安達としまむら(あだしま)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『安達としまむら』(あだちとしまむら)とは入間人間によって執筆された、二人の女子高生が抱く複雑な人間模様を描いたライトノベル作品及び、それらを原作としたアニメ作品である。2020年10月から12月まで、手塚プロダクションが手がけたテレビアニメが放送された。略称は「あだしま」。体育館の二階で出会い、友達になった安達としまむらという二人の女子高生が主人公。日々の中で、安達はしまむらに対し特別な感情を抱えるようになる。自身の抱える感情に苦悶しながらも、二人は少しだけ変わった日常を歩んでいくことになる。

『安達としまむら』の概要

『安達としまむら』(あだちとしまむら)とは入間人間によって執筆された、二人の女子高生が抱く複雑な人間模様を描いたライトノベル作品及び、それらを原作としたアニメ作品である。2020年10月から12月まで、手塚プロダクションが手がけたテレビアニメが放送された。略称は「あだしま」。
体育館の二階で出会い、友達になった安達としまむらという二人の女子高生が主人公。
女子高生である安達としまむらは、体育館の2階で出会い、友達になった。二人は好きなテレビや料理のことを話したり、卓球をしたりと普通な日常を過ごしていたが、やがて安達はしまむらに対して特別な感情を抱くようになる。自分の中に生まれた感情に苦悶しながらも、安達はしまむらと日々を過ごしていくことになる。
本作では、一節ごとに地の文の「誰からの視点か」が決められており、基本的には主人公である安達またはしまむらのどちらかの視点で物語が進行する。

『安達としまむら』のあらすじ・ストーリー

安達が抱える思いの芽生え

女子高生の安達としまむらは、サボり場所として身を潜めていた体育館の二階で出会い、仲良くなった関係だ。二人はいつものように卓球をしたりしながら授業をサボっていた。ある日、安達はしまむらが知らない人達と一緒に下校している場面に遭遇し、目を合わせたものの声は掛けなかった。
次の日、昨日の件でいつもの場所には微妙な空気が流れていた。そんな中しまむらから「今日授業受けようと、今日一緒に帰ろうならどっちがいい?」と提案される。安達は一緒に帰ることを選び、その帰り道で「友達はいるか」というしまむらからの質問に「しまむらくらいかな」と返したのだった。
後日、しまむらは日野 晶(ひの あきら)に誘われやって来た釣り掘で、ヤシロと名乗る人物と出会う。ヤシロは未来人を自称し、宇宙飛行士風の衣装を纏っていた。「変なやつ」との出会いのエピソードを安達に語るしまむらだったが、安達は特に関心を示さなかった。その日の帰り道、ドーナツを食べている安達としまむらの前にヤシロが現れるが、安達は二人の会話に入れずその場を離れてしまった。安達は徐々に、自分がしまむらに独占欲を抱いていることを自覚し始める。

しまむらと過ごすことを選んだクリスマス

放課後、しまむらの家に上がり二人で過ごしていた安達だったが、恥ずかしくなり急に家を飛び出してしまう。次の日はいつもの場所にも教室にも安達の姿が見えなかった。しまむらはメッセージを送ったものの、既読にならないので家に行ってみることにした。家から出てきた安達としばらく会話をした後、安達はしまむらを遊びに誘う。
約束の日、待ち合わせ場所にはしまむらの他にヤシロも来ていた。3人でボウリングなどをして過ごしていたが、安達とヤシロの二人から求められ、しまむらはどちらかを選べずに疲れてしまうのだった。
明確にしまむらへ好意を持っていることを確信した安達は、今年のクリスマスを何とかしてしまむらと過ごせないかと悩むが、想像が膨らむばかりで全く行動に移せない。そんな時、偶然日野に声を掛けられたことがきっかけで、安達は勉強を口実にしまむらの家に行くことに成功した。勇気を出してクリスマスの予定を聞いた安達は、無事しまむらと過ごせることになる。
次に当日交換するプレゼントについて悩み出した安達は、日野からしまむらが好きなお茶についての情報を聞き出した。日野と共に現地調査に赴く安達だったが、そこでしまむらと永藤 妙子(ながふじ たえこ)が一緒にいる姿を目撃してしまう。
少しもどかしさを感じた安達だったが、しまむらも永藤のアドバイスを頼りに安達へのプレゼントを探していたところだった。一日中遊んだ後、公園でプレゼントを交換する二人。安達はしまむらから貰ったブーメランを大事そうに部屋に飾ったのだった。

