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4jm94shirlandのレビュー・評価・感想

ボーはおそれている
7

ようこそ!アリ・アスターの描く圧倒的不条理の世界へ

『ヘレディタリー/継承』 『ミッドサマー』で、既存のホラーとは異なる独自のジャンルを確立した鬼才アリ・アスター監督。彼の長編3作目となるのが、この『ボーはおそれている』だ。
アリ・アスター作品には、理屈や道理は存在しない。登場人物たちはいつも圧倒的なまでの不条理に遭遇し、そして飲み込まれていく。本作ではその不条理さが格段にパワーアップしているからたまらない。

主人公のボーは40代の中年男性。心に何かしらの問題を抱えているようで、セラピストにかかっている。そんなボーのもとに突然こんな連絡が舞い込むのだ。「母親が死んだ。シャンデリアの下敷きになって、首から上はない」。そこからボーの奇妙な旅が始まる。
母親のもとに早く行きたいのに、災難に次ぐ災難でどうしても故郷にたどり着くことができない。ボーは最初から最後まで何かに怯え、何かに追われ、泣きそうな表情を浮かべながらただただ逃げ惑うばかり。見ている私たちも物語の着地点がまったく見えないまま、不安な気持ちで彼と共に不可思議な旅路を進むことになる。
ギリギリと心に爪を突き立てられているような、脳に不協和音を流し込まれているような、そんな映画体験。それを“快”と感じるか“不快”と感じるか、感想は真っ二つに分かれるだろう。

最後に付け加えると、上映時間はインド映画もびっくりの3時間15分。アスター監督いわく、「観客の尿意への挑戦」なのだそう。鑑賞前の水分摂取はどうぞ控えめに。

風が強く吹いている / 風つよ
10

箱根に行きたくなるアニメ

このアニメと出会えて良かったです。原作がジャンプやチャンピオンなら比較的簡単に出会うことができます。
しかし、このアニメは小説が元になっていて、なかなか出会うことができませんでした。このアニメを見たとき、どうして今まで見なかったのか後悔しました。
まず、このアニメの凄いところは、駅伝未経験者を集めて、箱根駅伝に出ようとする点です。そんなことできるはずがないと誰もが思います。実際に、箱根駅伝はTVなどで放送され、その無謀さは私たち一般人でも感じることができます。
また、駅伝の苦しさは、他のスポーツと違って、誰しもが走るという行為を通じて体感しています。
だからこそ、素人集団が駅伝の苦しさから逃げようとしたり、歯を食いしばって全力で走る姿に共感することができます。このアニメを見終わった頃には、箱根駅伝が好きになってることでしょう。それくらい共感することができ、なおかつ最後の結末に感動すること間違いなしです。
また、箱根駅伝の走りだけでなく、メンバー10人の協調、不和、友情などの心の成長も見どころです。この成長を通じて、自分自身の人間関係も考えさせられる内容になっています。こんなにも肉体的、精神的に充実したアニメは他にはないです。素晴らしい作品でした。