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go-1100292293085212385372のレビュー・評価・感想

言の葉の庭 / The Garden of Words
7

大人びた少年と成長を忘れた大人の物語

この作品は約40分の短編映画ですが、この間に詰め込まれた情景や技術は粋を極めています。

新海誠といえば「天気の子」でも話題になった絵の綺麗さで有名です。
そう言わしめているのは、尋常じゃなく上手い光の表現です。
この作品においては、「反射光」と「雨粒」にそれを見ることができます。
「反射光」とは、周囲の景色から回り込んできた光です。要するに光源の逆側の物の輪郭ことです。
例えば、周りを新緑の木々囲まれた人物のシーンでは光源と逆側の輪郭に緑が使われています。
これは、周囲の木々の緑を頬や服が反射させているという現実に忠実な表現手法です。
これによってキャラクターがより自然で実在感のあるものになっています。

もう一つの「雨粒」ですが、一粒一粒の再現性が半端ではないレベルで描かれています。
陽に照らされて一瞬輝く雨粒や、水面に落下した際の雫が精密に描き込まれています。
これは、天気の子などの別作品と見比べてみるとそのリアル感がより感じられて面白いと思います。

ここまでは表現について書いてきましたが、最後にストーリーについて書いてみたいと思います。
本作は、靴職人を夢見る大人びた男子高校生「孝雄」と、とある事情で休職中の女性「雪野」との出会いと別れを描いています。
二人は雨の日にだけ逢瀬を重ねてお互いを意識し始めますが、それには理由がありました。
二人はお互いに悩みを抱えており、お互いがお互いを救い合える関係と思えたからです。
孝雄は靴職人という夢を持ちつつも、それが狭き門であることを認識し人から「できっこない」と思われているのではないかと常に怯え、焦っていました。
それに対し雪野はその夢を認め、応援してくれるような行動も取ってくれていたことで、孝雄は少しづつ心を開いていきます。
一方の雪野は孝雄を支えつつも自らの問題に手一杯の状態で、どこを向いても味方はおらず前へ進む事が出来ずにいました。
そんな雪野にとって事情を知らない孝雄と話すことは心の癒しとなっていたのです。
この後の展開については、雪野の抱える事情が明らかになるのに従って急展開を迎えますが、その真相と二人の関係性における切なさを、秦基博さんの曲と一緒に作品で感じていただければと思います。

人生で何かに悩んでいる方に響く作品になっている物語を、ぜひご覧ください。

シン・ゴジラ / Shin Godzilla
10

これまでの怪獣映画とは違う「シン・ゴジラ」

1954年に東宝によって製作された作品「ゴジラ」を、同じ東宝が2016年に全く新しい作品として製作したものである。
「シン・ゴジラ」は、「現実対虚構」というキャッチコピーが付けられているとおり、これまでのゴジラ作品とは違って視聴者に現実味を感じさせる作品に仕上がっている。ゴジラが実際に日本に出現したら政府はどのような政策を取るのか、街はどのような被害を受けるのか…。細部までリアリティ重視で描かれており、非常に見応えがある。
大まかなあらすじとしては、東京湾から大量の水蒸気が噴き出し東京湾アクアラインで事故が起きる。その原因を、日本政府は海底火山だと推測して対策を進めていく。しかし、矢口官房副長官だけは、国民のSNSや動画等から“東京湾には何らかの巨大生物がいる”と仮定する。「そんなものはありえない」と矢口を嘲笑する内閣。だが、まさにその瞬間テレビニュースで流れたのは、東京湾から勢い良く飛び出す巨大生物の尻尾だった。唖然とする総理大臣達だったが、国民の不安を払拭するため大臣はすぐさま緊急記者会見を行う。「巨大生物が陸に上がる可能性はありません」。そんな会見をよそに巨大生物は日本列島に上陸し、東京は一変して混乱に陥る。ここから、巨大不明生物対日本政府の戦いが始まるのだった。