バレンタインとしまむらの旧友

しまむらと通話をしながら年を越した安達。冬休みも終わった2月のある日、安達はしまむらをショッピングモールへ誘い、バレンタインに遊ぶ約束を交わす。時を同じくして、肉屋でかつての友人、樽見(たるみ)と再会したしまむら。後日、樽見から不在着信が来ていたが、しまむらはそれに応じなかった。
一方の安達はテレビで見た占いを真に受け、星座を聞き出したり髪型を変えたりして自身としまむらとの相性を確かめようとする。しまむらは不思議そうにそんな安達を見守っていたが、再び樽見から連絡が来て一緒に会うことになった。
バレンタイン当日の放課後、安達は「一緒に名古屋へ行こう」としまむらに提案した。しまむらは急に吹き出し、安達の提案を受け入れた。名古屋駅でチョコを買った安達は、しまむらとお互いのチョコを交換することに成功する。実はしまむらも昨日、樽見と名古屋へ来てチョコを買っていたのだった。
さらに安達は電光掲示板の前に案内され、そこに表示された「これからも仲良くしていこうね!」というしまむらからのメッセージに頬を綻ばせたのだった。

進級を機に変わり始める関係

2年生に進級し、再び同じクラスになった安達としまむら。しまむらは女子3人組と昼食を一緒にとるなど、何となくクラスに馴染みつつあったが、そんなしまむらを見た安達は再び教室に姿を見せなくなった。
ある日、しまむらは再び樽見に誘われ食事をすることになる。しかしあの頃のような関係に戻ることはできず、ぎくしゃくしたまま別れてしまった。しまむらは樽見と過ごしている間も、姿の見えない安達のことを考えていたのだった。
安達は人間関係をうまくこなしているしまむらと距離を感じてしまい、教室から逃げだして体育館の2階にいた。しかししまむらではない別の誰かが本を読みに来たことで、いつもの場所すらも追い出されてしまう。無意識にショッピングモールをふらついていた安達だが、そこでシャーマンのような女性に声をかけられる。女性からアドバイスを受け、もう逃げないと誓った安達は進級して初めてしまむらに声をかける。そして帰り道で、しまむらが他の子と一緒にいたことに嫉妬していたことを明かした。しまむらはそんな安達の頭を撫で、二人は再び以前のような関係に戻る。その夜の電話で、しまむらは「どんな形でも誰かに大事に思われるのは悪い気はしないよ」と安達に話し、自身の抱える感情を肯定してもらえた安達は電話越しに涙を流したのだった。

変わらないまま変わった関係

日野と永藤がお泊り会をする、という話を聞いた安達は、しまむらの家にお泊りがしたいと提案した。土日で連泊したいという安達の提案を、しまむらは困惑しつつも受け入れた。お泊り会当日の朝、安達は大量の荷物を抱えてしまむらの家にお邪魔すると、一緒に朝ごはんを食べながらしまむらの家族とも触れ合う。初日は特に何もないまま終わってしまったが、二日目の夕方、安達はしまむらの母から、「あの子面倒くさがりだし、引っ張っていくの大変でしょ?」と学校での様子を聞かれる。安達が「逆です。私がいつもリードされています」と返すと、しまむらの母は意外そうな顔をしていた。
その後買い物から帰ってきたしまむらは、安達にお揃いのヘアピンをプレゼントする。安達は喜び、勢いのままに「しまむらと一緒に寝たい」と提案した。
しまむらに腕枕されながら眠った安達は翌日、しまむらと一緒に登校する。安達が「しまむらの席の近くになれますように」と願っていたその日の席替えでは、二人の席は微妙に離れてしまった。
後ろの席から安達の背中を眺めるしまむらは、安達を「目の前に咲く桜」と形容し、それを求めようとしていたのだった。

