ヴァンパイア騎士(ナイト)のネタバレ解説・考察まとめ

『ヴァンパイア騎士(ナイト)』とは2005年から2013年まで樋野まつりが『LaLa』で連載していた吸血鬼を題材とした学園ラブストーリー漫画、およびそれを原作としたアニメ作品である。
全寮制の「黒主学園」を舞台に起こる人間と吸血鬼の共生に対する問題や、吸血鬼同士の争い、そして主人公・黒主優姫の秘密や過去が明かされていく。
ゴシック感あふれる世界観に、見目麗しい登場人物、少女漫画ながら悲恋もののため、読んでいて切なくなるが、先の展開が読めず、ハラハラドキドキのストーリーとなっている。

『ヴァンパイア騎士』の概要

『ヴァンパイア騎士(ナイト)』とは2005年から2013年まで樋野まつりが『LaLa』で連載していた吸血鬼を題材とした学園ラブストーリー漫画、およびそれを原作としたアニメ作品である。
コミックは全19巻刊行、2008年にはアニメ、Webラジオが放送され、2015年にはミュージカル作品として舞台化されている。
全寮制「黒主学園」の普通科に通う主人公・黒主優姫は錐生零と共に、学園と夜間部に通う生徒たちの秘密を守るべく、日々守護係としての業務に励んでいた。
10年前の冬、吹雪の中で元人間の吸血鬼に襲われかけたところを玖蘭枢に助けられ、以後枢を慕っている優姫と、吸血鬼に憎悪を向ける零。
時間で分けながらも、人間と吸血鬼を共生させている学園。
それぞれには隠された秘密があり、その秘密を暴く歯車が少しずつ動き出していく。
ゴシック感あふれる世界観に見目麗しいキャラクターたち、少女漫画でありながら悲恋もののため、読んでいて切なくなるときもあるが、先の展開が読めないことからハラハラドキドキしながら読み進められるストーリーとなっている。
連載終了後、作者は別の作品を連載をしていたが、2016年から『LaLa DX』にて続編『ヴァンパイア騎士memories』の連載をスタートさせている。
『ヴァンパイア騎士memories』では優姫によって蘇生された枢と、優姫の娘たちの穏やかな日々と、枢が蘇生するまでの1000年の間に起こったことが描かれている。

『ヴァンパイア騎士』のあらすじ・ストーリー

学園編、それぞれが秘める秘事

全寮制の私立「黒主学園」。
ここには一般人が通う「普通科(デイクラス)」と美形でエリート揃いばかりが揃う「夜間部(ナイトクラス)」がある。
そしてこの黒主学園には一般生徒には知られてはいけない最大の秘密があり、その秘密を守るため、「守護係」として活動している理事長の娘・黒主優姫には5歳以前の記憶がない。
理由は不明だがある吹雪の夜、なぜか一人でおり、元人間の吸血鬼に襲われそうになったところを、純血種の吸血鬼・玖蘭枢に助けられたのである。
以後、黒主灰閻の養女として育ち、現在に至るのであった。

夜間部生徒の登校風景

夜間部のクラス長である玖蘭枢を筆頭に夜間部の生徒全員が吸血鬼であるということを知っているのは理事長と優姫、そして同じく守護係である錐生零だけ。
美形でエリート揃いの夜間部に憧れる普通科生徒は数多く、お近づきになるべく夜間部生徒の登校時間に合わせて出待ちをしたり、夜間部生徒が生活を送る「月の寮」に忍び込もうとする普通科生徒たち。優姫と零は一般生徒に知られることがないよう、普通科の生徒が夜間部生徒に近づくことがないよう、昼夜問わず見回りをしているのだった。

守護係としての職務を全うする優姫

そしてこの秘密を守るためにもう一つ必要なこと。
それは校則でも禁止している吸血鬼による「吸血行為」を止めることだった。
吸血鬼にとって人間の血は食料であり、夜間部の生徒からしてみればその食料が目の前にたくさんいる。それを味気ない「血液錠剤」で紛らわせているのである。

校則違反である「吸血行為」を優姫にしようとする藍堂を取り締まっている錐生零

ちょうどこの頃、黒主学園では年に一度女子生徒が男子生徒へチョコレートを送ることができる学園行事「聖ショコラトルデー」の開催を控えていた。
前日当日問わず抜け駆けをしようとする女子生徒は多く、優姫のクラスメイトである新藤撫子のような一見大人しそうな生徒も例外ではなかった。そんな女子生徒たちに対し、体を張って対応する優姫と、「問題を起こすなら行事自体をなくすぞ」と脅しをかける零。女子生徒からの多少の反発を買いながらも、優姫と零は夜間部の秘密を守るべく奔走するのであった。

