電波女と青春男(アニメ・漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『電波女と青春男』とは入間人間原作のアニメーション作品。「宇宙人が見守る町」を舞台としたラブコメ。

『電波女と青春男』の概要

2011年4月~6月にTBSやBS-TBSなどで放映されていたアニメーション作品。
原作は入間人間のライトノベルシリーズ。他には『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』などで有名である。
総監督は新房昭之、制作会社はシャフトが務めている。

13話構成で進行していたが、東日本大震災の影響でスケジュール変更を余儀なくされ、13話は未放映で終了した。
しかし、映像メディアに収録されたり、後にBS-TBSで放映された。

『電波女と青春男』のあらすじ・ストーリー

一章:宇宙人の都会

主人公の丹羽真は両親の海外赴任に伴って、叔母である藤和女々の家でお世話になることになっていた。
その女々の家がある町は、UFOの目撃情報が多いことなどから「宇宙人の見守る町」と呼ばれていた。

女々には夫も子供もいないと聞いていたが、玄関をくぐった先には上半身が布団でくるまれている状態の藤和エリオがいた。
しかし女々は、エリオがまるでいないかのように振舞っており、真はその状況に困惑する。

明くる日の転校初日、午前中で授業が終わったので早々と真は帰宅した。家へ入ると、暗い部屋の中、上半身が布団にくるまれた状態でテレビの前に座っているエリオを見つける。
真はエリオに対していくつか質問を投げかけてみるも、不思議な回答しかしないエリオ。
ここで何をしているかと聞くと、宇宙からの物質提供を待っていると答えた。不思議に思いながら一緒に待っていると、宅配ピザが届いた。それはエリオが注文したピザであった。
ピザを食べる瞬間は布団を外すと思い、素顔が見れると期待したが、布団にくるまれた状態のままピザを食べるエリオを見て、ただただ驚く真であった。

その後、女々から電話で夕ご飯は任せるという旨の連絡がくるも、家には食べるものがなかったため、真とエリオは一緒に買い出しへと出かける。
真が自転車をこぎ、前かごに布団にくるまったままのエリオを入れ、コンビニへと向かった。
店内に一緒に入りたいというエリオに真は、その格好では入れないと告げると、もぞもぞと布団を外し始めた。
布団を外した素顔のエリオは、美しい少女であった。

布団を外してもなお「私は宇宙人」「地球は狙われている」と電波なことを言い続けるエリオに対し、淡泊に「あっそ」と言い返す真であった。

二章:失踪する思春期のレヴェリー

真はクラスメートである流子と一緒にお昼ご飯を食べたり、前川さんと一緒に下校したりしたりと、青春らしい行動をしたときに加算される「青春ポイント」を稼ぐべく様々なイベントを楽しんでいた。
ある夜、海に行きたいというエリオを連れて出かけた帰り道、サンドイッチのコスプレをした前川さんと出会う。
そこでエリオが半年間失踪していたこと、自分が宇宙人だと名乗り始めたこと、そして高校を退学したことを知る。

帰宅後、リビングで女々からエリオの過去について聞く真。
エリオは自転車で橋から川へ飛び込むことで宇宙人であることを示そうとしたが失敗。
骨折して入院することになり、その後から布団を体に巻き付けるようになっていたのだった。

三章:地を這う少女の不思議な刹那

学校生活には慣れ始めた真であったが、家庭生活にはまだ慣れずにいた。3日1度はエリオと共に海を訪れる生活を送っていた。
そんな中、前川さんとは時々夜に遭遇し、話をするようになっていた。
ある日、町を案内してくれるという流子と休日に会うことになった。
ファミレスで話したり、駅前を案内してもらったりと楽しい時間を過ごしていた。
その帰り道、エリオと遭遇する。真は、記憶がないことを宇宙人のせいだと言い張るエリオに対して、イライラし始めていた。
そんな真に対して、女々はエリオのことを放っておいてほしいと伝える。

しかし真は、そんなエリオに現実逃避をやめさせるために、ある賭けに出る。
真はエリオに、「宇宙人であるならば空を飛べるはずだから、自転車に乗って一緒に空を飛ぶ挑戦をする。もしも飛べなかったら地球人に戻ること。」を提案をする。
その提案の真意は、ギリギリまで崖に高速で近づき、エリオが恐怖をちらつかせたら進路修正し、帰路につくという、エリオを根負けさせるためのチキンレースであった。

いざ始めようとエリオを前かごに乗せて坂道を下り始めると、普段は出ない速度で自転車が走り出し、ブレーキが故障する。そしてそのままガードレールを飛び越え、海へと落下していった。

しかし、結局飛べなかったことから、エリオは自分が地球人だと認めた。

四章:右腕骨折全治一箇月

エリオの現実逃避をやめさせるために、エリオとともに自転車で崖から海へと飛び込んだ真は右腕を骨折し、入院していた。

見舞いには、女々や流子が訪れた。
流子は中間提出前だからと、授業のノートのコピーを届けに来てくれた。
そして、海へと飛び込んだのは自殺をするためだったのかと心配をしていた。そんな会話をしているときにナスのコスプレをした前川さんが訪れる。

