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3ocps206のレビュー・評価・感想

十二人の怒れる男 / 12 Angry Men
9

サスペンスの最高傑作!場面展開が少ないのでわかりやすくておもしろい!

映画「十二人の怒れる男」は、1957年に制作されたアメリカ映画です。ベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞し、アカデミー作品賞にノミネートされた「密室劇の金字塔」と呼ばれる名作として知られています。
舞台となるのは、ニューヨークの裁判所の一室。そこで、実の父親を殺した罪に問われている17歳の少年について、12人の陪審員たちが議論を行います。
事件の内容、そして目撃証言や証拠は少年が犯人であることを指し示しているものばかり。どう議論しても少年の有罪は決定的と思われていたが、陪審員8番だけが少年の無罪を主張する。果たして、11対1から議論はどんな展開へ進んでいくのでしょうか?
裁判所の一室の中だけで完結するストーリーで、登場人物もほぼ12人の陪審員のみという内容です(厳密には、オープニングで法廷のシーンや容疑者の少年が映ったり、議論の途中で裁判所の職員らしき人が部屋に入って来たりしますが)。
1つの部屋の中でずっと繰り広げられるストーリーのわかりやすさ、それなのに最後まで引き込まれる展開が続きます。決定的と思われていた目撃証言や証拠の1つ1つに疑わしい点を見つけ、1つ1つ検証していくシーンの連続に見てる側は思わず引き込まれてしまいます。
目撃証言や証拠にすべて疑わしい点を指摘して終わりますが、少年が有罪か無罪かははっきりとされずに終わります。この終わり方も見ている側が考えさせられる展開で、映画を見終わった後まで心をつかまれてしまうことでしょう。
そして、ラストシーンに陪審員が別れを言うシーンがまた印象的。お互いに名前を名乗って別れます。名前さえ知らない初対面の他人同士での議論だったということに、ここで改めて気づかされるのがまた強い印象を残す名作ですね。

小沢健二
1

小沢健二さん、さようなら

2010年に再開した小沢健二の音楽活動は、全く心が踊らないものだった。
東大卒を前面に押し出してロリポップソニック/フリッパーズギターで、小山田圭吾と日本のポップシーンを翻弄した後の王子様キャラのソロ活動は見事な転身だった。
決して歌がうまいわけでなく、声質がいいわけでもない。それでも熱狂的なファンがいたのは、小沢健二がアコースティックで探り合う人間関係を否定して高らかにラブソングを歌ったからだ。気恥ずかしくなるような「愛してる」「君を僕が奪い取る」という歌詞を、恥ずかしげもなくトーク番組でも口にした。3枚目の「球体の奏でる音楽」は明らかにスピリチュアル系の歌詞のアルバムで、シンプルな音源だから小沢健二の歌唱力のなさが際立った。声は伸びない・声量はない・音階は狭い。雰囲気でごまかされていた小沢健二の歌声が露呈した。
十数年の活動休止からの復活で、さらに小沢健二の歌唱力が落ちているのが明らかになった。
年齢でさらに狭くなった音域。自分の歌すら歌うのが苦しそうな佇まい。見た目はそれほど変わりなくても、歌うと老いが際立っていた。
アメリカに生活拠点を置いているならアメリカで音楽活動を再開すればよかった。曲の量産ができないなら、音楽にこだわらず他の活動を続けていれば別のファンが獲得できたのではないだろうか。