そんなある日、零に異変が起こる。
見回りをしている最中、夜間部ファンの普通科生徒を追い返そうとした際にうっかり怪我をしてしまった優姫。
そんな時に藍堂と架院が現れ、血の匂いに惹かれ藍堂が優姫の傷口を舐め、牙を立てようとする。
「校則違反」だと言いながら血薔薇の銃で発砲する零。
そこに現れた枢によって藍堂と架院は連行された。

見回りを終え、脱衣所で着替える横を通り過ぎ入浴しようとする零だったが、優姫の血の匂いに誘われ、うなじに牙をたて吸血行為に及んでしまう。

優姫の血の匂いに耐えられず吸血してしまった零

そう、零が抱えている秘密とは、元人間の吸血鬼であるという事実だった。

零は元々、吸血鬼ハンターとして有名な錐生一族の出身だったのだが、4年前、純血種である緋桜閑に襲撃された際に閑に噛まれ吸血鬼になってしまい、以後、黒主灰閻の元で暮らしていたのであった。

零のような元人間の吸血鬼は、いずれ自我を失い見境なく人間を襲うようになるレベル:E(レベル:END)へ墜ちる。

零が吸血鬼だったことも、レベル:Eへ墜ちる運命にあることも知らなかった優姫は、禁止行為であることを理解した上で、吸血鬼化した零をレベル:Eに堕とさないためにと零からの吸血を受け入れることを決め、そして優姫に正体がバレてしまった零は、自分自身が血に飢えた吸血鬼に成り下がった時には自分を殺して欲しいと優姫に頼むのであった。

零が吸血鬼であることがバレた以上、夜間部への転籍をほのめかす枢に、零を夜間部へは入れず、普通科に残して欲しいと懇願する優姫。

考えた末に出された答えが吸血鬼の動きを制御することができるブレスレットを優姫に託すことだった。
零の首に施された刺青にこのブレスレットかざすことで、零の動きを封じることができるため、普通科で零が生活するためには必要不可欠でもあった。

零を守るため、決意を新たにした優姫、翌朝教室へ入ると何やら女子生徒たちが色めき立っていた。
黒主学園に倫理講師・夜刈十牙が赴任してきたのである。
夜刈は倫理の教員免許を持つ反面、ハンター協会に所属する吸血鬼ハンターで、現在存在するハンターの中でもNo.1と称されていた。
そんな夜刈が黒主学園へときた理由は零の監視のためだった。

夜刈の姿を見て教室から出て行ってしまった零を追いかけた優姫。校門までくると、なぜか理事長が待ち構えており、零と優姫にお使いを頼むのであった。
零と優姫は喫茶店へと入ったが、夜間部の生徒と間違われたことにショックを受けた零は優姫を置いて店を後にしてしまう。
一人残されてしまった優姫は慌てて零を追いかけたが、その途中で突如レベルEに堕ちた吸血鬼に襲われる。
優姫を助けるために戻ってきた零は、吸血鬼と対峙。しかし突風が吹き荒れ、零と優姫の目の前に日本刀を携えた一条と支葵が現れ、レベルE化した吸血鬼を粛清したのであった。

なぜ夜間部の2人がここにいて、レベルE化しているとはいえ吸血鬼を粛清したのかを問う優姫。
すると一条は今夜月の寮に来たら理由を話すと言い残し、学園へと帰っていった。

飢餓に苦しむ零へ血を差し出す優姫

夜となり、月の寮へと向かった優姫と零。
「吸血鬼の本性がここにある」と言われ不安な思いを抱えつつ、藍堂と架院に案内されて向かうと、なんと一条の誕生日パーティが開催されていた。
しかし、優姫に祝う気は全くなく、本来の目的である昼間の行動の理由を問い詰めた。
そこで優姫は吸血鬼の世界の序列を初めて知ることとなる。過去、人間と吸血鬼たちの争いが激化し、人間を噛みつき吸血鬼側に引き込んでしまったことから、貴族階級が元人間の吸血鬼の管理をしている。そして元人間の吸血鬼の行く末が、理性を失って人間を襲う獣と成り下がるため、吸血鬼の世界でも同族としては扱われていないこと、必要とあらば始末するのが役目であると聞かされるのであった。

その後も一条の誕生日パーティを楽しむ夜間部の面々。優姫は会場内に零がいない事に気づき、会場を後にし、捜索を始める。
人気のないプールで苦しんでいた零を発見し、心配して駆け寄る優姫に、牙を立てようとする零。
なんとかして二人でプールへと飛び込み危機を脱するが、零が何者かに銃撃されてしまう。
発砲したのは夜刈十牙。零はかつての教え子ではあるが、吸血鬼化したため躊躇なく対吸血鬼用の銃で撃ったのであった。

