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1fruruhaguminのレビュー・評価・感想

一の食卓
8

一味違った新選組ものを読みたい方におすすめ

新選組斎藤一が明治居留地のパン屋に?!『花咲ける青少年』『八雲立つ』でもおなじみの樹なつみによる時代ものです。明治維新後の新選組メンバーについて書かれた作品はいくつかありますが、こちらはその中でもかなり異色。泣く子も黙る新選組幹部の斎藤一が、彰義隊の戦いで両親を亡くした少女が切り盛りする、フランス人パン屋の下働きとして登場するのです。でもそこは樹なつみ作品。ただの少女漫画では終わりません。
少女から斎藤への淡い恋も描きますが、むしろ焦点を当てているのは、欧米に憧れ、必死に追いつこうとする、混乱治まらない明治の日本の姿。侍の時代を引きずって時代に取り残される者、新しい波にまんまと乗っていく者の姿が、事件に巻き込まれる斎藤の目を通して描かれます。
斎藤は新選組生き残りでありながら、明治政府の重鎮となった岩倉具視や大久保利通とも親しく、一筋縄ではいかない男ですが、人の力ではどうにもできない力にあらがう人間の気持ちもわかっている。

その斎藤をはじめ、出てくるキャラクターも魅力的です。サムライ好きで、侍が来ると鼻血を出しちゃうフランス料理人フェリさん。永倉新八や死んだと思われていた原田左之助も登場し、斎藤と一緒にテーブルで料理を食べるなど、新選組ファンにも嬉しいシーンがたくさんあります。もちろん試衛館や京都時代も描かれており、みんなの憧れ、土方歳三も色男ぶりを見せてくれます。アクションシーンも迫力の樹作品ですので、スピード感ある刀対刀のシーンもばっちり。
きっと斎藤行くところ平穏な生活は待っていなさそうなので、チャンバラ満載な新選組時代の斎藤の活躍と、それとは正反対のパン屋の下男の斎藤の活躍をもっと見てみたい、と思わせる魅力ある作品です。

ゲゲゲの鬼太郎 / 墓場鬼太郎
8

ゲゲゲの鬼太郎

鬼太郎はヒーロー物だと感じている人が多いと思いますが、実はそうではありません。
大半が人間に悪さをする妖怪を退治する、という内容が多く描かれていますが、時には人間を懲らしめるために生きたまま地獄に流したりしてます。
自分の死んだ母親を地獄まで再会しに行く、という長編シリーズもあります。
その他、その時の時事ネタも取り入れたりして時代にあった物語も描かれていたします。
また、鬼太郎は強いと思っている人が多いのではないでしょうか?
違います!鬼太郎は仲間の助けなくしては悪さをする妖怪たちを退治できていません。
その仲間こそ今では鬼太郎ファミリーといわれている、砂かけばばあ、子泣きじじい、ぬりかべ、一反木綿、ねこ娘、そして、ねずみ男などの仲間たちに多くの場面で助けられています。
ただ、ねずみ男にはよく裏切りられてますが、最終的には鬼太郎や仲間に許されてチャンチャンという事ばかりですが。
ねずみ男は愛されキャラですね。
特に注目なのは、目玉の親父にも助けられていたりしてます。あの小さな体でどう戦っているのか!?と思うでしょうが、意外な方法で鬼太郎を助けてます。
そして、鬼太郎はよく負けています。
その度に恐山にある妖怪病院で治療、
というか再生されてます。
勧善懲悪ではなく、そして最強キャラではない鬼太郎だからこそ、今でも愛され続けているのだと思います。