前川さんは流子に、エリオと真がいとこの関係であることを告げてしまう。そして真自身はエリオと一緒に住んでいることを話してしまう。

入院生活は2週間で終えて家に帰ってくると、玄関中にメモが貼り付けられており、茫然とする真。
冷蔵庫にお祝いのケーキが入っているというメモを見つけ、冷蔵庫を開けると、そこには真を驚かそうと、女々が入っていた。

退院祝いに外食に行くという女々は真に、エリオを呼んできてほしいと告げる。
エリオの部屋へ行くと、エリオは改めて地球人として真に自己紹介をするのであった。

五章:サンクスギビングの憂鬱

6月6日、女々の40歳の誕生日。エリオからプレゼントをもらった女々は、去年のエリオの誕生日を祝い損ねたからと、明日はエリオの誕生日として祝おうと計画する。

翌日の学校で、真は流子に、エリオの誕生日プレゼントを一緒に選んでほしいと頼むも、断られてしまう。
帰り際、前川さんにそのことについて話すと、前川さんのアルバイト先の和菓子屋「火星儀」へ連れて行かれ、わらび餅を買うこととなる。

帰宅すると、ツインテールの女々とエリオが玄関で出迎えてくれた。そこでエリオは、相談があるからと真を部屋に誘う。
部屋へ着くとエリオは、社会復帰をするために働きたいと真に相談する。

その後、社会復帰したいということを女々にも告げると、まずは髪を整えた方がいいと言われ、エリオは真が運転する自転車の前かごに乗って美容院へ向かう。
そして、面接先へと向かっていった。しかし、エリオの布団をかぶったまま町を歩くなどの行動は町中で有名であり、そういった人は雇えないとその場ですぐに断られてしまう。

家へ戻り、女々に今日の面接はダメだったと伝えると、エリオに合った勤め先を見つけたと教えてもらう。

そして次の日、田村商店という駄菓子屋へ向かう。そこは女々の祖母である田村さんがいた。結果として、エリオは田村商店で働くこととなった。

六章:リュウ『コ』さんの、なんちゅーか、もやーっと

エリオが田村商店という駄菓子屋で働き始めた。
そんなある日、田村商店の常連である流子と流子の友人であるミッキーが店へやってくる。
エリオの変わった性格に悪印象を持っていたミッキーは、田村商店に来るのはもうやめようと言い出す。

次の日、流子は真に助言をするために、田村商店を見張っていた。
そのとき、他にも見張りをしている人物を見つける。その1人は女々であり、もう1人は牛がしているような番号札のピアスをしている男性、安代だった。

真が現れ、田村商店へと乗り込んだ流子。
そして、エリオといとこの関係である真が学校で孤立してしまうのではないかと心配し、話を持ち掛ける。
それを受け、真はエリオとの付き合い方を考えると答えた。

ある日、前川さんと真は食堂で一緒に昼食をとっていた。そのとき、前川さんは藤和家に遊びに行きたいと持ち掛ける。
その日の帰り際、その情報を知った流子は自分も行くと言い出したため、3人で藤和家へと向かった。

部屋で楽しい時間を過ごし、流子と前川さんは帰宅しようと玄関へ向かったとき、ちょうど帰宅した女々と鉢合わせる。
そこで女々は晩御飯は4人で作るのはどうかと持ち掛ける。
前川さんは必要なものがあるからと一度帰宅するといい、女々と共に出かけて行き、玄関先には真とエリオと流子が残されていた。

七章:誰かさんの思い出になる日

和菓子屋「火星儀」でアルバイトをしている前川さんの元に、コーラのペットボトルが5本が届く。
そこには、「毒は入っていません、普通のコーラです。俺は炭酸飲めないので差し上げます。」という手紙も添えられていた。
そのことについて、店長よりよく働く火星儀の店長代理、小牧さんに相談する。
しかし、後で飲むので冷蔵庫に入れておいてと言われ、話は終わってしまった。

前川さんは、そのペットボトルは最近ペットボトルロケットを打ち上げている人物から送られてきたと推理し、ペットボトルロケットの打ち上げが行われていると思われる場所、廃校へと向かう。

そこで安代と出会う。なぜペットボトルロケットを飛ばしているのかと聞くと、ただの趣味で本物のロケットを打ち上げることができないから、と答えた。
そして、前川さんは安代から、ペットボトルロケットの制作依頼をされる。1つ5000円でと頼まれた前川さんは、その依頼を引き受ける。

ある日、前川さんが何かを持ってくるということで、真とエリオと流子は藤和家に集まっていた。
そこへ、白衣をまとい、ペットボトルロケットの材料を大量に抱えた前川さんが現れた。
明日、海でペットボトルロケットの打ち上げをするということで、みんなで作ることになった。

ペットボトルロケットを作り終えた後、各自で思い思いの料理を作ろうと、晩御飯の準備に取り掛かった。
出来たものは、真は目玉焼き丼、エリオはハム丼、前川さんは親子丼、流子は鶏肉抜きの親子丼であった。