その後、夜刈は零を監禁。翌日授業を欠席している零を心配した優姫は夜刈から零の居場所を聞き出し、零の元へ向かったが、零は優姫を拒絶。
零は血液錠剤を受け付けない体質で、血液錠剤を全く摂取できていなかったため、激しい飢餓に襲われていた。そんな零の状態を知った優姫は、いけないことだと知りながら、自分の血を零へと差出した。
そして再び夜刈に銃口を向けられた零。しかし、吸血鬼になってもなお、吸血鬼ハンターとして生きようとする零の決意を目の当たりに、夜刈は銃口を下すのであった。

学園編、謎の転校生の襲来

転校早々、純血の君・枢に抱きつく自由奔放な紅まり亜

ある日のこと、夜間部に転校生がくるという。
「紅まり亜」だ。
転向初日から自由奔放で、月の寮ではなく、月の寮が建てられるまえに使用されていた「仮の寮」に住みたいと言い出すまり亜。
そんなまり亜に何かを感じた零。それもそのはず、まり亜は零を吸血鬼にした緋桜閑の遠い親戚であり、黒主学園へ転入してきた時にはすでに、まり亜の体は閑に乗り移られたあとだったのだ。

そんな最中、黒主学園では普通科と夜間部合同の舞踏会の開催を控えていた。憧れの夜間部とお近づきになれるかもしれないと浮き足立つ普通科の面々だったが、その前に予定されている定期テストで成績不良のクラスには裏方作業が待っていた。常にテストの成績が悪い優姫はクラス委員長である影山霞から目をつけられてしまい、同じ風紀委員でありながら成績の良い零に勉強を見てもらう事となる。だが、零の様子がどこかおかしい。その原因がまり亜である事に気付いた優姫は、なぜ零がまり亜のことを気にしているのかを探るべく、月の寮へ潜入。そして零がまり亜に銃口を向けているところに遭遇してしまう。
そこで、優姫はまり亜の正体が緋桜閑である事、閑が零の家族を殺し、零を吸血鬼にした張本人であることを知ったのであった。

ある目的から黒主学園に来た閑に対し殺意衝動に駆られ続ける零。そんな零の力になるため優姫は閑に取引を持ちかけ、自らの体を差し出すことを決意。
しかし、寸前で零が二人を止めに入るが、主である閑に対して攻撃できず、なんとか自分を取り戻すために、自らの足を血薔薇の銃で撃ち抜くのであった。

その後零のそばから離れ、一人になった閑のもとに枢がやってくる。
二人は何やら会話を始め、枢は「ある人のために行動している点では、自分と共通している」と閑に告げ、そのまま胸部を貫いたのだった。

同じ純血種である閑に深傷を負わせる枢

「僕が必ず滅ぼしましょう。僕たち純血種の運命を狂わせたものを」と告げ、閑の最後を見送った枢。

同時刻、優姫と零、壱縷は4年前の襲撃事件の夜のことで対峙している真っ只中だったが、閑の血臭に気付いた壱縷は閑のもとへ駆けつける。
壱縷のあとを追いかけてたどり着いた部屋で見たものは零にとっては最悪の状況だった。
閑は死亡しており、その状況から推測される犯人は零。
そして閑の血が飲めなかったことにより、零のレベル:E化は確実のものとなってしまったのである。

禁忌である純血種殺しの濡れ衣を着せられた零。
元老院より処刑判決が下り、黒主学園で元老院の吸血鬼からの襲撃に遭う。
そんな零を助けたのが、事前に枢からの呼びかけに応じていた夜間部の面々と枢だった。
枢の純血種の力で襲撃者は撃退され、学園に干渉することがないよう元老院に釘を刺すのであった。

学園編・真の敵

優姫が街で出会った吸血鬼の子供

ある日、ハンター協会からの指令で吸血鬼の夜会の監視をすることとなった零。
一方、優姫は街で迷子の子供と遭遇し、その子供の親を共に探しにいく。しかし、その子供の正体は吸血鬼で、優姫はその吸血鬼の子供に正気を吸われ、その場で倒れてしまう。

その日の夜会に参加予定だった枢たちは倒れている優姫を発見し、そのまま保護することに。
しかし、夜会には数多くの吸血鬼が参加しており、人間である優姫が会場にいることが危険であることがわかっている枢は、窓のない部屋に優姫を閉じ込めるのであった。

しかし街であった子供に誘われ部屋から出てしまった優姫。
それに気付いた枢はお仕置きと称して優姫に自分を抱きしめさせ、吸血鬼になって自分と長い時間を共に生きるかと問いかけるのであった。

長期休暇に入ろうとしていた学園では、閑に体を乗っ取られ、以後眠っていた紅まり亜が目を覚まし、閑との取引内容、そして錐生家襲撃事件のきっかけとなった閑の恋人殺害には黒幕がいることを零に伝える。

そして優姫にも徐々に変化が訪れる。

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