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kanonのレビュー・評価・感想

the GazettE
9

ヴィジュアル界の異端児とは

彼らは、2002年に結成された5人組のヴィジュアル系バンドです。結成初期は、「ガゼット」というカタカナ表記で、自らを「大日本異端芸者」と名乗るほどヴィジュアル界でも異端な存在でした。
ガゼットと言う名前も、カセットテープやデモテープをイメージし、「古きものを今に伝える」という意味が込められています。
音楽性は、X、LUNA SEAといった王道ヴィジュアル系とは違い、ドラムやベース音を全面に打ち出したダークさが魅力です。歌詞も、悲哀、親子愛、時には自虐的なものや変態的なものまで独特の世界観を表現し、日本に留まらず海外からの根強いファンも多いです。
彼らのライブスタイルは、アンコールが必ず有るわけではなく、アンコールが無かった公演も何公演かあります。本公演に対して自分たちはもちろん、ファンも全力で挑んでほしいと言う気持ちが強いからです。
そして、ガゼットがヴィジュアル界の異端児と呼ばれる理由は、彼らと肩を並べたバンドであるナイトメア、シドはヴィジュアル系らしいバンド構成であることに対して、それに染まらず自分たちのやりたいこと、したいことを気の向くままに自由に突き進むスタイルであるからだと私は思います。

時計じかけのオレンジ / A Clockwork Orange
9

バイオレンスとドラッグ的な陶酔が炸裂する、サイケデリック調の狂気と紙一重の迷作!

『時計じかけのオレンジ』は、1971年製作のデストピア的な犯罪映画で、監督・製作はスタンリー・キューブリックです。本作は1962年に発表されたアンソニー・バージェスによる同名の小説を原作としています。この映画は見る人の気分を悪くさせるような暴力的なイメージを多用しており、近未来のデストピア的な英国の社会・政治・経済を批判しています。主人公のアレックス(マルコム・マクドウェル)はカリスマ的な反社会的な若者で、クラシック音楽(とりわけベートーヴェン)に耽溺し、レイプを頻繁に行い、いわゆる「ウルトラバイオレンス」を嗜好していました。彼の仲間にはピート(マイケル・ターム)、ジョージー(ジェイムス・マーカス)、ディム(ワレン・クラーク)がいて、アレックスは彼らを「ドルークス」と呼んでいました。フィルムでは、アレックス一味の犯罪がおどろおどろしく描き出され、アレックスは逮捕されると内務相(アンソニー・シャープ)が啓蒙する実験心理的な療法に処せられます。映画はアレックスの一人語りで、彼の独特な俗語が嫌に耳障りな記憶として残ります。映画の全米公開は1971年12月19日で、英国での公開は翌年の1月13日でした。この作品は批評家による両極化した評価で迎えられ、暴力がグラフィカルに描かれているために激しい議論を巻き起こしました。

リングフィット アドベンチャー
10

魂で繋がる絆が素敵な物語

この作品は、西遊記を元に現代風のアレンジと作者独自の物語構成となっており、世界観、キャラクターの個性、物語のクオリティなど、他ではあまり見かけないような設定が魅力です。
なんといってもキャラクターの個性が冴えています!

金髪で銃をぶっぱなし、口癖は『うるせぇ、殺すぞ』博打酒煙草なんでもござれの俺様破戒僧。一行のリーダー三蔵法師

口癖は『腹へったー』な健康優良児な最年少にして元気いっぱいで明るいムードメーカー。
無邪気で戦闘力が一番強い実はクールな一面もある孫悟空

酒と煙草と女に目がなく、女好きのナルシストだが実は面倒見の良い子供に好かれる兄貴肌な沙悟浄

常に笑顔でポーカーフェイス。丁寧な口調と穏やかな性格に加え実は一行の中で一番怒ると怖いみんなの保父さんな猪八戒

皆、過去には重いものを背負っており、モットーは『俺は他でもない自分の味方』
利己主義、個人主義、守るのではなく、守らなくてもいいそんな三蔵一行。
敵側のポジョンとして、牛魔王の息子紅孩児一行がいる。
こちらのキャラクターの方が少年誌の主人公のような立ち位置で、その逆転もまた魅力的。

