tosetoseu3@tosetoseu3

tosetoseu3
tosetoseu3
@tosetoseu3
1 Articles
3 Reviews
0 Contributions
0 Likes
tosetoseu3

tosetoseu3のレビュー・評価・感想

怒首領蜂
9

弾幕シューティングの原点、金字塔

一般的なシューティングゲームと言えば、ちょっと古いものだったら「ゼビウス」や「ギャラガ」を思い浮かべるだろうし、最近はSTG自体の凋落が激しい。
そんな中、私はこの弾幕系の原点と呼べる作品をお勧めしたい。
まず難易度についてだが、はっきり言って鬼のように難しい。
動画サイトで調べればこのゲームのプレイ動画が出てくる。
それを見れば「怒首領蜂」の恐ろしさが分かるだろう。
初心者お断り感がひしひしと伝わる、画面を埋め尽くす凶悪な弾幕。
私は芸術とも言える美しい弾幕に魅了されてしまったのだ。
そして初めて「怒首領蜂」にゲームセンターで触れた時、最初は意味も分からないまま、
次々と沸いては大量の弾を吐く敵にあっという間にやられてしまった。そして思ったのだ。
「あ、このゲーム楽しい」と…。正直に言う。最初からそう思える人は少ない。プロプレイヤーでさえ、最初は投げ出すほどだと聞く。
星を一つ減らした理由はこれが理由だ。CAVEよ、なんてものを世に出してくれた。
だが私はその色彩、弾数の暴力、それをかいくぐるプレイングを楽しいと思えた。
「怒首領蜂」に限らず、弾幕系STGの醍醐味はここにある。
このゲームはよく「パターンゲー」と言われる。
やっていくうちに敵がどう動き、どういった弾を撃ってくるか、どうすればヒット数を繋げられるか、それが分かってくるのである。
なので最初はその魅力に気付きにくい。「スルメゲー」との評が多い理由でもある。
だが初心者でも、敵の弾幕を潜り抜け、強い自機性能でねじ伏せる爽快感を味わえるようにちゃんと調整されている。
3種類ある機体はそれぞれ性能に差があり、自分に合ったものを選べる。
一周目はパターンが構築しやすくなっている。ボムでゴリ押しもできる。それさえできれば、クリア自体は難しくない。
だから一回だけでもまずは味わってみてほしい。このゲームの恐ろしさと、美しい弾幕に突っ込んでいく他では味わえない感覚を。

H2 / エイチツー
9

最終回後を読者に想像させたくなるあだち充漫画の傑作品

舞台は高校野球。中学時代同じ野球チームだった国見比呂(以下、比呂)と橘英雄(以下、英雄)。主人公の比呂はピッチャー、英雄はスラッガー。比呂と英雄は野球のライバルでありながら親友でもある。英雄には雨宮ひかり(以下、ひかり)という彼女がいる。そのひかりを紹介したのは比呂である。比呂とひかりは幼なじみの関係。比呂の初恋は、ひかり。これは、比呂は中学時代まで体も小さいが心の成長も遅かったこと「思春期がずれていた」とことによるもの。比呂の初恋相手がひかりだということは、作中では中盤までふせられている。
比呂は偽医者による診断で、野球部のない千川高校に入学する。そこには高校野球好きな古賀春華(以下、春華)がいる。後に、偽医者による誤診だったことがわかり、比呂の高校野球はスタートする。野球愛好会から野球部をつくり、本格的に高校野球の世界に入っていく。春華は比呂に好意を抱き、比呂も春華に好意を抱いていく。そのまま、物語はすすむのかといえば、そうはさせてくれない。
高校2年生の夏、比呂と英雄はそろって甲子園に出場が決まる。順調にいけば3回戦で戦うことになるはずっだったが、2回戦で比呂の千川高校が負けてしまう。翌朝、早朝、比呂とひかりは出会う。ここで、比呂の初恋はひかりだったことを比呂がひかりにつげる。思春期がずれていたせいで恋愛では戦えなかった英雄と、大好きな野球で戦うことで英雄の存在をはかりたかった比呂。しかし、試合に負けて、また戦うことのできなかった比呂。涙を流す比呂をひかりは抱きしめる。その姿を、春華は見てしまう。
ここから物語は急展開する。誰と誰がくっつくのかわからなくなり、「もしかしたら…」という思いで読み進めるようになる。
タイトル「H2」はダブルヒーロー&ダブルヒロインのイニシャルからきたもの。ヒーローの2人、比呂、英雄のイニシャルもH。ヒロインの2人、ひかり、春華のイニシャルもH。この四角関係は物語の最後まで続いていく。
終盤、ひかりの母が亡くなることをきっかけに、物語はクライマックスへいっきにボルテージをあげていく。
そして、高校3年生の夏、甲子園で戦うことになる比呂と英雄。試合の勝敗もさることながら、四角関係のゆくえもどうなるのか最後までわからない物語。
最終回後の展開を、それまで伏線の考察を、誰かと話したくなる物語です。

東京喰種トーキョーグール / Tokyo Ghoul
8

両者への感情移入が止まない。

人間と人間を食らう喰種と呼ばれる人の形をした化け物との間に起こる物語。主人公の金木研は喰種と関わり事件に遭い臓器移植により一命を取り留めるが食べ物ではなく人間に対して食欲が湧くようになり自分が喰種であると自覚してから物語が始まります。
この物語は世間の常識として喰種は人間を食べる化け物として扱われているが喰種から見たらどうなのか、ただ腹を満たすために生きているのだろと考えるだろう。しかし金木研は喰種に触れ大切なもの、守りたいものが彼らにもあると知るが言った所で伝わらないと言った言葉では表せない壁が存在する。金木研は珍しい存在で色々なものに狙われ苦しい思いをしながらも守りたいもののために戦うといった苦悩と葛藤の繰り返しの描写が読者の心を痛めると同時に続きが気になってしまう作品です。

無印の方は画が好きじゃないと思う人もいるのでしょうがそれを感じさせない戦闘シーンや拷問シーンの表現力が読者すらもその感情に呑まれるでしょう。
Reでは捜査官側として物語が進んでいき自分を思い出し喰種や人をベースに実験する科学者の嘉納の残虐極まる実験を前に戦う喰種に違和感を感じた捜査官の人間も敵として対峙し命令に従うが局長の旧多が喰種側と捜査官側の両方から見ても黒幕だと知ると今まであった見えない壁が取れたかのように共闘し最高クラスの敵と戦う。読み進めていくとこの物語の両者の誤った認識の中に両者の正義がありどちらにも同情してしまいそうになる美しい物語が見えると同時に人間と喰種どちらも敵になり得るドロドロとした内情に昂ってしまう作品でした。
Reになれば話は難しくなりますが画が芸術にも見えるほど良い作画になっていますので読んでいて飽きてしまう読者は少ないのかなと思います。