ドミコ

ドミコのレビュー・評価・感想

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ドミコ
8

他にない「ドミコ」のガレージ感

ドミコはギターボーカル・さかしたひかるとドラム・長谷川啓太による2ピースバンド。気だるげなボーカルとジャンクな曲調が特徴的で、同世代の他のバンドとは一線を画している。2019年にはドミコの楽曲「ペーパーロールスター」がApple MusicのCM曲として使用され、各地の大型音楽フェスへ出演をしていたり、台湾やアメリカ6都市でライブをしていたりと精力的に活動する実力派のバンドである。

まず、2ピースというのはバンドとしてあまり一般的ではない構成である。彼らは、ベースのメンバーがいないからサポートベースを呼ぶということはせず、本当にボーカル、ギター、そしてドラムのみで曲を作り上げている。音数が少なくベースがないから曲も薄っぺらくなってしまうのではないだろうかと思われるが、その心配は全くいらない。何も知らずに曲だけ聴くと、ベースがいないとは考えられないほど音に厚みがある。この音圧こそ、彼らの技術力の証明である。むしろ、彼らの曲には2ピースで十分であるとさえ感じてしまう。

次にドミコのユニークな楽曲について、彼らは「ガレージロック」と言われることがあるが、1度聴けばそう分類されることに納得できるだろう。なぜなら彼らの楽曲からはヴィンテージのおもちゃや雑貨を集めたような、もしくはアメリカンダイナーのような雰囲気を感じるからである。また、それは万人受けするものではないかもしれないが、「自分が良いと思っていればそれでいい」と言い出しそうな余裕を感じる。私はこれこそドミコの魅力だと思っている。

自分のスタイルを貫く等身大のドミコは、たくさんの音楽ファンを惹き付けている。