作業に時間がかかってしまったため、この日は前川さんも流子も藤和家に泊まることになった。
ベランダで考え事をしていた真の元に、流子がやってきた。
明日は自分の誕生日だと告げる流子に、明日のペットボトルロケットを打ち上げた後にお祝いしようと提案する真。

そしてその後、真はエリオとの関わり方について話しだした。
真はエリオが同級生に絡まれていたら、俺はエリオの味方をすると告げると、流子は複雑な表情を浮かべた。
しかしそこで流子は、エリオの味方にはならないけれど、真の味方にはなると話す。

次の日、海辺へと向かうと、安代がペットボトルロケットの準備をしていた。
そして、それぞれが自分のペットボトルロケットの打ち上げの準備を始めた。

八章:ツィオルコフスキーの祈り

6月8日。エリオから働きたいという報告を受けてから、女々はどうすれば娘が働けるのかについて考えていた。
女々は田村商店へと向かい、祖母である田村に田村商店でエリオを働かせることについて切り出す。

6月12日。ペットボトルロケット6月12号を作った女々は廃校へと向かい、ペットボトルロケットを打ち上げている安代に会う。
そして、ペットボトルロケットの打ち上げを手伝ってほしいと頼み、早速打ち上げる。
安代は女々に、なぜペットボトルロケットを作っているのかを聞くと、宇宙人をやっつける準備だと答えた。
打ち上げも終わったからと帰ろうする女々に、安代はプロポーズをする。しかし女々は逃げ帰っていった。

帰宅後、女々は初恋について思い出していた。相手は、エリオットという外国人の男の子だった。
幼い頃、田村商店に遊びにきていたとき、そろそろ自分がキャトルミューティレーションされるという田村に対して、女々は助ける術も思いつかず、もやもやとしていた。
そこでエリオットはやっつけちゃえばいいんじゃない?と持ち掛けた。
どうやって?と女々が聞くと、見えないものに触れるには信念しかない。信念を表すのに必要なものは儀式と祈りだと話した。

翌日、安代へと会いに廃校へ向かう女々。そこでプロポーズを正式に断った。
すると安代は、女々にプロポーズした経緯について話し始めた。
子どもの頃から好きで、仕事をやめてこの町へ帰って来たときに女々を見かけ、昔と変わらない様子で自転車に乗っている姿に改めて目を奪われたということだった。

その後に安代は、エリオへ向けてペットボトルロケットを打ち上げていたと打ち明ける。それはエリオの母親である女々の気を引くためだった。
しかし、和菓子屋「火星儀」で働いている前川さんが女々の娘だと勘違いしていた。
その日の帰宅後、前川さんに真とエリオにもペットボトルロケットを作らせてあげてほしいと女々は頼んだ。
そしてその夜、女々は田村商店へと向かい、田村に明日は海へ行かないかと誘った。

次の日、どんどんとペットボトルロケットを打ち上げていく中、最後に火薬を詰めたペットボトルロケットを打ち上げた。
盛大に爆発をするペットボトルロケットを見て驚く田村。
なぜ最後にペットボトルロケットを盛大に打ち上げたのかというと、そろそろキャトルミューティレーションされると言っていた田村の中の、無気力という宇宙人を倒すためであった。

九章:地域限定宇宙人事件

夏休みに入る前、真は流子と前川さんとメールアドレスの交換をした。
その日の帰宅後、真は前川さんから草野球チームに入らないかと連絡を受ける。人数が足りない日に助っ人として入ってほしいという前川さんの誘いに、承諾する。

草野球のチームは、都会チームと商店街チームという名前でわかれていた。
この町は、急速発展した都会側と旧世代の街並みの商店街側で隔たりがあり、どちらに側に住んでいるかによって、属するチームが変わるのであった。

草野球チームのメンバーとして初めて参加したある日、中島という男と知り合う。
中島は、真と少し踏み込んだ話をすると空気が微妙になると言っており、真は疑問に思っていた。
試合が終わり、真が所属している商店街チームは負けてしまった。
都会チームのピッチャーである花沢さんを攻略できないとこちらのチームに勝利はないという前川さんに、真はチームの今後を託される。
その日の夜、天体観測へ行こうとエリオに誘われ、家の庭へ出る真。そこでエリオは、自分も草野球を一緒にやりたいと伝え、参加することになる。

エリオが初めて草野球へと参加した日、野球場の近くの公園へ来ていた流子がグラウンドへと現れた。
流子は、中島と気まずそうに挨拶を交わした後、公園へバスケの自主練をすると去っていった。

試合が始まり、エリオの初打席。エリオの打った球は謎の宇宙服を着ている人物に直撃。
倒れてしまい、ベンチへと運ばれていった。とりあえず謝ろうと、真とエリオはその人物の元へと駆け寄った。
すると突然、その人物は自らが超能力者だと名乗りだした。

十章:軒下少女

エリオの打った球が宇宙服を着た人物に直撃し、一時はどうなるかと思ったがすぐに復帰。
結果として、真の所属する商店街チームは負けてしまう。
その翌日も試合をしたが、負け続けていた。

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