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kazukunn3のレビュー・評価・感想

HUNTER×HUNTER / ハンター×ハンター
10

蟻編は漫画界の最高傑作

蟻編を書いた冨樫先生は、キャラクターを思うように動かしたらこういう展開になったと言っていましたが、キャラクターがまるで生きているかのような展開で、ドキドキハラハラ時に悲しいという色々な要素を持ち合わせています。話のスケール、伏線の張り方、回収方法、話の展開方法が私の読んだ漫画の中では、最高傑作だと思っています。だからこそ誰にでも愛される作品になったのでしょう。

特に蟻編で面白いのが、メルエムがコムギとの軍儀を通して人間ぽくなっていく(元は人間と蟻のキメラなので、人間らしさがあるのは当たり前だと思うのですが…)姿です。
国の王を担うメルエムが、感情を抱きはじめることで、人間らしさを出し始めるだけでなく、人間を対等に扱う姿に胸が熱くなります。「ああ、メルエムも人間だったんだ…」と再認識させられる、そんな展開です。ここがかなり感動します。

バトルも申し分なく、色々な人が色々な場所でバトルを繰り広げます。有名なところでいうと、ゴンVSネフェルピトーのシーンで、ゴンがゴンさんと言われるほどに成長した姿で戦闘するシーン。ここは、ゴンが大人になった姿と言われています。だからこそ、これ以降の話でゴンの念能力が使えなくなってしまうのですが、それは読んでからのお楽しみにして欲しいです!
ゴンがどんな思いで戦っているのか、どうして格上相手のネフェルピトーを倒そうとしているのか、そこのゴンの感情にも熱くなるものがあるので、まだ読んだことない人はぜひ読んで欲しいです。

ゴールデンカムイ / Golden Kamuy / 金カム
9

巧みなストーリー構成・魅力的なキャラクター

主人公を始めとして各キャラクターの行動原理や動機が明確でわかりやすく物語に入りやすい。
史実やその土地の文化について入念に調べたうえで時折大胆なフィクションを挟んでおり世界観や物語における
説得力と外連味が程よく両立できている。
主人公たちの目的は、かつてアイヌ達が集めた金塊を見つけ出すことで、その在りかを示す手掛りとなる刺青の暗号を集め解読するため
刺青に暗号を彫られた24人の脱獄囚を捕まえるため北海道各地を渡り歩くことになる。
その道中で語られるアイヌの文化や食生活、当時の北海道の自然や暮らしは本当にリアルに描かれており歴史や文化の勉強にもなる。
また、脱獄囚たちのキャラクターも非常に魅力的で、それぞれが独自の美学や人生観などを持っておりそれぞれが凶悪な犯罪者であるにも
かかわらず読み進めているうちにいつの間にか彼らを好きになっていることも多い。
物語の主軸となっている金塊争奪戦も非常に面白い。主人公勢を含め3つの陣営が入り乱れて刺青の暗号を奪い合い、時には協力しある時は裏切る
2点3点する勢力図やその中で明らかになるキャラクターの過去や変化していく人間模様から目が離せない。
最初は敵側として描かれていたキャラクターとも一時的に共闘する場面があったり、争奪戦の中で主人公以外のキャラクターも様々なことを経験し
変わっていく。
要所要所で明かされていく新事実と合わせて各キャラクターの心情や最後がどうなるのかが気になり読んでいる間ページを捲る手が止まらなかった。
多少癖のある作風だが、画力・ストーリー・キャラクターどれも高い水準で描かれており非常に面白い。おすすめの一作。

吉澤嘉代子
9

舞台を見てるかのようなライブパフォーマンス

吉澤嘉代子は埼玉出身のシンガーソングライターである。
代表作は「残ってる」。口コミで噂が広まり、話題となった。
この曲は朝帰りの女性の切ない心情を歌ったもので、その歌詞の端々に滲み出ている女性の脆さと一夜の恋の儚さに、共感したファンはたくさんいたことと思う。
この曲のような等身大の恋愛を描いたものだけでなく、彼女の楽曲は子ども時代に夢見た童話のような雰囲気を持つものから、大人の女性の嫉妬や苦悩が剥き出しになったものまで、実に幅広い。
卓越した言葉のセンスと、型にはまらない音楽性で、1つのアルバムを聴いていると、まるで物語を聴いているかのような気分になる。
そんな彼女の最大の魅力は、なんといってもライブのパフォーマンスにある。
普段は大人しく、MC等もたどたどしい(そこが良いところでもある)が、演奏が始まると一気に何かが降りてきたかのように変貌する。
曲に合わせてくるくると表情が変わり、声色が変わり、時には小芝居やダンスをしながらステージの上で輝く彼女はまるで舞台女優のようである。
お気に入りの曲目当てで来ていた観客も、音楽の中に「生きている」彼女を見ると、心を掴まれずにはいられず、一瞬で彼女の世界観の虜になってしまう。
ぜひ、歌手吉澤嘉代子の圧巻のライブパフォーマンスを一度は見ていただきたいと思う。