『安達としまむら』の登場人物・キャラクター

主人公

安達(あだち)

本作の主人公。黒髪のショートヘアーで一人称は「私」。しまむらと比較すると背も高く体つきも大きいがやせ型の体型をしている。しまむらがイメージする動物は「犬」であり、安達自身も自分が犬みたいだと思っている。
たまたま同じ体育館の2階で授業をサボっていたことをきっかけにしまむらと知り合い仲良くなって行くが、しまむらとキスをする夢を見た日を境にしまむらに特別な感情を抱くようになる。最初の頃は彼女に対する想いを否定していたが、カラオケに行った帰りの公園でしまむらに頭を撫でられたことで、自分の想いが本物だと確信する。
しまむらに告白したいと思っているが、しまむらと対面すると緊張して空回りしてしまう。しかし結果的にこれらの行動によってしまむらとの距離は縮まっていくことになる。
授業にはほとんど出ずに体育館の2階でサボっており、教師も生徒も公認の不良少女。周囲からは冷たい印象と見られがちだが、実際は感情表現を出すことと人付き合いが苦手なだけであり、根は真面目で周囲に気配りが出来るなど生活態度はしっかりしている。学校の成績はしまむらより良い。
非常にネガティブな性格であり、自身の過去の言動を引きずってしまうタイプ。極限までパニックを起こすと「なんだばしゃあ」と意味不明の言葉を発してしまう。計画性は高く、クリスマスにしまむらから遊ぶ場所を決めて欲しいと言われた際は同じ場所に3回下見に出かけたり、しまむらの家に泊まる際は用意周到に荷物を準備して予定より1時間前から向かっている。また礼儀正しい一面もあり、しまむらの母親など年長者に対してはしっかり敬語を使っている。
好きな食べ物としてミネラルウォーターを挙げており、しまむらから「植物か」とツッコまれている。
しまむらと出会う以前から中華料理店でアルバイトをしており、仕事中はチャイナドレスを着用している。一度チャイナドレス姿をしまむらに褒められたことを覚えており、クリスマスに出かけた際はチャイナドレスを着てきた。
終盤になって安達 桜(あだち さくら)とフルネームが明かされた。

しまむら

声:伊藤美来
本作のもう一人の主人公。一人称は「わたし」。ロングヘアーを栗色に染めていたが、2年生への進級時に黒髪に戻している。安達と比較すると背も低く小柄な体型だがスタイルは良い。安達がイメージする動物は「猫」。
あだ名は「しまむら」で、作中でも平仮名で「しまむら」と表記される。自分の苗字を他人に呼ばれるとどうしても某衣料品チェーン店に聞こえるのが不満で、苗字は島崎とかが良かったらしい。樽見からは「しまちゃん」と呼ばれており、下の名前で呼ぶのは家族だけ。
安達ほどではないが授業を受けるのが面倒だという理由で授業をサボっている。サボり先で知り合った安達と仲良くなってからは一緒にサボっていたが、安達が授業に出るようになってからは一緒に授業に出ることが多くなった。
面倒臭がりな性格で、安達と違い自身の過去の言動をあまり気にしないタイプ。小学生までは無邪気で明るい性格だったが、中学生のある時期を境に全てのことに対して面倒になり、人や物に関心を持たない現在の性格に至っている。安達と出会うまでは表面上だけの薄い人間関係を築くようにしており、基本的に自分の方から動くことはしなかったが、安達に対しては積極的に自分から行動を起こしている。
しかし安達が自分に向ける思いには気付いておらず、安達が自分に甘えてくるのは親から愛情を受けてない故の行動だと思っており、安達に対して姉のように接している。しまむら自身は安達に特別な感情は持っておらず、安達を自分の一番の友達として接している。
安達の方が自分より美人だと思っている節があり、安達に容姿を褒められてもお世辞としか思っていない。
好きな食べ物はお好み焼きと玉子焼き。中学時代はバスケットボール部に所属していた。小学生の妹と両親との4人暮らし。
終盤で島村 抱月(しまむら ほうげつ)とフルネームが明かされた。

安達としまむらの友人

日野 晶(ひの あきら)

Quato2
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