心ではなく、魂に絆が刻まれている一見自分勝手な三蔵一行。
そんな彼等の破天荒で時には心にグッとくるシーンなどがこの作品の最大の魅力です。

レゴバットマン ザ・ムービー
8

原作とのギャップが楽しいレゴ映画

バットマンといえばダークな雰囲気が印象的ですが、このレゴ世界で展開されるバットマンは陽気な作風となっていて、非常に見やすいです。

バットマンことブルース・ウェインは世界一の大富豪にして夜な夜な悪をとっちめるヒーローという二つの顔を持っています。
バットマンが今回も宿敵ジョーカー率いる名だたる悪党集団を一人で制圧し、ゴッサムを守り、市民からの声援を受けながら豪邸に帰るとそこでは独りぼっちでした。
執事のアルフレッドのこともあくまで執事としてしか見ておらず、亡き両親の写真を眺めるばかりで寂しさは紛れません。
そんな彼と、新任のゴッサム市警本部長であるバーバラ・ゴードン、そして同じく両親をなくし孤児になっていたディック・グレイソンとの出会いが、バットマンの孤独な人生に変化をもたらしていきます。

バットマンを知っている人ならば思わずクスッと笑ってしまうような小ネタから、バットマンのヒーローとしてのルーツや歴史を感じさせる場面もあり、ファンだけでなく新規の方も入りやすい内容になっています。
ギャグや展開のテンポも小気味よく、見ていて飽きず、また、同じくレゴ映画である『LEGO ムービー』との関連を思わせる描写もあり、そちらも含めて楽しめることでしょう。

mol-74
10

今、最も”聴きたい”ロックバンド mol-74

「mol-74」(読み:モルカルマイナスナナジュウヨン)は
2019年4月にメジャーデビューを果たした日本のロックバンドです。

メンバー
・武市和希(たけいち かずき)
ボーカル、ギター、キーボード担当

・井上雄斗(いのうえ ゆうと)
ギター、コーラス担当

・髙橋涼馬(たかはし りょうま)
ベース、コーラス担当

・坂東志洋(ばんどう ゆきひろ)
ドラム担当

このバンドはVo武市の美しいファルセットボイス(裏声)とそれを引き立てる
ミニマルで繊細なサウンドが重なった独特な世界観を特徴としているバンドです。

今回はmol-74の素晴らしいアルバムの中から、
いくつかご紹介させていただきたいと思います。

1作目
3rd album「越冬のマーチ」
このアルバムはまるで「冬の夜」をイメージさせてくれるアルバムです。
導入の楽曲であるインストゥルメンタルの「La」から始まり、
「グレイッシュ」「アルカレミア」などといった美しい楽曲たちが展開されていきます。
アルバムタイトルに「冬」と書かれている通り、全体的にサウンドに冷たさを感じますが、
そんな中に温もりのような、ほんのりとした暖かさを感じさせてくれるアルバムです。

2作目
5th album「kanki」
先ほど紹介した「越冬のマーチ」とは対照的にこのアルバムは「春」を感じさせてくれるアルバムです。
季節を連想させる楽曲もmol-74の特徴といえるでしょう。
春の暖かさ、爽やかさの中にもどこか喪失感を感じさせる「エイプリル」。
手拍子のフレーズが特徴的な「%」。
そして最後の曲として、花が咲いたことをイメージさせる「開花」で終わります。
人間は誰もが何かしらの不安や問題を抱えて生きています。
このアルバムはそんな私たちでも春に咲く花のようにきっと「生まれ変われる」
といったメッセージが込められているように聴こえます。

3作目
Major 1st album
「mol-74」
こちらの作品は彼らの記念すべきメジャー1作目です。
それとともに、インディーズの総集編のような役割も担っています。
ほとんどの楽曲が今までの楽曲を再度録音したものですので、
以前のものと聴き比べてみる、などといった楽しみ方もできます。
その中でも唯一新曲である「Morning Is Coming」は、
トランペットの音が特徴的で楽曲全体としては、とても静かな雰囲気であるものの、
聴く者に「希望」や「光」を見せてくれる楽曲です。
彼らのメジャー1作目として、とても相応しい作品であると思います。

最後に、彼らのライブについて少し書かせていただきます。
私はmol-74のライブに何度か足を運んだことがあるのですが、
彼らのライブは技術的にも、表現的にも、クオリティーが高いです。
ライブ会場には音楽を引き立てる照明や、会場ならでは音響があります。
それらが楽曲と一つになり、素晴らしい空間が作られています。
また、「ライブ」というワードを聞くと、「盛り上がるもの」「ダイブやモッシュが頻繁に起こるもの」
などといったイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。
しかし、mol-74のライブは観客は皆「棒立ち」状態です。
決して盛り上がっていないのではありません。
完全に世界に引き込まれているのです(一部賑やかな曲もあります)。
ですので、ゆったりと音楽を楽しむことができます。

