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ikro054106のレビュー・評価・感想

シック・オブ・マイセルフ
6

他人ごとではない、どこかの日常

主人公のシグネは、同棲している彼氏のトーマスが家具系のアーティストとして有名になったことと、自分が働いているカフェで大量に出血している女性が倒れたのを受けとめて服に血がつき、彼女を見る人みんなに心配されたのをきっかけに、承認欲求を抑えきれなくなる。シグネは薬学に詳しい友人の手を借りて、皮膚病の副作用がある薬を手に入れ、カフェでの仕事の合間に服薬をし続けた。いや、仕事しろよと、ツッコミを入れずにはいられなかった。
薬の影響は真っ赤な筋となってシグネの肌に明確に表れた。しかし、トーマスが体調不良の自分よりもアーティストの仕事を優先する姿に負の感情の衝動が沸いて、その時、瓶にある錠剤を一気に飲み干した。そして彼女は顔中が醜く膨れ上がり、マスクをつけて入院する必要があるほどに顔が歪んでしまった。望み通り重症になった彼女はSNSに、重症を患っているけど、懸命に生きている私を見てほしいという思いで自撮り写真をアップした。
やがて彼女は障害者をモデルとしているファッション事務所と契約を結んでモデルとなる。しかし、退院後も例の薬を飲み続けたので髪の毛がたくさん抜け落ち、肌も更に荒れてしまった。しかもシグネは自分でなく、生まれつき片手の形が歪なモデルばかりカメラを向けられている(遅刻してきたうえに顔が変形しすぎたシグネを使いたくないと撮影スタッフたちがシグネに気づかれないように拒絶の意思を抱いていたから)ことに腹が立って、トイレに行ったモデルをトイレから出られなくした。
そこまでしたというのに、肝心の撮影ではシグネが頭から血を流して倒れて、結局モデルの仕事はできなかった。
しかも、手癖が悪いことを巷で知られていたトーマスが、入店してきた彼を怪しんだ家具店の警備員から逃げる最中に、暴行を犯したことから逮捕されて、家の中の物が窃盗の証拠品として押収された。しまいに、シグネは友人にわざと病気になったと打ち明けるも、友人は呆れて怒って彼女から離れていった。
人に見られたくておかしな方向へと行動を続けていたら、全部失った。
まるで実在するSNS時代を生きるどこかの誰かの、承認欲求の暴走の始まりと顛末を切り取って映画にした作品だった。
シグネの叶わなかった、手に入れたかった願望と妄想の映像が美しい点も、理想と現実の差に不満を抱いている自分にも当てはまるから、軽率に他人ごととは思えなかった。

The Beatles / ザ・ビートルズ
10

20世紀最高のロックンロールバンド

1962年のレコードデビュー以来、絶大な人気を誇るイギリスが生んだ怪物バンド「ビートルズ」。ジョン・レノン、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリソン、リンゴ・スターのいかした4人組は未来永劫、語り継がれていくでしょう。「すべての音楽はビートルズに通ず」と言っても過言ではありません。全部は紹介しきれませんので、かけ足で振り返っていきましょう。リバプールでジョンのバンドにポールが加入、その後ジョージが加わります。ドイツのハンブルクで腕を磨き1962年にレコードデビュー。これを期にリンゴがメンバーの一員になります。瞬く間に人気者になり、イギリスのみならず、アメリカそして全世界にビートルズ旋風が吹き荒れます。出す曲、出す曲すべてがヒットし、映画も大当たりのビートルズ。1966年には来日コンサートを行いますが、その後ライブは行わず、レコーディングを中心に活動します。その頃から4人に変化が訪れます。一緒に曲作りしていたものが、それぞれで行うようになり亀裂が入りはじめます。育ての親のマネジャーが亡くなり4人は別の方向を見るようになり、1970年、数々の名曲を残しついに解散。10年たらずの"夢"は終わったのです。その後4人ともソロやバンドで音楽活動を続けますが、1980年にジョンが熱狂的ファンに殺害され、ジョージも病死。ビートルズは2人になってしまいましたが、ポールとリンゴは音楽を続けています。20世紀最高のバンド・ビートルズ。もう2度とこんなグループは生まれないでしょう。