男はつらいよ 寅次郎相合い傘
10

メロン騒動

やっぱりメロン騒動は面白いなあと思いました。
この騒動に関しては寅さん、全く悪くないようと思います。あのメロンは寅さんに送られてきたものですもん。寅さんがいない時に食べ始めるのはちょっとねえ。寅さんが怒るのも分かります。
まあ、いつもね、あんまり家にいないから勘定に入れるの忘れちゃうのも分かりますし、寅さんもしつこいんですけどね。寅さんといえばのメロン騒動のある作品です。
ヒロインはまたまた寅さんといえばのリリーさんです。喧嘩もするし、口では色々言うけど、結局リリーさんを心配している寅さんがすてきです。やっぱ、寅さんに意見できる人は彼女しかいなかったし、彼女と結婚して欲しかったなあとしみじみ思います。
さくらちゃんも、2人のことを心配していたし、お互い好意はあったし、なんでとも思いますが、まあ、結婚しないのが2人らしいのかもしれません。旅先で出会えば、2人で小芝居なんかして、仲良く旅をし、何年会わなくても会えば仲良し、て関係が2人にはお似合いだったのかもしれないです。
リリーさん役の浅丘ルリ子さんは、ほんと細いし、か弱そうなのですが、きっぷが良くて強い印象もあります。浅丘ルリ子さんと舞台でご一緒した三谷幸喜さんが、彼女はほんとにリリーさんみたいな感じだと言っていました。素敵な女優さんだなと思います。浅丘ルリ子さんと渥美清さんにはもっともっと共演してもらいたかったなあと思いました。

LIFE!/ライフ / The Secret Life of Walter Mitty
10

人生の中で1度は見なければいけない教科書

あなたは人生に物足りなさを感じたり、生きている意味を見失い事はありませんか?
そんな方には、この一本がおすすめです。というより、必ず誰もが見なければいけない人生を「生きる」ための教科書です。
LIFE?誌で働く妄想癖のある冴えない主人公。彼もまた人生に意味を見失い、「こうなったらいいな」と妄想を膨らませては現実に戻り落胆する。
そんな彼の働くLIFE誌が最終号を向かえることになりますが、大事な写真が見当たらない。その写真を持っている写真家を探すため、彼は旅にでます。
ヘリに乗って海からダイブしたり、火山の噴火からスケボーで逃げたり。彼が日々妄想していた事が現実となって彼に迫ってくるのです。
そして人生をより豊かにする恋。その結末も見どころです。
会社と家の行き来ばかり。休日は家から一歩も出ずに悶々と過ごす。
しばらく素敵な相手と恋をしていない。人生は1度きり。そんなことを思っても行動できない自分に腹が立つ。
そんな時この映画はあなたに勇気を与え、一歩前へ背中を押してくれます。
私はこの映画を観終わった時、涙が止まりませんでした。感動したから。そんな生ぬるいものではありません。
自分の不甲斐なさ。勇気がでない弱い心。今までの自分を本当に悔いました。
そして、一歩前へ歩む決意をしました。
「いろんな世界を見に行こう。壁を超える勇気を持とう。いろんな人と出会い、もっともっとわかり合おう。きっとそれは本当の人生を生きる喜びだから」
映画「LIFE!」はそんな事を教えてくれます。

スワロウテイル / Swallowtail
8

独特の懐かしさを感じる世界観と切ないストーリー

今回紹介いたします「スワロウテイル」は1996年公開とだいぶ前の映画です。ですが、古さはまったく感じないのが不思議なところです。
いわゆるパラレルワールドの日本=円都(イェンタウン)に住む、外国人=円盗(イェンタウン)たちのお話です。
日本語と英語と中国語が入り混じったセリフが全編通して使われていて、役者さんたちみんな大変だったろうと思いますが、これがなんだか非常にリアルさを増す事になっています。
そしてヒロイン・グリコを演じるのはCHARAです。彼女を中心に、本編内でYEN TOWN BANDというバンドを組みます。
このバンド名で実際にデビューして「Swallowtail Butterfly~あいのうた~」でブレイクしています。
主人公たち、特にイェンタウンたちはただただ幸せになりたいだけなのに、そのために自分のやりたくない事をしないと生きていけない。さっさと円を稼いで自国に帰れば大金持ちという夢のためにイェンタウンに集まってくる。
でも現実は思う通りに行かない。
幾重にもこんな切なさが折り重なって出来ている作品です。そんな中グリコの歌声だけは人々の心にほんの少しでも温かい灯をともすことが出来ます。
グリコに歌を歌わせたかったフェイホンはみんなにその事を知ってもらいたかったのかも知れません。