PERFECT DAYS

PERFECT DAYSのレビュー・評価・感想

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PERFECT DAYS
10

何気ない日々の尊さに気付かされる映画

2023年12月22日に公開した今作。米アカデミー賞国際長編映画賞にもノミネートした。
ドイツ人のビム・ベンダース監督と、日本を代表する役所広司(第76回カンヌ国際最優秀男優賞)主演のヒューマン映画。舞台はファーストリテイリング取締役の柳井康治氏による“トイレプロジェクト”により生まれ変わった個性豊かな「トイレ」だ。

東京のトイレで働く清掃員「平山」の日常。
毎日同じ場所に行き、同じことをする。
でも毎日違う人に会い、違う景色を見る。

「毎日」は同じように見えるけど、少し「違う」。
違う人の世界と自分の世界とが重なり、毎日違う「自分」になる。

それはPERFECT DAYS。
これ以上に欲しいものはあるのだろうか。

“KOMOREBI”は今作のキーワードだ。これは日本にしかない表現らしい。
光と葉と風で揺れ動く、いっときいっときが、最初で最後。
その貴重な瞬間を、どれくらい人は意識でき、味わうことができるのだろうか。
どんなお金持ちや、権力者よりも、平凡に見える日々を噛み締めることができる人こそが、一番幸せな人なのかもしれない。

ところどころ挿入される「音楽」は「日々の大切さ」をより印象づけ、耳から離れない。

内容はもちろん、「日本のよさ」も織り交ぜた、心に残る作品だ。

PERFECT DAYS
9

『PERFECT DAYS』:時代を超える芸術作品

『PERFECT DAYS』は、役所広司の卓越した演技能力を存分に活かした映画です。彼の表現力豊かな演技は、映画の魅力を一層高めています。この作品はただのエンターテイメントという枠を超え、観る者に深い感動を与える芸術作品です。

映画のストーリーラインは巧妙で、予想を裏切る展開が随所に散りばめられています。役所広司は主人公の複雑な心理を見事に表現し、その内面の葛藤をリアルに描いています。映像美も際立っており、撮影技術の高さが光っています。

本作の最大の魅力は、人間ドラマの深さにあります。役所広司は感情の起伏を細やかに演じ分け、観客を物語の世界へと引き込みます。彼の演技は、観る者の心に長く残ることでしょう。

この映画は幅広い層の観客にお勧めできます。静かながらも強いメッセージを持った作品であり、人生とは何かを考えさせられる内容です。映画好きはもちろん、役所広司のファンならずとも、多くの人に感動を与えること間違いなしです。