音楽には様々な楽しみ方があります。
盛り上がったり騒いだりではなく、ゆっくり音楽を "聴きたい” 方にとっては
「mol-74」はとてもおすすめなバンドです。是非聴いてみてください。

10-FEET / テンフィート
10

10-FEETのあたたかさ

10-FEETといえば、Vo.Gt/TAKUMA、B.cho/NAOKI、Dr/KOICHIからなる3ピースロックバンドである。
かれらの楽曲は素晴らしいものばかりなので聴いてもらうとして、今回は10-FEETのライブやフェスについて語ることにする。
かれらは、バンド自身で「京都大作戦」というフェスを主催しているのだが、このフェスがとにかくすごい。
「京都大作戦」は毎年夏前に行われるフェスで、彼らを慕ったミュージシャンが多数出演している。ロックフェスなので、ごりごりのロックバンドが出演するのであるが、10-FEETの交友関係が広く、ミクスチャーロックバンドということもあり、本来交わることのないアーティストが出演するのが最大の魅力となっている。
過去を振り返ってみると、レゲエアーティストの湘南乃風やMINMIなど、ロックバンドとは関係の薄いアーティストが10-FEETのために集まっているのだ。
そして、このフェスにはもうひとつほかのフェスにはない魅力がある。それは、ゴミが一切落ちていないことだ。
通常のフェスではゴミ問題が必ずあり、地域の人たちのお叱りを受けるのが通例の悪習となっているが、それを彼らは打ち破った。ボランティアスタッフの協力だけでなく、お客さん自らがゴミ拾いに積極的に参加して、ゴミセロフェスを成立させたのだ。
これは、10-FEETの人柄がそうさせているのである。

尾崎豊
10

本人も知らない尾崎豊の心理

高校3年生でデビューする尾崎豊。中学生の頃からギターやピアノで作者作曲をしていました。特徴的な誰とも重ならない歌詞です。歌詞というより、切ない思いを綴った手紙のようです。中学生というまだ子供のような時期に作られた楽曲は衝撃を与える。心の中の更に奥深くにある思いを誰も表現できないような言葉で発信する。街の隅に転がっているようなゴミにすら、言葉をかけてしまうような歌詞です。
またそのような繊細な表現をしたかと思うと、社会に対して恐ろしい反発心を訴えるのです。この両極端な楽曲は一曲聴いただけでは理解できず「尾崎豊」というミュージシャンを間違えて捉えてしまいます。ヒットした曲のみメディアで取り上げられるため、繊細よりも反社会的な行動の曲が印象付けられてしまうのです。これは他のミュージシャンにも共通することです。人の心に入ってくる歌詞はカリスマとまで言われてしまいます。それは、自分では求めていないイメージです。それでも万人受けするわけでもないのです。そのため自分でも、世間の視線やイメージに戸惑う生活を送ることになります。結果、迷路に入ってしまったような曲が徐々に増えてきます。すべての曲を何百回と聴いても尾崎豊という人間を理解することは不可能です。自分を越えてしまったもう一人の「尾崎豊」に自身も理解できなくなるのです。

EF
8

千葉・木更津を代表するハードコアパンク

結成し約25年。多くのメンバーチェンジを経て今現在も精力的に活動しているハードコアパンクバンド。過去にはfactのメンバーも在籍していた。地元木更津では『ダイナマイトどんどん』というイベントを企画し、界隈からは出演したいという声もかなり多く挙がっている。ラフィンノーズやニューロティカといったベテランや、ハードコアに限らずロカビリーやミクスチャーバンドの出演も多く、ジャンルを問わない企画として全国からアーティストを呼んでいる。
そんなEFの音楽はハードコアだがメロディックな曲もあり、DUBの要素も取り入れたりと多彩。オーディエンスのハートの深いところに刺さるような、強く、光を感じられるような、背中を押してくれるような、そんな気持ちになる。ライブを見に行くとどんな会場でも全力でパフォーマンスをしており、Vo.正木は40歳を超えているが全く衰えを感じさせない。3.11の震災以降は東北ライブハウス大作戦にも積極的に参加し、復興を応援する楽曲も作っている。木更津が全国に誇るハードコアバンド。EF。一度その熱く、男臭いステージを体感してほしい。そしてハードコアの文化を木更津に、全国に残して語り継がれるバンドであるだろう。

