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9rharebareのレビュー・評価・感想

クリスティーナ・アギレラ / Christina Aguilera
10

多彩な歌声

アメリカの番組、ミッキーマウスクラブ出身(同時期にはブリトニースピアーズ、ジャスティンティンバ―レイクなどが在籍。)
デビュー前にディズニーアニメの映画「ムーラン」の主題歌アーティストに大抜擢。
主人公ムーランのせつない感情をバラードにのってしっとり歌い上げる。
彼女の魅力は何といっても力強い歌唱力と、歌えるジャンルの幅。
デビューは1999年「Christina Aguilera」のアルバムをリリース。このころはポップでかわいらしい印象。
次のアルバム「Stripped」ではこれまでのアイドル路線をガラッと変える大人びた激しい強い女性の雰囲気を醸し出す。
続いてのアルバム「Back To Basics」では1920年代から1950年代の当時のサウンドをメインに古き良き昔のアメリカのサウンドを再現。
「Bionic」では機械的な無機質な歌声。
2010年には自身主演で映画にも出演し惜しみなく歌唱力を発揮している。

‥というように彼女の出すアルバムはすべてのサウンドのジャンルの幅が多岐にわたり、
しかもそれらを彼女は力強く、時には妖艶、無機質な歌唱力で歌い上げる。
この世に歌唱力が抜群のアーティストはごまんといるが、これだけのジャンルの違いを歌い分ける歌手はなかなかいないだろう。

この世界の片隅に / In This Corner of the World
10

圧倒的に”のん”

とにかく圧倒的に”のん”の声が魅力的でキャラクターにマッチしている!物語は戦時下の広島。広島市内から呉に嫁いだ少女「すず」のおはなし。
日記帳で進んで行くストーリーは、普通であれば飽きてきてしまうもの。しかし、この作品では「すず」のおっとりしたキャラクターの可愛らしさと声優のんの”演技力”がその飽きを全く感じさせない。それどころか、ストーリーが進むにつれて、彼女が日々やらかしてしまうドジになぜか惹かれてしまう。
しかし、物語中盤で主人公の女性すずが途中で不発弾により片手を失うシーンでは、なんとも言えない悲しさと苦しさが湧いてくる。絵を描くことが小さい頃からの生きがいだった彼女にとって、手を失うことは人生の意義の大部分を奪われてしまうことを意味していた。戦争とはこうも無慈悲で残酷なものだったのだと、改めて感じさせられる場面だ。
さらに、それまで気丈にに振舞っていたすずも戦争の状況が悪化するにつれて、だんだんと変わっていってしまう。それでも、原爆が投下されたのち最後には”普通”の生活が再び戻ってくるところに、戦時下であっても普通の暮らしがこのように展開されていたんだとまざまざと見せつけられる良作。漫画を原作としているものの、漫画にはない呉や広島の詳細な描写がとても美しい!漫画版から、いくつかカットされているシーンもあるので、ぜひ漫画と合わせて拝見してもらいたい!

ザ・スイッチ / Freaky
8

女子高生と殺人鬼が入れ替わる新感覚ホラー

内気な女子高生と凶悪な殺人鬼が入れ替わる新感覚ホラー映画です。スラッシャー・コメディに分類されるこの映画は殺人鬼の豪快な殺しっぷりとコミカルな描写のギャップを楽しむ作品になっています。
監督がインタビューで「エルム街の悪夢」や「13日の金曜日」の要素を取り入れたと語っていましたが、焚火を囲んで怪談話をする浮ついた男女のシーンで始まるという露骨っぷり。知っていれば思わずにやっとしてしまうオマージュが随所に散りばめられており、スラッシャー映画好きにもおすすめできます。
この映画の肝はなんといっても中身が女子高生のおじさんです。内股で走るおじさん、へっぴり腰のおじさん、悲鳴をあげるおじさん……。外見は間違いなくおじさんなのに、そのしぐさは女子高生です。シュールさに笑っていられるのは最初のうちだけ。いつの間にかかわいく見えてきてしまうはずです。
おじさんと入れ替わったまま想い人と急接近してしまうシーンはそこだけ切り取ってしまえばギャグですが、外側ではなく主人公の中身を見てくれる人がいること、人はちょっとの自信と勇気で踏み出せるということを表す素敵なシーンでもあります。
ホラーと青春が絶妙に配合されてコメディに昇華された、新しい発想の映画です。ちょっと血飛沫は飛びますが、断面や中身の出ない程度なので大丈夫なかたはぜひ見てみてください。