」から、付記の「眠れる分度器」について。
これは付記として扱われているが、本文より、よかった。

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『眠れる分度器』(「ぼくは勉強ができない」所収)が入試や教材ではおなじみで、繊細な心の動きの描写が本当にすばらしいです。

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夜明け前/島崎藤村

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主人公は、日本の未来を憂える庄屋の当主。
尊王攘夷の考えに同調し奮起するも、
世の流れに乗りきれないままもどかしい
日々を送っている。
やがて時代が動き出し、諸外国への
対抗に期待を持つが……。
という筋。

重厚な文体がたまらない作品。
でも長いです。
気を引き締めてかからないと
活字好きでもちょっとダレてしまう
かもしれません。
明治維新前後が舞台の
ヒューマンドラマ(?)なので、
そのあたりの知識があると一層楽しめると
思います。

1200ページを超える長さの小説なんていくらでもあるのだけれど、本作が異様に長く感じられるのは、極めて密度の高い文章のためだろうか。完読するのに1か月くらいかかりそうだ。

出典: d.hatena.ne.jp

この小説は「自分の親父の物語」ではなく、そこに体現された「日本の歴史の物語」、江戸から明治へという激動の時代とは本当のところどうであったのか、について、藤村なりの手法で語った物語なのだ。

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