ロスト・イン・スペース
4

話は面白いのに

宇宙で迷子になる「宇宙家族ロビンソン」の映画化。
地球以外に住める場所を探すために宇宙に家族で行くことになった家族と運転手の軍人と、裏切り者の医者が宇宙で迷子になって、クモ型の宇宙人に襲われたり、未来の自分らに出会ったり、息子と父親の触れ合いがあったりは話は面白いのに、なんかパッとしない映画だった。たぶん、キャスティングがなんか違ってたり、子ども向けに凄惨な場合を写さなかったり、演出面の悪さが目立ったのかなと思う。たとえば、父親が未来の息子にあって、他の家族は宇宙人に襲われて死んだんだみたいな話をするんだけど、家族皆殺しの画がないのだ。ここはあったほうがちよっと怖くていいのではと思う。いくら子ども向けといっても、やっぱSFにはちょっと怖さもいると思う。
あと、キャスティングでいうと、ウイリアムハートは家族ないがしろの父に見えないというか、ストレートに愛情深く見えるし、悪役の医者は、ゲイリーオールドマンなんだけど、彼はうまいしコミカルで好きなんだけど、なんかかっこよすぎる。この悪役はなんかもっと年寄りとかおとこっぽくないガリガリ男のほうが似合うと思う。というに、ところどころ、なんかしっくりきてなくて、あまり面白くない。

NORIKIYO
10

平成エクスプレス

ジブラにDISともとれる曲を書いている、で有名?なnorikiyoさんのです。10枚目のアルバムです。
自主レーベルから出しているのでメジャーか?と言われればテレビなどでは見ないですが
ヒップホップ好きな人たちの支持は絶大ですよね。
去年の夏にアルバムを出してから約半年でのリリース。今の時代と逆行しているところとかも超カッコいいと感じてしまいます。
私もあまりヒップホップは聞かない人間でしたが(ロック・パンク・ハードコア大好き)
カラオケに行った時に友達がnorikiyoさんの"Go so far"を歌い、歌詞とトラックにやられてしまいました。

立ち振る舞いや歌っている姿はHIPHOPERそのものなのですが、歌詞が心を打つ!!
アルバム“平成エクスプレス”の“俺達の唄”も本当に最高です!(You Tubeにもアップロードされているので是非聞いてください!)
「生まれたこと自体に意味なんてない けどもしも欲しいんならば付けちゃいなよ」
「世界で今日お前はねここにしかいない そのお前のことを教えちゃくれないか」
「ここじゃねえ場所にもう逃げちゃいたいしね胸の奥の痣も癒えちゃいない その痣の訳など知らないが もしかすると俺ら一緒なのかもしれないな」

自分自身30代になり、色々と考える事が多くなりネガティブになりがちの人生を送っていますが
この唄を聞いて“自分だけじゃないな!”“もっとできるな”と奮起させています!
刺さる!という歌が多いので、本当におすすめです、もっと売れてほしい!

BRADIO
10

見た目のインパクト以上の演奏のすばらしさ、不朽のファンクロック、ディスコミュージックバンド

まず最初にBRADIOに抱かれる印象は「アフロ頭が歌を歌っている」。ボーカルの真行寺貴明さんは自前のアフロを揺らしながらソウルフルな歌声を披露しています。ですがそのアフロにも負けないのが、なんといっても歌声のダイナミックさ。ソウルフルであり、力強いファルセットが所々に聞こえる曲ばかりです。聞く人すべてに元気を与えてくれます。ボーカルだけではありません。ギターの大山聡一さん、ベースの酒井亮輔さんの演奏技術にも脱帽するものがあります。難しいメロディラインを華麗に弾きこなすその姿に惚れ惚れしてしまいます。代表曲はアニメの主題歌にもなっている「Flyers」(2015年)「Golden Liar」(2013年)など。まさにファンクロックといった曲調の楽曲が多いですね。ですがそんな彼らのバラードも必見です。力強い歌声・演奏から一変、雰囲気をがらりと変えて私たちに歌声を届けてくれます。代表は「ギフト」(2017年)などです。力強いファルセットから、聞き手を引き込むような優しい歌声に切り替わる瞬間は息を呑むものがあります。2018年にメジャーデビューを果たしてから、ますます活動を加速していってる彼らの音楽に一度耳を傾けてはいかがでしょうか。